結論 「森戸海岸のホテル建設工事の中止処分を 町 は出せない」
議会は「中止」陳情審査を先延ばし。
県開発審査会は町づくり条例の基準審査をしない
残念だが 現在の状況はこれだ。
葉山町の森戸海岸に建設中のトモロウランドホテルに関し、住民側が議会に五月雨式に3月と6月に工事中止を求めて議会へ陳情を繰り返している。その中で8月現在依然として「継続審査」になっているのが3件ある。
いずれも葉山町づくり条例に基づく「開発事業の協定書」のなかの疑問点や土地地権者の疑わしい同意書などが提出後に発覚したので、その検証を求める陳情である。
(1) 陳情第5-12号 トゥモローランド・ホテル建設地の取付道路幅員の認可に関する行政手続きの検証と、葉山町まちづくり条例に規定された公共の福祉を優先したまちづくりを求める陳情書
(2) 陳情第5-13号 トゥモローランドホテル計画に関する「開発事業に関する協定書」には疑義があり、再審査をしその間はその協定書によって許可された工事他全てを一時中断することを願う陳情書
(3) 陳情第5-26号 トゥモローランド・ホテル建設に関し事業者と葉山町の「開発事業に関する協定書」の締結手続きのやり直しと、その間の工事の停止を求める陳情書
問題点は3つある。
1つは担当課である都市計画課は何故疑わしい同意書を見抜けずに許可権限のある神奈川県へあげたか。
2つ目は陳情を受けた葉山町議会は陳情書にあるような数々の町づくり条例上の疑問の検証を何故行わず、ひたすら県開発審査会の結論を待っているのか?
3つ目は葉山まちづくり条例は葉山町独自の条例であり、県の開発審査会や地裁でその違反は審査されるのか?
ということである。
1回OKし県へ回した建築確認書の取り下げ 中断は無理。
先ず1つ目の問題点は地権者の同意 不同意の問題は当事者しかわからず、
結果として行政手続きの1つの書類である「開発行為の同意書」は葉山町では通過して、建築確認が済んでおり 工事も始まっている。
これを中止したりするのは至難の業であり、町が「中止」処分したら、事業者から損害賠償の訴えが予想される。すでに事業者は3人の弁護士に葉山町議員に対して、「審査除外」の抗議文を送っており、間接的に葉山町に対しても法的措置の匂いを投げかけている。
山梨町長は「中止」処分をだせるわけがないのである。町担当部局である都市計画課の確認申請のOKは出ており、許可官庁である県はOKを出している。それが工事がはじまってから地権者の同意がフエイクであると主張しても受け付ける葉山町が確認をして同意して県へ回した書類を神奈川県が
「それは間違っている」とは言えない。
行政では「官は官とは争わない」のが不文律になっているのである。
建築確認申請までの手続きを時系列でみる。
・令和元年12月事前相談提出
・令和2年5月特定開発事業計画書提出 近隣住民の意見書提出
・令和3年9月特定開発事前相談提出 住民160名反対署名提出。
・令和4年4月葉山町づくり条例締結。都市計画法32条同意協議終了
・令和4年8月都市計画法変更同意協議終了。
・令和4年9月神奈川県が開発行為許可
・令和4年9月建築確認申請を葉山町経由で県へ送付
建築確認済み。
行政の手続きは葉山町の同意を経て県への建築確認申請―県の確認済みをもって許可関係は終了している。
しかし葉山町議会へは住民からの陳情が相次ぎ、その審査に追われている。
すでに工事は進んでおり その中止を求める陳情は審議されず 棚ざらしにあっている。
その理由は県開発審査会に許可取り消しを求める申し立ての審議結果がでるのを待っているからである。
その間にも建設工事は着着と進んでいる。
結論が出るのは11月頃である。
議会に提出された森戸海岸ホテル建設に関する陳情は13本
「趣旨了承」としたのが8本<下記議会だより掲載>
「採択」したのが1本
陳情5-11開発事業者側の利益に偏らない葉山町行政の公益性。
「不採択」したのが1本
陳情5-18 葉山町の将来に向けた良好な町づくり
「継続審査」としたのが3本<上記掲載>
2つ目 議会の対応に不可解な点がある。
町独自の条例を町議会が審査しない不思議さ。
議員は審査能力が不足しているのではないか?
