20代のころの『男の魅力』をもう一度呼び覚まそう

1997年に心筋梗塞を患い、2006年までEDだった私。
2007年にある漢方に出会い、37歳差の彼女をゲット。

ロシアGP-決勝

2021-09-27 15:41:42 | F1レース
26日(日)、ソチ・オートドロームを舞台にシーズン第15戦ロシアGP決勝レースが開催され、終盤の雨が大きな影響を与えた結果、メルセデスのハミルトンが通算100勝目を挙げるとともに、メルセデスがロシアGPで8連覇を達成した。



初日は好天に恵まれたものの、グランプリ2日目は悪天候に見舞われ、土曜フリー走行が中止された後に実施された予選もウエットコンディションでスタートしたが、徐々に路面が乾いていく難しいコンディションとなり、Q3終盤にはドライタイヤが登場。早めにスリックタイヤに切り替える判断を下した陣営が2回以上のアタックラップのチャンスを得るなど、いつもとは異なる状況の中、マクラーレンのノリスが1分41秒993でラップをまとめ、キャリア初となるポールポジションを獲得した。2番手には元チームメイトで現在はフェラーリを駆るサインツが入り、最初にソフトタイヤを投入したウィリアムズのラッセルが3番手に食い込んでいる。

ソチ・オートドロームでは複数のドライバーがグリッド降格ペナルティを受けており、前戦のペナルティで3グリッド降格が決定していたレッドブルのマックス・フェルスタッペンはパワーユニット交換を決断し、予選はタイムを計測せずに20番手で終えた。フェラーリのルクレールも予選前に新しいエンジンコンポーネント投入を決めていたため、Q2に進んだ後はリスクを回避してアタックラップに臨んでいない。ウィリアムズのラティフィに加えて、予選7番手だったメルセデスのボッタスも新しいパワーユニットでレースに挑むことになった。さらに、ギアボックスを交換したのがアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィだ。

カレンダーではスパ・フランコルシャンとシルバーストーンに続いて3番目に長い全長5.848kmを誇るソチ・オートドロームにて53周で争われた決勝レースは気温19.1℃、路面温度22℃、湿度60.9%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。予選がウエットコンディションだったため、レーススタートに装着するタイヤは全車が自由に選択でき、上位5グリッドに並んだドライバーたちはミディアムを選択、6番手スタートのアロンソ(アルピーヌ)と8番グリッドからスタートしたレッドブルのペレスがハードタイヤで決戦に挑んでいる。11番手以降もミディアムもしくはハードのコンパウンドを選び、ソフトを履いたドライバーはいない。ペナルティを受けたドライバー中で第1スティントにミディアムタイヤを選んだのはラティフィだけで、それ以外はハードタイヤをチョイスした。

注目の蹴り出しはノリスが好発進を決めるも、ターン2ではブレーキングポイントを遅らせたと見られるサインツがややロックアップしながらもノリスの前に出て先頭に浮上し、複数台が団子状態でコーナーに進入した結果、アロンソがコースを飛び出してしまったが、無事にコース復帰を果たしている。オープニングラップを終えてサインツがトップをキープし、ノリスとラッセルに次いでストロール(アストンマーティン)が4番手にポジションを上げ、スタート位置を維持したリカルド(マクラーレン)の後ろにハミルトン(メルセデス)、アロンソ、ペレス(レッドブル)、オコン(アルピーヌ)、アルファロメオ・レーシングのライコネンが10番手に上がっていた。

後方スタートの面々はルクレールが12番手まで大きく回復し、ひとつ順位を上げたボッタスの真後ろにはフェルスタッペンがピタリとつけている。アルファタウリの角田裕毅はスタート直後の混雑でポジションを失い、12番手から19番手に後退してしまった。

快調に飛ばすサインツに1.5秒ほどのギャップでノリスが続き、3番手をキープするラッセルは2人より1秒ほどペースが遅く、後方のドライバーたちがコンマ数秒差の隊列を組んだ状態で追い抜きのチャンスを狙っていくも、ラッセルも懸命にマシンをプッシュしており、簡単には道を譲らない。

至るところでバトルが繰り広げられる中、7周目にはフェルスタッペンがボッタスに対するオーバーテイクを成功させて14番手に上がり、続けて目の前にいたガスリー(アルファタウリ)に狙いを定める。かつての相棒も追い抜いたフェルスタッペンは次のラップにはルクレールをも料理して12番手に浮上、12周目に4番手を走っていたストロールが最初のピットストップに向かって15番手の位置でコース復帰した結果、フェルスタッペンは11番手とポイント圏内まであとひとつのところに迫った。

数周にわたってオーダーが動かず、しばらく安定していくかと思われたレースは13周目にノリスがサインツに仕掛けてリードを奪うと、そのラップ終わりに3番手にいたラッセルがタイヤ交換に向かったほか、リードを明け渡したサインツもピットストップのタイミングを迎えてタイムシートが目まぐるしく変わっていく。

マクラーレンはノリスとリカルドをステイアウトさせて1-2態勢を築き、2番手に上がる格好となったリカルドのコンマ数秒後方にいたハミルトンもコースにとどまったが、簡単にはリカルドを追い抜けない状況を考えると、アンダーカットを狙う戦略の方が良いようにも思われた。特に、この時点で4番手以降に並んでいたのはスタートにハードタイヤを選んだドライバーたちが大半で、ペレスとアロンソを挟んで6番手にはフェルスタッペンが迫ってきており、ハミルトンとフェルスタッペンのギャップは18周目に入った時点で6秒弱しかなかった。

