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<自工会>模倣品対策で中国と交流会 年内にも開催

2010年07月02日 | 日記
 自動車や部品の模倣品販売が海外で後を絶たない中、日本自動車工業会(自工会)は年内にも中国の業界団体と模倣品被害への理解を深める交流会を開催する。また、日産自動車は共通の問題を抱えた他社や業界と協調し、啓発活動の強化に乗り出すことを明らかにした。個別企業での対応が中心だった模倣品対策が業界を挙げた取り組みとして広がりつつある。

 近年は、自動車の前部と後部でそれぞれ別のメーカーのデザインをまねた完成車のほか、メーカー純正品に酷似したコピー品、類似のロゴを使用した部品が世界で流通している。自工会によると、自動車の模倣品の8割以上が中国製で、うち3割が中東で販売されているという。

 日産によると、サウジアラビアで今年2月、「NISSAN」に酷似した「NiSSAi」ブランドの部品が流通していることが判明。調査では、中国の業者が日本の特許庁で「NiSSAi」を商標登録していた。書類に記載された東京都内の会社所在地を突き止めたところ、事業の実態は不明だったといい、手口は巧妙化している。

 中には「NISSAN」のロゴマークが入ったエアバッグの模倣品が、全く機能しないこともあった。日産はこれまで、年間100件以上の模倣品について、中国政府へ摘発の要請などを行ってきたが、被害額は年間100億円にのぼる可能性があるという。担当者は「ブランドイメージ維持だけでなく、消費者の安全確保の観点から対策強化は急務」と指摘する。

 日産はこれまでに北京大学と慶応大学の学生が意見交換する場を設けるなど、模倣品への理解を深める活動を実施してきた。今後はトヨタ自動車やホンダなど日系メーカーとも連携し、具体的な啓発活動を展開したい考えだ。

 自工会もメーカーによる個々の取り組みだけでは限界があるとして、中国の自動車団体と担当者レベルでの交流会を開く方針。中国では知的財産権への理解が不十分な面もあることから、模倣品の安全性の問題などの認識を深め、ものづくりの重要性を訴える。【宮崎泰宏】

引用元:yahoo ニュース