竹中労は、晩年の8年間ほど頻繁に中東・リビアを訪問している。
なぜ? そのワケは? ネットで調べても分からない。
ふと思いついたのが鈴木邦男・・・彼は竹中労を敬愛していた。
ネット本のライブラリを覗いたら、鈴木邦男著「竹中労」があるではないか?
表紙上半分の画像・・・読んだ記憶が無いので、積ん読状態のままか?
【第五章 友よ、来たりて風となれ!】
最終章である。カッコいいセリフだ。邦男は文章も上手い。
小見出しが7つ並ぶ。その中の二つに眼が止まる、'これだっ!'
「中東に革命を見た」「世界革命の拠点・リビア」
以下、邦男箸作から中東やリビア行き等を摘記。(年齢は1928年起算)
1983/S58 55歳
10月・「アラブ映画祭」審査委員を要請され、シリア、レバノンへ
1984/S59 56歳
2月・「パレスチナ旅日記」(新雑誌X)連載開始
5月・中東取材、リビアとの回路をつなぐ
1985/S60 57歳
6月・中東取材行、視界に変調来たし検査入院
9月・中東取材に出発
1986/S61 58歳
1月・中東ベカー高原へ 3月・中東取材
ベカー高原(レバノン) by cc2.0 w:de:User:Orient
マタバ(マダバ):ヨルダンの古都
1987/S62 59歳・・・病気で体調を崩す
1月・「マタバ/環太平洋国際革命家フォーラム」準備委員会でリビアへ
2月・フィリピン革命一周年取材に東南アジアへ
4月・リビアで開かれた「マタバ」の議長として基調報告
8月・三井記念病院入院。
「胃癌、肝硬変、重度の糖尿病に食道静脈瘤も発見される」
医師に余命を訊ねると、 「余命3年長くて5年」と応えた
1988/S63年 60歳
・リビアで開催された「緑の書シンポジウム」に出席
・父・竹中英太郎没 4月8日 82歳
・6月 胃痙攣、呼吸困難、肝性脳症を併発し三井記念病院に緊急入院
腹膜炎も併発し入院一カ月 ・沖縄へ
カダフィー箸「緑の書」 日本語訳1980年
・・・「緑の書」はカダフィーの民主主義観・政治哲学館を語る本だという
緑色はイスラムのシンボル・カラーで、イスラム社会主義を表す・・・
▶1989/H01年 61歳
・7月 検査入院 ・12月 入院
・「竹中英太郎回顧展」の企画・構成
・「大城美佐子うたう会」出席のため沖縄へ(11月) ・沖縄取材(12月)
▶1990/H02年 62歳
・2月 三井記念病院入院 ・6月 同左 ・12月 同左
・・・冒頭に掲げた疑問への、鈴木邦男の答を以下に要約引用する。
"ソ連、中国、北朝鮮といった社会主義国には、もう期待はしてない。
それらは、社会主義の残骸だ。夢のない官僚国家だ。
しかし、リビアは違う。若い、夢のある社会主義国家だ。
竹中は、カダフィ大佐率いるリビアに期待していた。
中東、アフリカ、アジアとも連帯し、支援し、新しい社会主義革命を起こそうとしている。そんな夢の萌芽を見た。"
・・・カダフィ大佐は1969年リビア革命で政権を樹立、長期独裁政権を維持。
2011年リビア内戦で政権は打倒され、カダフィは殺害された。・・・
中央軍服姿がカダフィ 左はエジプトのナセル大統領 右はシリアのアタッシ大統領
今日はここまで。明日は竹中労の最終回の予定。
それでは明日またお会いしましょう。
[Rosey]