議会は難しい陳情は「趣旨了承」で玉虫色の結論で逃げてしまう傾向が強いのだ。町づくり条例は葉山町独自の条例であり、その内容 適用要件は葉山町議員は知悉しなければならない業務上の知識である。そのことを自覚せずにひたすら自らの判断 審査を行うことは回避し、外側の県開発審査会の結論を待つというのは、一次的な審査権限の放棄に近いといわねばならない。
県の開発審査会 地方裁判所は葉山町づくり条例に基づく違反審査はしない、という判例がすでにある。理由は国の法律 県の条例ではなく、委任条例ではないからであり、葉山町内部でしか適用できない規定だからである。
都市計画法上の争点は2点のみ。町は書類上はクリアしている。
住民が争っている疑惑のうち都市計画法上の規制がかかるのは「取付道路幅員」4M以上と地権者の同意の2点である。そのほか町づくり条例上の疑惑は審査の対象になりえないと思われ宥恕規定を使ってすでにOKしている。
取付道路〈建設現場から主要道路に出る道路〉の幅は4M以上。町は町長裁量で「OK」できる宥恕規定を用いてすでにOKをだしている。
地権者の同意は当事者しかわからない。ただすべて文書主義なので、フエイク書類をだされても町は調査の方法がない。印鑑証明書付きの書類ではないからである。
都市計画法といってもこのように緩い法律なのである。
そのうえ、町づくり条例がいくらきつい基準をもうけても、県や裁判所は審査しないのであるから、業者にとってやりたい放題である。
さらに、
陳情受けた町議会は審査せず 逃げている。
町民のやむにやまれぬ気持などに無関心
町議会の「趣旨了承」は業者にとって痛くもかゆくもないないのである。
議会は一定の判断をしたと自己満足しているかもしれないが、葉山町も何ら行動を起こさないのである。
ましてや「継続審査」で先延ばしされた陳情者である町民は、やむに已まれぬ心情や事情を抱えており、それを忖度せず、逆に結論を先延ばしするのは、神経を逆なでするものであり、町民の代表者としての責務を軽んじているとしか思えない
しかしその町づくり条例の基準そのものが、県 裁判所では審査対象から外されているのだ。引退した元町議の横山純子氏は「町づくり条例は県では審査対象にならないのよ。我々が判断せずにだれが判断するのか」と議会で盛んに言つていた。同氏は天下の日比谷高校をでて国会の記録係としてのキャリアをもつ葉山町議員にしては出色の女性議員だったのだ。
現在の議員は町づくり条例そのものが県の開発審査会 裁判所で判断の根拠法令として認められていない現状を知らないのではないか と疑われるのだ。一番肝心なことを知らないのではないだろうか。
町議会が審査しなければ誰が審査するのか。開発審査会も地裁も審議しないとなれば最終的には葉山町議会しかない。
その議会がこうして先送りする。
年700万円から900万円も報酬をもらっていて、この状況だ。
<次号で判例など紹介>
だが、それらを求めるのは無理なのかもしれない。
法学部出身者は一人もいないし、判例をよむ議員はみあたらないからだ。
町民への呼びかけ
デモ行進 8月25日
住民20名によるデモ行進が行われた
葉山町役場を出発して 工事現場まで
8月30日 町長が事業者へ「住民との話し合い」
を勧告した。
また虚偽の協議書を作成した件は、事業者側が認めており(録音もある)ので、町に対しては虚偽の申請によりまちづくり条例が許可されたので工事の中断を求めていると思います。