先頭のノリスが1分40秒後半のペースで周回を重ねる一方、それより1秒ほど遅いラップタイムのリカルドに付き合う格好のハミルトンは徐々にノリスとの差が開くのに加えて後続勢のプレッシャーにも対応しなければならず、難しいレースが続く。

マクラーレンが動いたのは23周目。まずはリカルドをピットに呼び入れる。この動きを見てメルセデスのピットクルーも準備を始めたが、ハミルトンもボッタスも入ってこず、できるだけスピーディなピットストップに仕上げたいマクラーレンだったが、タイヤ交換にて間取り、リカルドはオコンの後方14番手の位置でコース復帰することになった。ただ、すぐにオコンを料理して14番手に上がったリカルドはフレッシュタイヤのアドバンテージを生かして猛プッシュし、ファステストラップを刻んで4秒ほど前にいたラッセルとのギャップを縮めていく。

ハミルトンとメルセデスが動いたのはレースが後半に入った直後の27周目だ。レッドブルも同時にフェルスタッペンのピットストップを実行しており、アストンマーティンもベッテルをピットに呼び入れている。

その間にもリカルドはラッセルをオーバーテイクしてポジションアップに成功していたが、ピットアウトしてきたハミルトンに先行を許してしまい、ピット作業の遅れが響いてしまった。ハードからミディアムに履き替えたフェルスタッペンはラッセルの後方、ベッテルはさらにオコン、ライコネン、ジョビナッツィを挟んで16番手の位置で第2スティントをスタートさせている。

2周後の29周目に入るタイミングでピットインしたノリスを、今度はスムーズなピット作業で送り出したマクラーレン。戻った位置は、まだスタートと同じタイヤを履き続けるペレス、アロンソ、ルクレールの後ろ4番手だ。5番手にいたガスリーも第1スティントを継続しており、アルファタウリマシンを抜きあぐねているサインツが実質的な2番手だが、すでにノリスとのギャップは7秒以上あった。

そのサインツをロックオンしたハミルトンがフレッシュタイヤを生かしてオーバーテイクし、続けてガスリーも料理した結果、ノリスから8秒ほどの5番手に上がって事実上の2番手につける。ハミルトン同様にタイヤ交換のタイミングを遅らせたリカルドやフェルスタッペンはタイヤ戦略の異なるガスリーとサインツに引っかかる形で思うようなペースを出せず。ガスリーが34周目にピットインすると、サインツのラップタイムが少し上がったものの、2秒以上速いペースで前進するハミルトンとは15秒以上の差が開いていた。

さらにハミルトンは長い第1スティントを走るルクレールをコース上で追い抜き、ノリスに4秒差の4番手に上がる。ルクレールはハミルトンに抜かれた直後にピットインし、ミディアムタイヤに交換、1秒前後の間隔で接近戦を繰り広げていた集団の中に飛び込む形で隊列復帰している。

ラップリーダーだったペレスとその後ろにいたアロンソが次のラップでピットに入り、後方集団にいたジョビナッツィも最初で最後のタイヤ交換を済ませて全車が第2スティントを開始した結果、見た目のオーダーが実際の順位とそろい、トップはノリス、ハミルトンが2.1秒差で追いかけ、19秒以上離れた3番手にサインツ、リカルド、ペレス、フェルスタッペン、アロンソ、ストロールが1秒前後のギャップで連なり、9番手のラッセルは前の集団から4秒以上離れた位置で10番手のオコンを含む5台を引き連れた。

フェルスタッペンは新しいタイヤに履き替えたばかりのアロンソにつかまって後退を喫し、アロンソの前を行くペレスは1分39秒台のペースで前方のリカルドに攻撃を仕掛けるも、リカルドの防御にあってなかなかサイド・バイ・サイドに持ち込めなかったが、残り8周を切って数周にわたる攻防戦に決着をつけ、4番手に上がっている。

トップ2ドライバーも接近戦を繰り広げ、ノリスとハミルトンは3番手以降より2秒ほど速いラップタイムを刻みながら、時折、ハミルトンがコンマ数秒差のDRSゾーンに入ることもあったが、近づきすぎるとマシンのパフォーマンスが落ちるようで、確実なチャンスを狙うしかない状況だ。

残り周回数が少なくなる中、グランドスタンドに詰めかけた観客が雨具を着始めた47周目、濡れた路面に足を取られたのか、ノリスがわずかにコースを飛び出してしまう。ただ、なんとか持ちこたえたノリスはハミルトンに追い抜きを許すことなくラップリーダーの座をキープした。

それでも、路面コンディションは悪化する一方で、中団グループを中心に多くのドライバーがピットに飛び込んでタイヤを雨天用に交換していく。

ノリスとハミルトンは3番手以降とのギャップが49秒以上あったため、粘ってドライタイヤの走行を続けていたが、メルセデスはハミルトンにピットインを指示、一度目はステイアウトを選んだハミルトンだが、50周目にインターミディエイトタイヤに履き替えた。マクラーレンもノリスにインターミディエイトへの交換を打診したものの、ノリス本人がそれを拒否。雨が止むと踏んだのか「このまま行かせてくれ」と主張したノリスだが、同様にドライタイヤでレースを続けるドライバーではベッテルがウオールにマシンをぶつけたり、ガスリーがストロールと接触したり、波乱の展開に見舞われている。

