真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

民主党らしさ、とは

2010-02-17 01:21:11 | Weblog
結局鳩山政権は、エコポイントなど、あれほど口汚く罵っていた麻生政権の経済政策を続けて、肝心の成長戦略では、付け焼刃のような話しか出てこない。
もちろん麻生政権も、まともな成長戦略は描けていなかった。

鳩山政権も麻生政権も、無責任で長期的視野に欠け、バラマキで支持率アップを狙うという
共通点がある。

どちらもミクロな、個々の場当たり政策は持っているが、
マクロな、日本全体をこれからどういう方向に引っ張っていくのかという、力強いメッセージが皆無だ。

しかも民主党はかつて、公共事業を目の敵にして、「無駄な道路をつくるな!」「道路公団民営化は骨抜きだ」と絶叫していたが、なんのことはない、政権をとったら、

「よしよし、党(つまり小沢一郎)に陳情に来た殊勝な市町村には、手心を加えよう」

と、自民党時代ですらやらなかった予算確定前の露骨なバラマキ提示をやっている。

いくら仕分けで政治ショーをやったって、そういう公共事業は対象外なんでしょう。

だって、岩手県の胆沢ダムは仕分け対象外だもの。説得力、まったくナシ。

国民はさすがに政権の危うさを感じている。こうしたおかしな状況の積み重ねと支持率急降下は見事に反比例しているのだ。

もし鳩山首相が言う「民主党らしさ」で現状を挽回するというのなら、良くも悪くも青臭いまでの愚直さではないか。
小沢のダムだろうが子ども手当だろうが、例外なく「本当に必要なの?」と、仕分けすればいい。

おかしな議員がいたら、自発的に、なんて言わずに、「議員辞職してくれ」と言えばいい。

辣腕幹事長だろうが現職総理だろうが、なにかおかしいと思ったら、
「党で説明してくれませんか」
となぜ言えないのか。

テレビ大好きの議員たちがおっかなびっくり、
言質をとられまいとしている姿は醜く、見苦しい。
それこそ「民主党」らしからぬ姿ではないか。

首相はいつも言葉だけで具体策に欠ける。
肝心なことになると

「一般的に言えば●●かもしれないが」
「いわば●●とも言えるもので」
「若干そういうことも」

と、ぼかす。
歴代総理の中で、ぼかしのうまさではトップ3には入る。

ちなみに政治家のぼかしには3種類あって、
1つ目は、まだ明言の段階ではないため。
2つ目は、悪いことを隠すため。
3つ目は、何も中身がないため。
「鳩山ぼがし」は、1であることを祈りたい。

首相は「民主党らしさ」での現状挽回を明言した。
それが何を意味するのか全く不明だが、願わくば青臭いまでの愚直さを首相と政権に求めたい。
今度こそ、ぼかさずに。

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