atabichaのきまぐれ手帖

更新は不定期です。
本や映画の感想やお出かけの記録など。

母を送りました。

2014年09月24日 | 日記
何から書いていいやら、なのですが・・・。

9月12日、母が息を引き取りました。

長いあいだ病気と闘って来た母ですが、今年の春に4度目の大きな手術があり、その後の経過が芳しくない状態が続いておりました。

そこへ来て、母には姑にあたるおばあちゃんが101歳で6月に亡くなり、その葬儀やら何やら、カラダがキツイ状態だったのに頑張っていた母。

ワタシもできる限りのフォローはして来ましたが、母も意地を張って頑張っていました。

しかも、病気の事を周りにはひた隠しにしていたので、無理に無理を重ねていたんだと思います。

夏にはもう誰が見てもビックリする程に痩せてしまっていました。

それでも、人から(あの人は病気なんだ)という目で見られるのがイヤだと、断固として隠し続けて。(おかげでワタシは大変でしたけど)

そしてお盆で帰った時、もう体力に限界が来ていて、これはもう無理だと病院に連れて行ったところ、そのまま入院。

ワタシも今回はもう長くないと分かっていたので、仕事も無理を言って月-木にさせてもらって、金-日は埼玉に通う日々でした。

それでも、入院中も普通に食べたいものを食べ、おしゃべりもしていたのですが。

9月6日、先生から頑張って半年と宣告を受けました。

そしてそれからたったの1週間。

その週はかなり元気がなく、看護師さんからも電話をもらっていて、週末は病院に泊まる予定で木曜日、いつもより早い時間に出発しました。

もうじき実家の最寄りI.Cというあたりでまた病院から電話が。

慌ててPに入ってかけ直すと、かなり危ないのですぐ病院に来てくれと。

実家にもよらずにそのまま病院へ行きました。

その時、すでに意識は朦朧としかけていて、かろうじてイヤイヤをしたり頷いたりが確認できる程度でした。

それでもまだ意識はあったのですが。。。


明け方、4時過ぎに心臓のモニターの状態が悪くなったとかで看護師さんたちが慌ただしくなり。

当直の先生から呼ばれ、「いわゆる、危篤状態です」と。

あわてて母の夫を呼び、8時過ぎて伯母にも連絡。

みんなの顔を見て安心したのか、少し落ち着いたようなのですが、先生からはその日一日もつかどうかと言われ、伯母と母の夫とで実家のある市内の病院に入院中のおばあちゃんを迎えに行ってもらうことに。

ワタシは母のもとに残り、すでに昏睡となっていた母にひたすら話しかけていましたが、二人が出て15分か20分くらいで、呼吸が止まってしまいました。

本当に信じられないくらい、静かな、眠るような最期でした。

もう何も考えられなくて、自分でもびっくりするくらい、声をあげて泣き続けていたワタシでしたが、その間、看護師さんがずっと背中をさすってくれていて、その手の暖かさは今も忘れられません。

病院のみなさんには本当に本当によくしていただきました。

それからのバタバタはご家族を送られた経験のある方ならおわかりかと思いますが・・・。

本当にバタバタでした。

ウチは色々と事情が込み入っていて面倒もあるのですが、でもたくさんの皆さんに助けられました。

母の昔の生徒さんや楽器店の、昔の担当の方まで、遠くからもお別れに来てくださり、中にはワタシにまでお心遣いをくださる長年のお付き合いの生徒さんも。

みなさんのお気持ち、本当に本当にありがたかったです。

まだまだ片付けなければならない事が山積み状態で、今後もしばらくは埼玉と新潟を行ったり来たりの日々になりそうですが。

各種手続きについては四十九日の法要を終えてから、ゆっくり取り組んで行こうかと思っています。

その前に、おばあちゃんの入所先を探すというミッションがあったりするのですが。

こちらとFBの方には何も書けないまま来てしまいましたので、まずは、ご報告まで。

【妻の女友達】小池真理子

2014年09月02日 | 


内容(「BOOK」データベースより)

市役所の戸籍係をしている夫と美人ではないが清楚で控えめな妻。平和で波風の立たない人生をこよなく愛する夫婦の前に、突然現れた妻の学生時代の女友達。女流評価家として活躍するスキャンダラスな女の登場が平穏な家庭をいつのまにか破滅的状況に追い込んでいく…。推理作家協会賞受賞の表題作。ありふれた日常に潜む愛憎が殺意を纒ってあなたの背後に忍び寄る恐怖の瞬間。傑作サスペンス6編。


女性が描く女性の怖さ。読んでいても、(怖い怖い)と繰り返し思ってしましました。(笑)
女性目線なんだけど、でもやっぱり女の怖さを描いています。さすがです。

これはこの人の初期の短編集だけど、面白かったです。

【菩薩のような女】
個人的にはこれが一番怖かったかも。こういう女が一番怖い。
一見「菩薩」のように、優しくて悪気がなくてしおらしくて・・・。
表面には一切裏の顔は見せないのに、実は・・・。
でも被害者が嫌なヤツなので同情は湧いてこない。


【転落】
死んでしまった美也子は正直おバカだなぁと思うけど。
男はもっとおバカでしたね。
怖いのは、美也子の姉・・・ではなくて、男の妻。
これまた、一見目立たないおとなしい育ちのいい女。
だけど、実は・・・・・。
怖い怖い。


【男喰いの女】
これは・・・。一概に美佐子を怖い女とは言えないかな。
登場人物のほとんどが気の毒に思えてしまった。
弟の妻とデキてしまった圭太郎には同情しないけど。
「男喰い」と言われてしまう母と娘も・・・。
真実はどうなのか。結果、誰も幸せにならないお話しでした。


【妻の女友達】
これもまた、一見おとなしげな貞淑な妻が一番怖かったというオチ。
振り回されて罪を犯して、最後捨てられる夫。
やっぱり女目線なんですよね。
でも読み物としては結構面白いからさすが。


【間違った死に場所】
これはもう、誰が悪くて誰が怖いのか、わからなくなるお話し。
最終的に、美味しい思いをするのは満美子。
あまりにも共感できない登場人物達がたくさんすぎるせいで、ちょっと小気味いいとさえ思ってしまった。


【セ・フィニ -終章-】
これは、なんだかな、という感じに終始したかな。
でも短編ながら、サスペンスドラマを見ているようなスピード感は楽しめました。
久美子がかわいそう。