電撃ブックハンター

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陰極まれば陽と成す

2019-05-05 02:34:47 | 日記
東洋医学では人の体質を大きく4つに分けています。
すなわち「肝虚(かんきょ)・肺虚(はいきょ)・脾虚(ひきょ)・腎虚(じんきょ)」です。

「虚」というのは「欠けている」「足りない」という意味で、人間は必ずどこか足りない部分がある、特に足りない部分を「経絡」の考えで表したのがこの4つの分類です。
そして、その足りない部分を補おうとする行為が「生きる」という事です。
あちらを満たせばこちらが足らず、こちらを満たせばあちらが足らず、とエネルギーを動かしている状態こそ生命活動なのです。

どこもかしこも満たされて動きが止まった時が「死」です。
実際死ぬ前の人の脈を取ると平坦で乱れのないきれいな拍だそうで、昔の名医はこの「死脈」から余命を正確に当てたのだとか。
健康法の大家が割と早死するのは、健康になりすぎて「虚」が無くなってしまうからなのかも知れません。
調子が悪くなるのも、病気になるのも、欠けている所を補おうとする動きの現れで、生きている証拠と言えます。
「虚」があるからこそ生きていけるのです。


さて、本が増えすぎてしばらく購入を控えていた私ですが、ある時、
「ずいぶん本屋に行ってないから、買わないけどちょっとだけのぞいてみるかな」
と書店に立ち寄ってみました。

・・・この「ちょっとだけ」がよくありませんでした。

本屋に足を踏み入れた途端、何かがスパークしたのです。

久々に嗅ぐ新書の香り。
棚に並べられた瑞々しい果実たち。
に、本能を押さえることが出来ませんでした。
気がついたらお金を払って本を抱えていました。

買っちまったもんは仕方がねえ!
1冊も10冊も変わりねえ!
と逆上し、古本屋にも足を運んだら、しばし見てないうちに欲しかった本が山のように在庫されているではありませんか!

ダムの壁に入った小さな亀裂が一気に広がり、決壊するのにわずか数秒でした。

で・・・









とまあ・・・やっちまった訳で・・・その・・・。


そもそも狭い部屋にドドッと新たな書がなだれ込んで、冗談抜きで埋まりそうです。






蔵書管理の回でご紹介した様に1冊1冊にこの緑の付箋を張っているんですが、2500枚入のパックが底をつきかけています。






我ながら本当に恐ろしい。
人間の欲望は果てしないです。

あまりに大きな「虚」は、反転した時に猛烈な「実」を生み出します。
「陰極まれば陽と成す」
「災い転じて福となす」
のです。

「虚」を大きくし過ぎてはいけません。
我慢しているとその反動も大きくなります。
食べたくなったら食べるべき。
シたくなったらスるべきです。

という訳で、今後は欲望のままに本を買って「虚」を埋める事にしたのです。

(たぶん戦争って、こうやって起きるんだろうな)






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