摠見寺 復元案

安土城にある、摠見寺(そうけんじ)の復元案を作成する プロジェクト日記

見寺再建コンペ

2008-11-22 22:02:13 | 雑記
安土城考古博物館で行われた、見寺再建コンペを聴講してきました。

ということで、とりあえずコンペの感想。

新聞社とテレビ局も取材に来ていたが、
参加者は、学生と関係者がほとんどでした。

最優秀賞は、滋賀県立大学の「上総介ヲ宿ス」だったのだが、
個人的には、優秀賞だった鳥取環境大学のものが首席だと思いました。
ただ、鳥取環境大学の彼は、下を向いている時間が長かったような気が・・・。

コンペの要項の第一に「復元を基本とします」と書いてあるわりには、
みなさま、自由な発想で計画していて、なかなかおもしろかった。

特に、武蔵野大学の案は、外観は普通の?禅宗仏殿風なのだが、
内部は、土間床で、上に向って少しずつ回転してゆく形に梁が架けられていて、
実際に作られた場合、建築雑誌で高い評価を受けそうな、
現代建築のような、斬新な内部空間だった。
住職も、一次審査で票を入れてたから、復元コンペでなければ入選してたかも。

選外でしたが、広島大学の佐藤大規さんも発表していました。
佐藤大規さんを見るのは、初めてでしたが、なかなかカッコ良くて、
発表慣れしていて、声もイイじゃないですか。
広島大学の案は、鳥取環境大学と方向性が、かぶっていた事と、
「二間四面」と書かれる文献資料を厳密に解釈したために、
二階を二間四方で復元してあって、見寺境内絵図で描かれた仏殿と比べると、
少し、二階が小さすぎる感じがした事に、問題があったのではないかと。

あと、やはり素人受け?する為には、CG画像や模型は必須だったような…。
発表でも、和樣と唐樣の斗栱の違いを説明していましたが、
この違いは、専門家なら当たり前の常識だし、素人ならどっちでも関係ない?
事なので、わざわざ説明に時間を割く必要は無かったと思われ、
この辺りのことも、選外になってしまった理由かも。

模型に力が入っていたのは、佳作の東京大学でした、
なんでも材料費に10万かかったとか。禅宗仏殿としての完成度も非常に高く、
博物館に納品ならば500位しそうな、豪華な模型でした。が、
東京大学ということで?審査員に少しイジメられていました、
学生なんだから、なにもそこまで突っ込まなくても良いのでは…
といった感じで、傍から見てる分には、けっこうオモシロかった。

コンペ全体の感想としては、最優秀賞になった滋賀県立大学の案そのままで、
実際の建築が建てられると、資料との間の齟齬が多すぎて、問題だと思われるが、
最優秀賞で復元しないのは、コンペの趣旨として問題があるので、
今後の見寺の再建プロジェクトはどうなるのでしょうか?

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