白川総裁、円高と苦闘=介入8回、金融緩和15回
時事通信 3月16日(土)15時26分配信
日銀の白川方明総裁が19日に退任する。総裁に就任した2008年4月は、米経済の先行き不安を背景に円相場が約12年4カ月ぶりに1ドル=100円を突破した直後。産業界から悲鳴が上がり、任期中は円高と苦闘する日々が続いた。
08年3月13日、米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題に端を発する世界的な信用収縮を受けて円相場は急伸し、99円台に突入。約1カ月後の4月9日、白川氏は総裁に就任した。就任直前の記者会見では「為替市場は世界的に振れの大きな展開になっている」と危機感をあらわにしていた。
同年9月にリーマン・ショックが起きると、円高に弾みがついた。82円台に急騰した10年9月、政府・日銀は約6年半ぶりの円売り介入に踏み切ったが、円高の流れは止まらなかった。
11年3月の東日本大震災では、生命保険会社や損害保険会社が保険金の支払いに充てるため、ドルやユーロ建ての金融資産を売却して円資金を調達するとの思惑が広がり、円高が加速。日米欧が協調介入したが、同年10月末には戦後最高値の75円32銭を記録した。
結局、白川総裁の下で円売り介入を8回実施。金融緩和は15回に及んだ。