arudyaのブログ

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ふつうの時計屋

2016-07-25 23:44:46 | 時計のこと
週末、宇都宮に餃子を食べに行き、街を歩いていて、
「取り扱い銘柄、仕入れ商品、店内什器、そして販売価格を自分で決める。」をポリシーとして掲げる時計店を見かけました。
それが「ふつうの時計屋」なのだそうです。

も少し歩いて、クラフトビアフェスタという催しで数杯ビールを飲んで、その帰りに、締まりかけた古びた小さな時計屋さんの前に通りかかりました。
おじいさんとおばあさんが看板を片付けていて、ふと見るとかなり古ぼけた掛け時計が見えたので、暫しお話を伺いました。

修理の依頼を受けて、これから直すのだそう。
文字板のインデックスは擦りすぎて消え果て、マジックのようなもので手書きされていました。文字板の裏には大正五年に修理と注油をした記述がありました。100年以上前の時計なのですね。

こんなの直せるのですか?とお聞きしたら、ニコニコしながらその店主さんが指さした壁には、
似たような時計がいくつか。しっかり動いていました。

「こいつは組み立てを間違えて、ずっと(鐘が)鳴りっぱなしになってしまって、
仕舞われていたらしい。まぁ、なんとか。」…直るそうです。

もちろん、腕時計に比べて構造も簡単だし、素材も真鍮(らしく黒光りした金色)で加工も今ほど大変ではないのかもしれませんが、止まっていた何かを動き出させる技術は、素敵だと思います。モノでもヒトでも。

「ふつうの時計屋」って、こういうのじゃなかったっけ? と酔いが回って、回らない頭で考えました。
(mixi再録)