しかも実際には雨が強まってしまい、ドライタイヤで水しぶきの上がるコースを走ることになったノリスはコーナーを曲がりきれずにハーフスピンを喫し、ウオールとの接触こそ免れたものの、そのスキにハミルトンに追い抜かれてしまった。マシンをコースにとどめておくだけでも難しいコンディションとあって、スローペースでのピットインとなったノリスがインターミディエイトタイヤに履き替えてコース復帰したポジションは、なんと8番手。ピットインの直前にマシンのコントロールを乱してピットエントリーの白線を横切ってしまい、ペナルティの対象にもなっている。

雨が降るまでのレースがなかったかのような展開となったロシアGPはハミルトンがトップチェッカーを受け、53秒差で最後尾スタートのフェルスタッペンが2位、フロントローに並んだサインツが3位表彰台に上った。4位にリカルドが入り、ボッタスとアロンソに次いでノリスは7位でゴール、ライコネン、ペレス、ラッセルがトップ10フィニッシュを果たしてポイントを手に入れている。

11位以下、完走はストロール、ベッテル、ガスリー、オコン、ルクレール、ジョビナッツィ、角田、マゼピン(ハースF1)となり、ラティフィはチェッカーを受けずにマシンを止めて19位完走扱い、ハースF1のシューマッハはトラブルによりリタイアを喫した。

ホンダPU勢、最後尾スタートのフェルスタッペンが2位表彰台を獲得、ハミルトンにポイントで抜かれたもののその差2点と最大限の結果を引き出しましたが、ペレスはタイヤ戦略を誤り9位入賞、ガスリーは13番手、角田は17番手と良い結果を出せませんでした。

次戦トルコのイスタンブール・パーク・サーキットで頑張って欲しいですね!





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ロシアGP-予選

2021-09-26 23:01:01 | F1レース
25日(土)、ソチ・オートドロームを舞台にシーズン第15戦ロシアGP予選が実施され、路面コンディションが変化する難しいコンディションの中、マクラーレンのノリスがトップタイムをたたき出してポールポジションを獲得した。



2回のフリー走行が行われた初日は好天に恵まれたものの、グランプリ2日目になって上空を雨雲が覆い、予選前に予定されていた土曜フリー走行は悪天候のために中止を余儀なくされている。ドライコンディションだった初日は両セッションともメルセデスのボッタスとハミルトンがタイムシートのトップ2に並んだ。

予選開始前には青空が見える時間帯もあったが、ウエット路面の気温14.1℃、路面温度17℃、湿度75.7%で始まった予選Q1は大半のドライバーがインターミディエイトタイヤを履いてコースに向かう。アルピーヌのアロンソだけがウエットタイヤを選んだ。

アウトラップを終えたドライバーから順にアタックラップに臨み、1分46秒937を記録したハミルトンをトップにボッタスが2番手に続き、3番手にはフェラーリのルクレールがつけていた。

ハミルトンとチャンピオンシップを争うレッドブルのフェルスタッペンは前回のイタリアGPでそのハミルトンとクラッシュしたインシデントの責任を問われ、ロシアで3グリッド降格処分を受けており、チームはこれを踏まえてソチでのパワーユニット交換を決断。エンジンコンポーネントの数が規定を超えるため、エンジンペナルティを科せられるフェルスタッペンは最後尾スタートが決まっていたことから、予選でドライブこそしたものの、本気のアタックを見せることはなかった。

ノックアウトゾーンの16番手以降にはウィリアムズのラッセル、ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)、アロンソ、シューマッハ(ハースF1)、20番手に、すでにマシンをガレージに戻してコックピットを離れたフェルスタッペンが名を連ねた。

その後、全セクターをベストタイムで通過したペレスが1分46秒455のトップタイムを刻むも、好調をキープするボッタスが0.059秒速くラップをまとめてトップの座を奪う。

他のドライバーも次々と自己ベストタイムを更新していき、ノックアウトゾーンの顔ぶれも入れ替わっていったが、最終的にライコネン(アルファロメオ・レーシング)、シューマッハ、ジョビナッツィ、マゼピン(ハースF1)に加えて2周を走りながらもノータイムで予選を終えることになったフェルスタッペンが20番手だった。ルール上、タイムを計測していないフェルスタッペンの決勝レース出場可否はスチュワードの判断に委ねられるが、フリー走行では十分なタイムを記録しているため、承認に支障はないはずだ。

引き続きウエットコンディションの中に始まったQ2は15分間で争われ、アルファタウリのガスリーを先頭に、ウィリアムズのラッセルを挟んで、もう1台のアルファタウリを駆る角田がコースイン。アストンマーティンは先にストロールがガレージを離れ、少しの間隔を置いてライバルたちも順次、合流していった。

路面コンディションが改善したこともあり、すでに水しぶきが上がっていない場所もあるが、全車がインターミディエイトタイヤでの走行を続けている。

Q2前半は1分45秒506をマークしたボッタスがトップに立ち、ハミルトンが0.590秒差の2番手、メルセデスに次ぐ3番手の位置にはノリスがつけたものの、それ以降は時間とともにオーダーが入れ替わる展開だった。

ノックアウトゾーンにいたのはリカルド(マクラーレン)、ラッセル、角田(アルファタウリ)のほかに、タイムを残していないラティフィ(ウィリアムズ)とコースにすら姿を見せていないフェラーリのルクレールだ。ラティフィは一度、コースに入ったものの、1周を走っただけでピットに引き上げてしまい、アタックせぬままQ2終了を迎えた。ルクレールはフェルスタッペンと同様にソチでパワーユニットを交換しており、エンジンペナルティに伴うグリッド降格が決まっていたため、予選でのアタックを見送ったようだ。

