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日産、印市場攻略へ加速 現調率95% コスト競争力向上

2010年06月28日 | 日記
 日産自動車は27日までに、提携するルノーと共同で設立したインド南部のチェンナイ工場の部品の現地調達率を最大95%まで高め、コスト競争力を向上させる考えを明らかにした。急成長するインドの自動車市場は小型車が主戦場だ。ライバルメーカーが低価格路線の小型車で攻勢をかける中で、早期に競争力を高め、生産能力を急ピッチで拡大する。

 今年3月に竣工したチェンナイ工場は、日産とルノーの両ブランドの車を同じラインで製造できる初の工場。すでに部品の85%を現地で調達しているがこれを90~95%に引き上げる。

 現地の生産子会社、ルノー・日産オートモーティブインディアの櫻井亮社長は「マーケットの近くで、100%部品を調達し、生産販売することが理想だ」と話すが、先進国でしか調達できない部品もあり、最大95%程度が限界になるという。

 生産能力は2012年までに20万台、15年のフル稼働時には40万台に拡充する計画で、従業員の増強も進める。年内に3月時点に比べて1.5倍の2300人まで増やし、今年後半には昼夜2交代制に移行する。

 チェンナイ工場は5月から、世界戦略車の新型「マイクラ(日本名・マーチ)」の生産を開始した。7月中旬の販売開始にもかかわらず、すでに予約が1000台を突破する人気ぶりで、日産はマイクラの販売価格を最低40万ルピー(約77万円)程度に設定する方針で一気に大手の一角を占めたい考えだ。

 来年には同じ車台を使った小型セダンの生産も開始し、現地生産車を12年までに5車種に増やす。積極的な商品投入や販売網の構築で、13年までに現地の販売台数を10万台以上に拡大し、市場での存在感を高める。

 一方、インド工場は、欧州などに輸出するグローバル生産拠点にも位置づけ、11月には輸出向け車両の生産も始まる。

 09年度のインドの新車販売台数は、マイカーブームを背景に220万台となり、このうち小型車が優遇税制を追い風に6割を占めた。「今後数年で300万台に達する」(日系メーカー)成長市場だ。

 価格も35万~40万ルピー(70万~80万円)程度のモデルが人気で、シェア1位のスズキや米ゼネラル・モーターズ(GM)などに続き、トヨタ自動車やホンダも来年までに低価格の小型車を投入。タタ自動車など現地メーカーを追走する計画で、競争は激化する一方だ。(田村龍彦)

引用元:yahoo ニュース