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Si4732によるオールウェーブラジオ受信機の製作

2022-01-23 12:55:24 | 電子工作

Si4732はSiliconLabs社のSOP16ピンのDSPラジオICで、FM、AM、SW受信に対応している。I2Cによるマイコン制御である。Amazonなどで販売されているラジオ受信機に採用されている。ICはAlixexpressから購入できるが、人気があるのか比較的高価である。コロナ禍前には、1個300円台であったが、半導体不足騒ぎの頃は1個800円台まで高騰したことがある。人気の理由は、マイコン(Arduino)のスケッチ(良くできていて、特徴として、コードからファームウェアにパッチをあて、SSBを受信可にしている)がGitHubから入手できるからである。不良品(5個単位なので大損?)の懸念もあったが、決心して購入した。データシートアプリケーションノートはネットから入手できる。

配線はブレッドボード上に行うので、Si4732はSOP16ピン用の変換基板にハンダ付けする必要がある。Si4732の供給電圧は3.3Vなので、マイコン(Arduino)はArduinoProMini(3.3V)にする。5V系のArduinoにするとレベル変換が必要である(配線を誤るとSi4732を破壊するリスクあり)。回路図、必要なパーツや全体の配線については、GitHub(SI4735/examples/SI47XX_03_OLED_I2C)を参照する。特別なパーツとしては、表示にOLED、同調にロータリーエンコーダを利用している。組み立てにあたってはこちらも参考にすると良い(ただし5V系のArduinoなのでご注意。部品が揃わない時はこちら(ヤフオク)から購入するのも手)。なお、Arduinoのスケッチは、Si4732と互換性があるのでピン番号を変換すればそのまま利用できる。注意点は、I2Cのアドレスであるが、Si4732のSENBピンの接続によって変更できるらしい。ここで使うスケッチでは、I2Cのアドレスを自動識別しているとの記述もある。筆者のところでは、SENBピンをGND(グラウンド)に接続した状態で動いている。

回路の接続を終えた後は、ArduinoProMiniにスケッチを書き込む必要がある(注 ArduinoProMiniはUSB-シリアル変換器が必要)。まずAuduinoIDEにSi4735のライブラリをインストールする必要があるが、pu2clr/SI4735には、ライブラリマネージャから”si4735”を検索してインストールする方法が紹介されている。ArduinoProMiniに書き込むスケッチは、”SI4735/examples/SI47XX_03_OLED_I2C/SI47XX_02_ALL_IN_ONE_OLED/SI47XX_02_ALL_IN_ONE_OLED.ino”である。なおArduinoProMiniとSi4735の接続方法がスケッチの冒頭に紹介されているので、Si4732の対応するピンに読み替えて接続すれば良い。使用するOLEDはSSD1306(I2C)タイプで、ライブラリはライブラリマネージャから”Tiny4kOLED”を検索してインストールする。

FM、AM、SW(短波)の受信を確認してみた。アンテナは室内設置のマグネチックループアンテナである。全体の印象としては、IC個体のせいかもしれないが、明瞭度が「いまいち」と感じる。音量のレベルはイヤホンでもギリギリで、アンプが必要である。バックグラウンドのホワイトノイズ系の雑音が気になるので、増幅すると耳障りかもしれない。ローカルのFM局は受信できた。ただし音質が「いまいち」で、常用する気にはならない。AMは、ローカルの大出力の局(NHK)が受信できた。民放局は信号を感じるが放送内容が聴き取れないレベル。SWは、7MHz帯の北京放送が何とか聴き取れた。SSB(Single Side Band)は切り替えが確認できたが、SSB局がいないので実際の受信状況は確認できていない。作って楽しむには面白いが、無線機として実用に使うには、ちょっと厳しいレベルである。



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