Q2終盤にはトップ10入りを狙うラッセルや角田がマシンをプッシュしてベストタイムを更新したが、1分46秒435をマークして9番手にポジションを上げたラッセルの一方で、角田は13番手の位置から上に行けずにノックアウトされた。

さらに相次ぐタイム更新でオーダーに変動があった結果、11番手で予選順位を確定させたのはアストンマーティンのベッテル、ガスリーが12番手に交代し、角田とともにQ2敗退を喫している。ラティフィとルクレールはタイムを残しておらず、1周したラティフィが14番手、Q2でドライブなしのルクレールが15番手だ。

ポールシッターの称号をかけて争われたQ3はメルセデスが真っ先に動き、ボッタスを先頭にハミルトンが後ろからコースに入った。他のドライバーたちも間を空けずに始動し、すぐに10台がコースに出揃うも、ラッセルはソフトタイヤに切り替えるべく早々にピットに引き上げる。インターミディエイトのアタックではハミルトンがトップにつけて2番手にノリスが飛び込み、3番手にボッタスというオーダーだった。

ラッセルに続いてライバルたちもソフトタイヤに履き替えるべくピットに向かうが、暫定ポールの位置につけるハミルトンがピットレーンのウオールにマシンをぶつけるアクシデントが発生。見た目には大きなダメージはなさそうだったが、サスペンションには多少なりと影響していることが考えられ、ノーズを交換した上でソフトタイヤを履いてコースに向かったハミルトンの走りに注目が集まった。

先にドライタイヤでアタックラップを開始したドライバーよりも、後に続いたドライバーの方がペースは良さそうで、ボッタスやペレスが思うようにペースアップできずに苦しむ中、マクラーレンを駆るノリスが1分41秒993をたたき出してトップタイムを塗り替え、サインツが0.517秒差の2番手に飛び込んだ後、ソフトタイヤで2回のアタックにこぎつけたラッセルが3番手タイムを記録している。

4番手以下はハミルトン、リカルド、アロンソ、ボッタス、ストロール、ペレス、オコンが10番手だ。

ホンダPU勢、ペレスが9番手、ガスリーが12番手、角田が13番手、フェルスタッペンが4機目のPU交換のため20番手スタートと厳しい状況ですが頑張って欲しいですね!





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イタリアGP-決勝

2021-09-13 20:23:40 | F1レース
シーズン第14戦イタリアGP決勝レースが12日(日)に開催され、チャンピオンシップを争う2人のドライバーが接触の末にリタイアを喫する中、マクラーレンのリカルドが久々の優勝を果たすと同時に、2位に入った僚友ノリスとともにチームに1-2フィニッシュをもたらした。



イタリアでは今季2度目となるスプリントクオリファイイングのグランプリフォーマットが採用され、予選でトップタイムを記録したメルセデスのボッタスがトップフィニッシュを果たし、2番手にフェルスタッペン(レッドブル)、マクラーレンのリカルドが3番手でゴールしたが、ボッタスはパワーユニット交換に伴うエンジンペナルティを受けることが決まっていたため、決勝レースのポールポジションはフェルスタッペンの手に渡っている。

スプリントクオリファイイングの開始直後にクラッシュを喫したアルファタウリのガスリーもパワーユニットを交換して決戦に挑むこととなり、ピットレーンからスタートすることになった。相棒の角田は15番グリッドに並ぶ予定だったが、ダミーグリッドにマシンを止めた後にトラブルが確認され、開始5分前にしてマシンをガレージに戻す。結局、レースが始まるまでに問題を解消できず、フォーメーションラップにも参加できずにイタリアを去ることになった。

1周5.793km、4本の長いストレート区間がメインのレイアウトとなる超高速サーキットのモンツァを舞台に決勝は53周で争われ、スプリントクオリファイイングの実施によりレースのスタートタイヤは全車が自由選択だ。決勝当日も晴れ間が広がり、気温28.5℃、路面温度45.1℃、湿度33.9%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。上位3グリッドのドライバーがミディアムタイヤを選んだ一方、4番手スタートのハミルトンはハードタイヤをチョイス。その他、大半のドライバーがミディアムを第1スティントに選び、ライコネンに代わってアルファロメオ・レーシングのステアリングを握る17番グリッドのクビサと最後列のボッタス、ピットレーンに並んだガスリーがハードタイヤを装着、ソフトタイヤを履いたドライバーはいない。

注目の蹴り出しはリカルドの方が良く、ターン1を先頭で駆け抜け、フェルスタッペンが2番手、ハミルトンが3番手に上がるもフェルスタッペンとサイド・バイ・サイドになった結果、コースを飛び出してしまい、そのスキにノリスがポジションを取り戻して3番手に復帰している。フェルスタッペンとハミルトンの一件はスチュワードの審議対象となるも、レーシングインシデントとの判断でおとがめなしの裁定が下った。

その少し後方では7番手スタートだったジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)がフェラーリのサインツと接触した影響でマシンのコントロールを失ってスピンを喫し、ガードレールにノーズをぶつけてしまう。バーチャルセーフティカーが発令される中、なんとか走行を再開したジョビナッツィだが、スローペースで緊急ピットインを強いられ、最後尾まで後退を余儀なくされた。バーチャルセーフティカーは1周弱で解除され、このインシデントもスチュワードの審議を受け、結果、ジョビナッツィが安全性に欠ける状況でコースに戻ったことが原因として5秒のタイムペナルティを科せられている。

それ以上に悪夢を見たのがアルファタウリだ。スタートできなかった角田に加えて、ガスリーの状態も良くなかったようで、わずか3周を走っただけでピットに入り、そのままマシンをリアからガレージに収めて昨年のイタリアGP覇者が早々と戦線離脱した。

