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Si4825(DSPラジオ)の試作

2021-10-07 12:41:20 | 電子工作

Si4825は、SILICON LABSのDSPラジオICである。FM、AM、SWが受信できる。音声は、モノラルである。AliExpressで、5個259円(送料込み)で安く売っていたので、買ってみた。500円位の中華ラジオに使われている。同様スペックのステレオ版は、Si4836で、こちらの方は昨今の半導体不足の影響か、1個500円もするのでとても買えない(後述するがゴミになる可能性がある)。Si4825のデータシートはネットの検索で入手できる。またSILICON LABSのアプリケーションノートAN738も入手しておく必要がある。

Si4825は、SOP16ピンのパッケージなので、専用の基板(AliExpressや秋月電子にあり)にハンダ付けする必要がある。基板は、ピンの間隔が1.27㎜で、目で見てハンダ付けできる限界に近い。ハンダゴテも先が細く尖っている専用の物が必要である。予め基板側にフラックスを塗り、厚めにハンダメッキをしてから、再びフラックスを塗った後で、Si4825を載せ、足を一本一本ハンダゴテで押さえる様にしてハンダ付けすると上手く行く。当然、基板とICのピン間の導通は、テスターで一本一本確認しておく必要がある。

基板にピンヘッダーをハンダ付けしてから、ブレッドボードに載せ、配線を行う。回路図は、データシートに載っている。まずはFMが受信出来れば良い。AMを受信するためには、バーアンテナかループアンテナが必要なので今回は省略。Si4825は、TUNE1ピンの基準電圧を抵抗分圧して、BANDピンに印加することで、受信バンド(受信モードと周波数帯)を選択するスペックである。これがなかなか難しい。アプリケーションノートAN738には受信バンドが41(も)あると記載されている。一方、TUNE1ピンとグラウンド(GND)間の抵抗は500KΩにする必要があり、接続する抵抗の値に精度が要求される上、値自体が中途半端になってしまうのである。さらに問題なのは、実際に、どの受信バンドが選択されているか分からないのである。

ここでは、実験なので、TUNE1ピン側から、150KΩ、150KΩ、100KΩ、100KΩ(GND側)の4本の抵抗を接続して見た。受信状況であるが、GND側から100KΩのポイントをBANDピンに接続すると、Band5,6(FM)になり、90MHz付近のFM局が受信できた。次にGND側から200KΩのポイントをBANDピンに接続すると、Band15,16(FM)になり、80MHz付近のFM局が受信できた。ただし、いずれも音質は良くない。GND側から350KΩのポイントをBANDピンに接続すると、SW(短波)になり、北京放送らしき局が受信できた(外部アンテナ接続)。ただし、周波数帯は不明である。なお、SW(短波)を受信する場合は、トランジスタ1段の増幅回路を推奨している(アプリケーションノート参照)。

ということで、一応放送の受信はできたが、色々と問題があった。まず、受信できたのは、3つ目のSi4825チップである。最初に選択したチップは、全く動作しなかった。2つ目のチップは、電源を入れると雑音は入るが、放送は受信できなかった(写真を参照、上の2つのチップは「ゴミ」です)。ここで諦めてはと、意地で3つ目のチップを試した結果である。アタリ、ハズレがあるとは、安い理由が理解できた。救いはハンダ付けが上手くなったことである(泣)。次に、音質である。まず、音量が十分ではない。VOL+ピンとVOL-ピンをGNDに接続するとMAXになるはずであるが、イヤホンでも小さいと感じる。音質も歪が目立つ。ボリュームによるチューニングもクリティカルでコツが必要である。使用したチップ個体のせいかもしれないが、実用には、いまいちという結論である。

 



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