真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

小沢一郎、続投に思う

2009-03-24 22:10:33 | Weblog
塾の先生が、酒に酔っぱらって騒いだ。
塾生は、そんな先生が嫌で塾をやめた。
塾の先生は、
「たしかに私は酒に酔ってバカな真似をしたが、教えている学問は立派な内容です。なんとか皆に、もどって来るよう説得してもらえませんか」
と、二宮尊徳に頼んだ。

尊徳いわく、
「もし、炊きたての美味しいご飯が、糞桶(くそおけ)の中に入っていたらそれを食うか?」と尋ねた。
「なるほどお前の教えている学問は立派な内容だ。だが、教えるお前がダメな人物なら、そんな人間の言うことなど、誰が聞くものか。お前は、糞桶の中のご飯を、『美味しいから食え』と言っているのだ。食べてもらいたければ、まず、糞桶ではなくキレイな入れ物にお前自身がなれ」

小沢一郎。
今夜(24日)の会見で、「政権交代で正しい議会制民主主義を実現する」、と述べた。
つまりは、続投宣言。

まず、第1に。
大事なのは、政権交代ではない。
勘違いも甚だしい。
大事なのは、政権交代をすべき、政策も人物も充実した政党をつくることである。
何がなんでも、とにかく政権を交代すれば政治が良くなるなどということは、あり得ない。

憲法や安全保障一つとってもまともに一致できない、つまりは、政党の体を成していない民主党の現状をこそ第一に是正すべきである。「党内が割れる」という理由でこうした問題を棚上げする無責任状況を、政権交代を叫ぶ前に代表として何とかすべきではないか。それが党代表の責任というものである。

第2に、「政権交代が自分の夢だ」という趣旨を述べている。
夢を抱くのは自由である。
しかし、自分の夢ではなく国民の為に政治家は存在する。
自分の野心、自分の野望のために政治をやってもらっては困るのだ。
結局は、自分の「夢」という名の「野心」を満足させるために、小沢氏は代表に居座り続けるのか。

ふたこと目には、「国民のため」と言うが、どうも小沢氏は自分の夢や野望を、国家や国民のため、と言い換えている気がしてならない。

第3に、百歩譲って小沢氏が言っている「政権交代云々」等々が正しいとしよう。
いま小沢氏は秘書の資金管理について疑惑が持たれている。
仮に、小沢氏は何も知らず、秘書が勝手に、しかも相手が問題の建設会社だと知らずに受け取っていたとする。

年間で一千万円を超える献金をする相手のことを、何も知らないという秘書は問題だし、そんな秘書に対する監督責任は小沢氏に無いのか。

問題の建設会社よりも、個人からの献金の方が多い、と小沢氏は会見で胸を張って述べたが、問題は個人献金の多寡ではない。あの建設会社からの、普通の国民が見ればひじょうに大きな金額の献金。何か意味があるのではないか、と、普通の国民なら思う。

きれいな政治、官僚と癒着しない、財界とも距離を置く政治をしたいのだろう。ならば、身の潔白を果たしてから、堂々と復帰してはどうか。
残念ながら、いまの小沢氏が吐く言葉は、どんなに涙ぐもうと、どんなに立派な内容だろうと、「糞桶の中のご飯」にしか見えない。

蛇足。
「自分の進退は、自分だけで勝手に決められない」
という趣旨を述べていた。
自分の進退は、他人にとやかく言われるものではない。
「みんなが残れというから残った、だからオレの言うことを聞け」
と、また言い出すのか。

自民・民主の大連立の際、自分の意見を聞き入れられなかったと言って代表辞任を表明した小沢氏。あの時は、「自分の進退は自分で勝手に決めた」のではないの?

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鳩山大臣、集めている蝶は、まさか殺したんじゃないですよね。

2009-03-03 23:52:54 | Weblog
「おいッ、あれはなんだ!」
高級車で乗り付けて、出てきたのは高そうな背広を着た、元・相撲取りみたいな男。
ニュースで見ていて、一瞬、ヤクザの組長が組事務所を包囲している機動隊でも怒鳴っているのか、と思ったら、怒鳴られた人は郵便屋さんを工事している一般人で、怒鳴ったのは現職の閣僚だった。

東京駅の真ん前、中央郵便局の建て替え工事への、「視察」という名の現職大臣イチャモン興業。

見ていてあることを思い出した。
総会屋だ。
ヤクザの組長風の鳩山大臣は、口を開けば「オレ(国)は株主だ!」と怒鳴る。
そのたびに、総会屋を思い出す。
なるほど、鳩山大臣の本当の目的は「本社の文化遺産化」ではなく、民間企業である郵政会社を脅し挙げて、民営化を邪魔することだから、まあずいぶん遠回りなことをするものだ。そんなに小泉純一郎が怖いのかネ。

民営化が間違っていたと思うのなら、はっきりそう言えばいいのに。
我が国の現職総理も現職総務大臣も、はっきり口にすると怖いもんだから、こんな搦手から攻撃をするんですな。
「アルカイダの友だちの友だち」にしては、やり方がセコイ。

「トキを焼鳥にして食べるようなものだ」
と、鳩山総務大臣は言う。
文化遺産っぽい建物を、原型をある程度残したまま有効利用することが、どうして天然記念物を焼鳥にすることとイコールなのだろう。

珍しい蝶を収集することで有名な鳩山大臣。
収集のための蝶々は、まさか、収集のために捕獲されたり、殺された蝶ではないでしょうな。
自然に死んだ蝶をたまたま拾ったり、拾った人から譲ってもらったのでしょうね。
虫ピンで蝶を刺している大臣は、刺すたびに心が痛むのでしょうなぁ。

冗談はさておき。
東京の超一等地に民間企業が土地を持っている。
まわりは高層ビルで、テナント料など含めて莫大な利益を挙げている。
郵政が民営だろうが公営だろうが、持っている土地を有効活用して利潤を上げれば、それだけ私たち郵便を利用する一般人にとっては、サービスを安く利用できることに直結する。

「何事も経済効率優先でいいのか!」、と鳩山氏は絶叫する。
いいわけがない。
しかし、今回のことは、論点がずれている。

(1)相手は純然たる民間企業である。国家が経営に介入するならば、それはイコール国営である。
(2)これまでも建て替えについて、総務省と協議し了解を得ている。
(3)建物は原型部分を残す建て替えで、同様の建築は他にも多数見られる。
(4)企業には、自分の資産を最大限活かし、生き残るための選択をする権利がある。

鳩山大臣はこれからも、いろいろ細かな事例でイチャモンをつけてくるのだろう。
「どうだ、オレを軽く見るとおそろしい目にあうぞ。テレビカメラの前で、怒鳴ったり泣いたりしてみせるぞ!さあ、どうする?」
怒鳴る前に、少しは品格を気にしては如何か。
泥酔大臣といい、天然記念物大臣といい、この内閣は、どうも変だ。

蛇足。
小沢一郎についても一言、と友人から言われたので。
別に驚くに値しない、今回の秘書の逮捕。
古い自民党そのものというのが小沢さんだから、不思議でもなんでもない。
マスコミはこのところ、民主党支持一色だったから、そういう報道が隠れてしまっていた。

マスコミは今日から、「自民党も民主党も信じられない、政治不信だ」、という論調展開だろうが、自民党にも民主党にも、テレビには出たがらないけれど、地道に困っている人のために働いている議員、結構いるんですよ。
鳩山大臣みたいに、工事現場で、弱い立場の人を怒鳴りつけたり、変な発言したりしないからマスコミは取り上げないけど。
みなさん、曇りの無い目で議員を、特に地味な議員を見て下さい。

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