開始直後からフィールドのあちこちでドラマが生まれたレースは10周目に入った時点でもリカルドがラップリーダーを務めており、フェルスタッペンがコンマ数秒差の位置からプレッシャーをかけていくが、序盤10周でオーバーテイクのチャンスは得られていない。2人から3秒ほど後方ではもう1台のマクラーレンを駆るノリスとハミルトンも激しい攻防戦を繰り広げ、ハミルトンはDRSを生かしてノリスに攻撃を仕掛けていくが、こちらも追い抜きの成功には至らず。マクラーレン勢がそれぞれ巧みな防御でポジションを守っている。

レースペースの観点ではリカルドよりもフェルスタッペンの方が速く、先頭に躍り出れば後続とのギャップを築く可能性が高かったが、リカルドの踏ん張りはハミルトンにも恩恵を与えたと言えよう。

入賞圏外でも接近戦が多く見られ、15周目のターン4ではアルピーヌのオコンをアストンマーティンのベッテルがオーバーテイクしようとしたが、オコンの防御にあってベッテルのホイールがグラベルにはみ出すシーンが見られた。これを審議したスチュワードはオコンに接触を引き起こした責任があるとして5秒のタイムペナルティを科している。

予定外のピットストップを強いられたドライバーを除き、最初にタイヤ交換に向かったのはラップリーダーのリカルドだ。22周を走り終えたところでミディアムからハードタイヤに履き替え、サインツの後方7番手の位置でコースに復帰。それに対応するようにレッドブルも動き、次のラップでフェルスタッペンを呼び入れるも、タイヤ交換に手間取り、実に11.1秒の長いピットストップになってしまった。

ここからピットレーンは全体的に慌ただしくなり、ミディアムからハードに履き替えて隊列復帰したノリスはフェルスタッペンの前に出ており、ステイアウトを続けるマシンを挟んではいるもの、マクラーレンが1-2態勢を築く。

しかしながら、マクラーレン勢とフェルスタッペンに続いてピットに入ったハミルトンがノリスとフェルスタッペンの間に飛び込む格好でコースに復帰したところ、ターン1にかけてサイド・バイ・サイドに持ち込んだフェルスタッペンが一歩も引かずにインサイドからシケインに進入し、わずかながら先行していたハミルトンも道を譲らずにプッシュした結果、チャンピオンシップを争う2人が接触してグラベルに突っ込み、そろってリタイアを喫することに・・・。

ソーセージカーブに乗り上げたフェルスタッペンのマシンはハミルトンの上をまたぐ格好でグラベルに乗り上げており、頭部保護装置のヘイローがあるとはいえ、レッドブルマシンの右リアタイヤがコックピットに入りかけており、できるだけ身をかがめて衝撃を回避しようとするハミルトンの姿が確認されている。

フェルスタッペンとハミルトンのインシデントを受けてすぐさまセーフティカーが出動し、それに合わせてまだタイヤを交換していなかった面々がピットレーンに飛び込む。すでにピットストップを完了していたマクラーレン勢は減速して周回せねばならず、セーフティカー導入のタイミングでピットインしたルクレールが2人の間に割って入り、ペレスが4番手までポジションを上げたほか、サインツを挟んで6番手には最後列スタートのボッタスが浮上していた。

30周目の終わりにセーフティカーが解除され、迎えたリスタートでは先頭をキープしたリカルドの後方でルクレールとノリスの同世代対決が繰り広げられ、いったんはルクレールがポジションを守ったものの、ストレートで並んだノリスがフェラーリマシンを抜き去って2番手に浮上し、マクラーレンの1-2態勢が築かれた。

ポジションを落としたとはいえ、まだ表彰台圏内にいたルクレールだが、ペレスにオーバーテイクを許して4番手に後退。モンツァに駆けつけたティフォシの悲鳴が上がる中、すぐ後ろではサインツが5番手のボッタスに攻撃を仕掛けていたが、サインツがチャンスを得る前に、ボッタスがルクレールをロックオンして4番手にポジションアップした。

先頭のリカルドからノリス、ペレス、ボッタスの4人が1秒差以内のギャップで連なり、そこから1秒と少しの距離にルクレールとサインツが控え、後続もそれほど差がない状態で隊列が組まれた。ノリスは無線でペースは自分の方が速いと訴えていたが、マクラーレンがチームオーダーを発令してポジションを入れ替えることはなく、コース上での対決に集中するよう促したようだ。

1秒前後の接近戦に発展する中、ペレスに5秒のタイムペナルティが下る。ルクレールに対するオーバーテイクが問題視され、ターン5でコースを飛び出したにもかかわらず、それをアドバンテージにしてルクレールの前でコースに戻り、ポジションを戻さなかったことが理由だ。すでに予定していたピットストップを終えていたため、レースタイムに5秒が加算されることを考えると、3番手を走るペレスはボッタスに対して5秒以上のリードを持たない限り、表彰台はおろか、複数のポジションを失う可能性があった。

レースが終盤に差し掛かった44周目にハースF1のマゼピンがコース脇にストップしてしまい、これを受けてバーチャルセーフティカーが発令されるも、コースマーシャルの素早い対応のおかげで1周ほどで解除されている。マゼピンの離脱により、イタリアGPはこれで5台を失ったことになる。

