真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

礼節を重んじる国の大使

2008-07-17 21:42:21 | Weblog
冗談だと信じたい。
韓国の駐日大使が、「このままだと、拉致問題に対して協力はしない」という意味のことを言ったらしい。
言うことを聞かないのなら、犯罪によって誘拐された人間の命がどうなっても知らないぞ、と、日本人には聞こえる。

竹島。この、日本固有の領土に武力進駐している韓国。
どうして日本のマスコミは、この島が古来から日本人によって漁場の中継基地として使用され、正式に日本領として100年以上前に編入されたと言わないのか。

また、第二次大戦で敗戦国となり、領土を大幅に縮小された日本がようやく独立を約束された昭和26年のサンフランシスコ講和条約には、はっきりと竹島が日本の領土だと示されている。

当時韓国の李承晩大統領は、だから講和条約が発効する直前に竹島に武力進駐したのである。

日本は国際司法裁判所に訴えたいが、問題の当事国双方が訴えないと裁判が開けない。韓国側の言い分は、「明らかに韓国領なのだから、訴える必要などない」というのだが、訴えてスッキリした方が双方の利益である。

さて。今回のことで言いたいのは、第一に、双方に意見の相違があるのならば議論すべきである、ということ。第二に、領土問題に絡めて、拉致被害者の救出という重大な人命・人権の問題を脅迫材料に使うべきではない、ということ。

私には韓国人の友がいる。信頼できる人物だ。韓国の映画も大好きだ。そして、日本が韓国に行なってきた歴史的事実について、率直に申し訳なかったと感じている。もし立場が逆で、戦前の朝鮮が日本を植民地支配したならば、私は間違いなく、朝鮮独立の志士たちが感じたのと同じ屈辱を感じて、独立運動に加わったであろう。

立場を越えて話し合うことは無理かもしれない。
しかし、立場を踏まえて話し合うことは可能なはずだ。
どうか、脅迫するのはやめてほしい。
言うことを聞かなければ拉致被害者がどうなっても知らないぞ、などと、礼節を重んじる国の大使の言葉ではない。

国の代表者が、公の場で議論し、それでもだめなら司法に委ねよう。それが、理性ある近代国家というものではないか。

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