残り5周を切ってなお先頭のポジションをキープするリカルドは1.6秒後方に僚友ノリスをしたがえ、マクラーレン勢から1.7秒差につけるペレスはトップ2に遅れぬようプッシュしながら真後ろで狙いを定めるボッタスを警戒する必要もあった。ペレスのペナルティを考えれば、ボッタスは自動的に表彰台圏内に入るが、チームメイトのリベンジとばかりにコース上でのオーバーテイクをあきらめず、虎視眈々(こしたんたん)と機会をうかがっていた。

ただ、そこからオーダーに変化はなく、リカルドがレッドブルを駆っていた2018年シーズンのモナコGP以来となるトップチェッカーを受け、ノリスが2位でゴールしてマクラーレンが1-2フィニッシュを達成。ペレスが3番目にフィニッシュするも、すぐさま5秒が加算されて5位に後退しており、3位表彰台はボッタスにわたり、ルクレールがフェラーリのお膝元で4位入賞、相棒のサインツが6位に入ってダブルポイントを獲得している。

アストンマーティンのストロールが7位、アロンソ(アルピーヌ)、ラッセル(ウィリアムズ)、オコンが10位でそれぞれポイントを手に入れた。

11位以下、完走はラティフィ(ウィリアムズ)、ベッテル、ジョビナッツィ、クビサ、シューマッハ(ハースF1)だ。

フェルスタッペンとハミルトンのインシデントはレース後の審議により、フェルスタッペンが次戦ロシアGPでの3グリッド降格と12カ月間有効となるペナルティポイント2点を加算された。

シーズン後半戦の幕開けを飾ったトリプルヘッダーを終え、短い休息時間を過ごすF1サーカスは2週間後の24日(金)に次の舞台となるソチに集結する予定。

フェルスタッペンとハミルトンの争いは、インシデントとならないようにして欲しいですね!








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イタリアGP-スプリントクオリファイイング

2021-09-13 19:53:45 | F1レース
11日(土)、シーズン第14戦イタリアGPスプリントクオリファイイングが行われ、メルセデスのボッタスがトップフィニッシュした。



グランプリ初日に1回のフリー走行を経て実施された予選は1分19秒555の最速タイムを刻んだボッタスがトップに立ち、相棒のハミルトンが2番手、レッドブルのフェルスタッペンが3番手に続いた。

今週末にパワーユニットを交換したボッタスは決勝レースでエンジンペナルティを受けるため、スプリントクオリファイイングの結果にかかわらずレースは後方からスタートすることが決まっている。

モンツァ・サーキットのスプリントクオリファイイングは100km、合計18周で争われ、フォーメーションラップが始まった時点で気温28.3℃、路面温度43.2℃、湿度36.8%のドライコンディション。トップ3スタートのドライバーはミディアムタイヤを選んだが、その後方に控えるマクラーレンのノリスとリカルドはユーズドのソフトタイヤを履いている。

ターン1にかけてのバトルに注目が集まったスタートでボッタスが好発進を決めるも、蹴り出しに失敗したハミルトンは早々とポジションを落としてしまう。そのすきにフェルスタッペンとリカルドが先行し、アルファタウリのガスリーもハミルトンの前に出たが、シケイン手前でリカルドのマクラーレンマシンにわずかにフロントウイングをぶつけてしまったようで、ウイングがマシンの下に入り込んだ状態で走行を余儀なくされた結果、ガスリーは高速のままグラベルを突進してバリアに激突。直後にはもう1台のアルファタウリを駆る角田もライバルの1台と接触したことでノーズとタイヤにダメージを受け、緊急ピットインを余儀なくされた。

角田とぶつかったアルファロメオ・レーシングのクビサはスピンを喫したものの、コース復帰を果たしてレースを続けている。クビサは先週末のオランダGP2日目から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査で陽性反応を示したライコネンに代わってステアリングを握っている。

ガスリーは無線での問いかけに「大丈夫」と答えており、自力でコックピットを脱出したガスリーに大きなケガはないようだ。

セーフティカーは3周目に入るタイミングで解除され、リスタートした時点で先頭はボッタスがキープし、フェルスタッペン、リカルド、ノリス、ハミルトンは5番手の位置だ。DRSの使用が認められた6周目までに上位勢のオーダーに変化はなく、ピットストップを強いられて一時最後尾に後退していた角田はセッションが折り返し地点を過ぎた頃にはクビサとハースF1勢を追い抜いて16番手に上がっていた。

先頭を走るボッタスは1.7秒ほど後方にフェルスタッペンが迫る状況にうまく対応しており、フェルスタッペンも懸命にマシンをプッシュするが、好ペースを見せるメルセデスになかなか攻撃を仕掛けられない。一方、ノリスの攻略を試みるハミルトンはDRS圏内をキープしてプレッシャーをかけていったものの、サイド・バイ・サイドまでは持ち込めず、ノリスに完全に抑え込まれていた。

結局、大きな順位変動はなく、ボッタスが先頭でチェッカーフラッグを受け、フェルスタッペン、リカルド、ノリスに次いでハミルトンは5番手でフィニッシュしている。6番手以下、フェラーリのルクレールとサインツ、アルファロメオ・レーシングのジョビナッツィ、レッドブルのペレス、アストンマーティンのストロールがトップ10に入った。

11番手にアルピーヌのアロンソが入り、ベッテル(アストンマーティン)、オコン(アルピーヌ)、ウィリアムズのラティフィとラッセル、角田は16番手、マゼピン(ハースF1)、クビサ、シューマッハ(ハースF1)が19番手でゴールしている。

ボッタスがエンジンペナルティを受けるため、ポールポジションはフェルスタッペンの手にわたり、リカルドがフロントロースタートを手に入れた。3番グリッドにノリスがつき、ハミルトンは隣の4番グリッドから決戦に挑む。

ホンダPU勢、レッドブル・ホンダのフェルスタッペンがポールスタート、ペレスが9番手、アルファタウリ・ホンダは角田が16番手、ガスリーが19番手スタートと良い位置ではないですが、頑張って欲しいですね!









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オランダGP-決勝

2021-09-06 14:08:04 | F1レース
5日(日)、ザントフォールト・サーキットを舞台にシーズン第13戦オランダGP決勝レースが開催され、レッドブルのフェルスタッペンが初めて挑んだ母国グランプリでポール・トゥ・ウインを達成、チャンピオンシップリーダーに返り咲いた。



メルセデスとレッドブルがポールの座を狙って接戦を繰り広げた予選では地元ドライバーのフェルスタッペンがポールポジションを獲得し、0.038秒差でチャンピオンシップライバルのハミルトン(メルセデス)が2番手、僚友ボッタスが3番手につけた。

予選Q1でトラフィックに引っかかり、16番手に終わったレッドブルのペレスがパワーユニットを交換してピットレーンスタートとなったほか、Q2でクラッシュを喫してギアボックスやノーズパーツを交換したウィリアムズのラティフィもピットスタートを強いられている。

なお、アルファロメオ・レーシングのレーシングドライバーであるライコネンがグランプリ週末に実施されている定期の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査で陽性反応を示し、即座に隔離に入ったため、土曜日からリザーブドライバーのクビサが代役としてステアリングを握っている。

全長4.259km、幅が狭く周囲をグラベルが覆う追い抜きが容易ではないザントフォールトの決勝レースは全72周で争われ、青空が広がる中、気温21.5℃、路面温度35.9℃、湿度53.8%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。タイヤ選択が自由な11番手以降ではウィリアムズのラッセル、マクラーレンのノリスらがミディアムタイヤを装着しており、ピットスタートのペレスが唯一、第1スティントにハードタイヤを選んでいる。

注目のスタートは好発進を決めたフェルスタッペンがリードを保ち、ハミルトンとボッタスに次いで4番手スタートだったアルファタウリのガスリーもポジションをキープしてターン1を通過したが、フェラーリの2台を挟んで7番グリッドを確保していたアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィはオープニングラップでアルピーヌ勢とマクラーレンのリカルドに追い抜かれ、10番手に下がって2周目に入った。

ハースF1のシューマッハが早々にピットに向かってタイヤを交換しており、ソフトからハードの新品に切り替えて最後尾で隊列に復帰した。先頭のフェルスタッペンはレースペースも好調で、徐々に2番手以下に対するリードを広げ、10周目に入る頃にはハミルトンとのギャップが3秒近くに拡大していたが、ハミルトンも懸命にマシンをプッシュしてフェルスタッペンの背中を追いかける。ボッタスは上位2台より0.5秒ほどペースが遅かったものの、ガスリーのラップタイムはさらに1秒遅く、トップ3と4番手以下の間には11秒以上の間隔が開いていた。

シューマッハ以外ではペレスとベッテルが早めのピットストップを実行し、ペレスはミディアムに、ベッテルはソフトからハードに履き替えている。

レース前半に激しいポジション争いが見られたのはポイント圏外の11番手から後方だ。タイヤ戦略の異なるラッセルとストロール(アストンマーティン)がコンマ数秒差で攻防戦を続け、すぐ後ろにはラッセルと同じくミディアムタイヤを履くノリスが控え、ソフトタイヤでスタートしたアルファタウリの角田、クビサ、ラティフィが1秒前後のギャップで連なり、そこにすでに1回目のピットストップを終えたペレスが追いついて7台が団子状態でレースを展開した。

動きが見られたのは19周目。オーバーテイクの難しいコースながら、好ペースを生かして巻き返しを図るペレスがラティフィを追い抜いて16番手に浮上。さらに2周後にはクビサも料理して15番手に上がっている。

上位勢で最初に動きを見せたメルセデスとハミルトンは21周目に入るタイミングでピットインし、新しいミディアムタイヤに履き替えて3番手の位置でコースに復帰した。右フロントタイヤの装着に若干の時間を要したものの、4番手を走るガスリーとは十分なギャップがあり、第2スティントをスタートさせた時点で2人のギャップは7秒弱あった。

ライバルの戦略をカバーしようとレッドブルもフェルスタッペンをピットに呼び入れ、選んだタイヤセットも同じミディアムタイヤだ。ラップリーダーとなったボッタスから10秒弱の位置でコースに戻ったフェルスタッペンのハミルトンに対するリードは1.8秒に縮まっている。

ピレリの計算ではソフトタイヤでスタートし、25周目から30周目の間にハードタイヤに履き替える1ストップ戦略が最速プランとされており、フェルスタッペンとハミルトンが選んだ2ストップ戦略はミディアムとハードをつなぐ1ストップ戦略に次ぐ速さと考えられていた。

レースの3分の2を消化した時点で第1スティントを続けるボッタスが先頭を走るも、フェルスタッペンはすでに3.8秒後方に接近し、ハミルトンが1.4秒差で追いかける展開だ。4番手につけていたガスリーは25周目に最初のタイヤ交換に向かい、ミディアムタイヤに履き替えて7番手で第2スティントをスタートさせている。ガスリーのピットインを受けてフェラーリ勢も動くかと見られたが、ルクレールとサインツの2人ともステイアウトを選んだ。

長めの第1スティントを走るボッタスのペースはフェルスタッペンやハミルトンに比べて1秒以上遅かったものの、4番手以下とのギャップが十分にあると考えるメルセデスはフェルスタッペンの抑え込みを狙ったのか、タイヤに苦しみ始めているボッタスをコースにとどめた。しかしながら、30周目にはフェルスタッペンがボッタスのリアをとらえ、バンクからホームストレートにかけてサイド・バイ・サイドに持ち込むと、31周目に突入すると同時にオーバーテイクを成功させる。ボッタスはすぐさまハミルトンに道を譲り、ラップ終わりにはピットに入ってタイヤを交換した。

レース中盤は入賞圏内を走るドライバーたちのピットストップが相次ぎ、先にサインツを呼び入れたフェラーリはハードタイヤを履かせてコースに送り出し、アルピーヌはオコンにピットインを指示してミディアムタイヤを装着。アルピーヌはオコンに2周遅れてアロンソのピットストップも完了、ソフトからミディアムに履き替えた。フェラーリは36周目にルクレールのタイヤをハードに交換している。

後方では、スタートと同じタイヤで走り続けるクビサを追いかけていたベッテルがターン3のバンクでリアを失ってスピンを喫してしまう。すぐ後ろにはボッタスが迫っていたが、ギリギリのタイミングながら接触を回避する見事な判断で惨事を免れた。ボッタスの真後ろにいた角田もベッテルのマシンを避けて通過し、ポジションをひとつ上げている。

一方、先頭集団はハミルトンが40周目に2回目のピットストップを実行したのをきっかけに、フェルスタッペンも次のラップでピットインした。ハミルトンとメルセデスはユーズドのミディアムタイヤを選んだが、フェルスタッペンとレッドブルは新品のハードタイヤで対抗する戦略だ。先にタイヤ交換を済ませたハミルトンは複数のマシンが連なるポジションでコース復帰した影響もあり、ピットストップ前には2秒を切っていたギャップが3秒以上に広がった。

最も長く第1スティントを走ったノリスはフェルスタッペンが44周目に入るタイミングで、最初で最後のピットストップを完了。ミディアムからハードに履き替え、チームメイトであるリカルドに並ぶ形でコースに復帰する。リカルドはラッセルとストロールの2人と接近戦を繰り広げており、ノリスはそのど真ん中に加わることになった。ひとまずはリカルドが隊列を率いる格好となるも、フレッシュタイヤを履くノリスの方がペースは良く、45周目にはノリスがリカルドの前に出ている。

ピットスタートという不利な状況ながら、戦略を工夫することで一度は7番手まで上がったペレスは49周目に2回目のピットストップに向かい、新品のソフトタイヤに履き替えて12番手でコースに復帰した後、すぐさまラッセルを追い抜いて11番手に上がる。

ショートコースのザントフォールトではレース終盤もフィールドのあちこちで接近戦が繰り広げられたが、その中で14番手につけていた角田がピットインするも、ガレージ前にマシンを止めて戦線離脱。赤旗の影響を受けた予選後にはレースでの巻き返しを誓っていた角田だが、トラブルにより無念のリタイアを余儀なくされた。

周回遅れのマシンに対応するフェルスタッペンとハミルトンのギャップは2秒以下になる場面もあったものの、前がひらけた状態のときは2.5秒前後で落ち着いており、3番手のボッタスはすでにハミルトンからも18秒以上遅れていたが、後方のガスリーまでは43秒のマージンがあったため、慎重にトラフィックをさばきながら残り10周に臨んだ。

レース終盤の見どころとなったのは6番手を争うサインツとアロンソのバトルに加えて、ノリスとペレスの9番手争いだ。アロンソは数周にわたってサインツにプレッシャーをかけていたが、同じスペイン出身のサインツが巧みに先輩の攻撃をかわす。ノリスとペレスの攻防戦は数周後に決着がつき、ソフトを履くペレスがオーバーテイクを成功させて9番手に上がった。

残り3周を切るタイミングでメルセデスはボッタスをピットインさせ、フリーストップのチャンスを生かしてユーズドのソフトタイヤに交換、ファステストラップの1点をもぎ取りにいく作戦でボッタスは1分12秒549を刻んで最速タイムを塗り替えている。しかし、1点の追加を確実にしたところで、同様にフリーストップが可能だったハミルトンもソフトタイヤに切り替えてファステストラップを狙う。ドライバーズ選手権のバトルを考えれば、1点を追加しておきたいのはハミルトンとあって、ファイナルラップで1分11秒097をたたき出してファステストラップを更新した。

そのハミルトンより21秒速くチェッカーフラッグを受けたフェルスタッペンがポール・トゥ・ウインで母国グランプリ優勝を遂げ、ハミルトンとボッタスのメルセデス勢が2-3で表彰台に上っている。同一周回でフィニッシュしたのはトップ3のみ。

周回遅れながら4位にガスリーが入り、ルクレールに次いでアロンソが6位でゴールし、ポジションを落としたサインツは7位、ペレスはオコンをも追い抜いて8位入賞を果たした。9位のオコンと10位のノリスがそれぞれポイントを手にしている。

11位以下、完走はリカルド、ストロール、ベッテル、ジョビナッツィ、クビサ、ラティフィ、チェッカーを目前にピットに入ったラッセルが17位完走扱いとなり、ミックは3周遅れの18位だった。

ホンダPU勢、フェルスタッペンが優勝、アルファタウリ・ホンダのガスリーが4番手、レッドブル・ホンダ,のペレスが8位入賞となりましたが、残念ながら角田がリタイヤとなってしまいました。

今季2度目のトリプルヘッダーとなる第14戦イタリアGPに、4車入賞を期待しましょう!





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