産経新聞 八月二十日に「正論」で掲載された論文のコピペです。
多少古い記事になりましたが「歴史認識」を訴え続ける隣国に警鐘を鳴らす納得できる内容としてご紹介いたします。
言うまでもないことだが、歴史の中に未来はない。もしあれば、将来の得を取ろうとしてみなが歴史学者になってしまう。そんなことにはならないので、「歴史の中に未来はない」のである。
≪歴史の中に未来ありと信じ…≫
そうではなく、「歴史は乗り越えるもの」としてある。歴史を研究するには史料を読む。すると出てくるのは、これまでの経緯説明と、民族の行動パターンだけである。この経緯を知り、パターンがまずければ変更し、別の方向へと超え出ていく。知らなければ未来へと進む方向すら分からないから過去を研究するのである。
今の韓国の狂騒のような反日は「歴史の中に未来がある」と思い込んでいる結果、自分たちにとってまずかった歴史自体を変えたいとの意欲から起きてくる。
この根は金泳三大統領の「歴史の立て直し」運動にある。ソウルの朝鮮総督府の建物を破壊し、竹島を政治宣伝に利用し始め、果ては日本人が植民地時代に地中に杭を打ち込み韓国人の元気の素の風水の地脈を断っていったとし、全国杭抜き運動まで始めた。
盧武鉉大統領時代の2005年には、「真実・和解のための過去事整理基本法」という史上例をみない過去遡及法を成立させた。さらには植民地時代の親日派の子孫を弾圧すべく、彼らの財産を没収する特別法が施行された。
最近になり、1965年の国交正常化時の日韓請求権協定で既に解決済みの問題が蒸し返され植民地時代の徴用工への賠償を日本企業に命じる判決が出されたり、盗まれた対馬の仏像の返還を拒んだり、「旭日旗バッシング」が起きたり、朴槿恵大統領が「加害者と被害者の歴史は千年変わらない」と言ったりするのも、「歴史の中に未来がある」と思い込んでいる結果、自分たちにとってまずかった歴史を変更したいという逆向きの未来を志向していることから起こるチグハグなのである。
≪日本による近代化移植を否定≫
日本人なら誰でも勝手に歴史認識を変えてしまってはいけないと思うことだろう。だが、本当は日本人誰でもがそうなのではない。例えば「歴史の中に未来があるのだから過去をたどればよい」という間違った思想は、世界中の左翼には実はおなじみのものである。マルクスの「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」という歴史観は、現代の階級闘争を過去にまでさかのぼらせたものであり、そうした思想を信じた歴史教科書では、日本の貴族と武士が階級闘争をしているように描かれたことがあった。
韓国でも、李氏朝鮮時代は素晴らしい時代で、後期には資本主義の芽生えがあった、それを摘んでいったのが日本だという「資本主義萌芽論」はおなじみで、検定の世界史教科書に常識のように現れる。李朝末期は日本人も外国人も写真機を持って朝鮮に渡った。染料がないため白衣の人々が仕事もなく不潔な市場に集まっているような写真は、ネットを開けば今やどっと出てくる。近代化は日本が朝鮮に移植したのである。
韓国人はそれを認めるのが嫌で日本時代を否定したい、歴史を変えたいという衝動が先に立つ。本当は旭日旗どころか日の丸も否定したい。自分たちのブルーとレッドの日の丸をじっと見つめた方が良い。あるいは、旭日旗が社旗の朝日新聞社に相談するか。
法を変えて過去を断罪しようとすれば、法治国家の資格を失う。近代法も日本が韓国に与えたものだ。それが証拠に、韓国の法律用語のほとんどは日本由来のものである。せっかくもらった近代法の定着と運用で、韓国はうまくいかなかったのだ。自国に批判的だからといって、日本に帰化した女性評論家の入国を拒否するなど、盧武鉉左翼政権時代の青瓦台統一外交安保首席秘書官だった現在の外相の尹炳世氏などはどう考えるのだろうか。
≪中韓北では思うモノは実在≫
もう一つの問題は韓国のみではなく北朝鮮にも中国にもある。3カ国はいわば超(ウルトラ)実念論の国々だ。これは「思っているモノは実在だ」という思想によって生じる。中国共産党の「核心的利益」がそれで、チベットもウイグルも南シナ海も東シナ海も尖閣諸島も沖縄も何百年も前から中国の「領土」だった。だから中国人のものだという。論理にも何にもなっていないので、日本人には不思議に思える思想である。
韓国も歴史的に共有する。風水を信じ、日本人が杭を打ち込んで断脈したに違いないと思うと全国杭抜き運動が始まり、出てきたという杭が並べられ、やっぱり日本人は悪辣(あくらつ)だと結論づける。
近代民法典を移植し、朝鮮の民衆を安堵せしめた日本が、李朝の人さらいのように暴力で徴用したり慰安婦狩りをしたりできるはずがない。それは北朝鮮の得意技だろう。だが、「思っているモノは実在だ」という思想が、彼らの近代的思考を常に阻害する。結局、中国と北朝鮮は共産主義の張り子の虎、韓国は自由主義の「はぐれ者」にしかなれなかったのだ。(ふるた ひろし)
多少古い記事になりましたが「歴史認識」を訴え続ける隣国に警鐘を鳴らす納得できる内容としてご紹介いたします。
言うまでもないことだが、歴史の中に未来はない。もしあれば、将来の得を取ろうとしてみなが歴史学者になってしまう。そんなことにはならないので、「歴史の中に未来はない」のである。
≪歴史の中に未来ありと信じ…≫
そうではなく、「歴史は乗り越えるもの」としてある。歴史を研究するには史料を読む。すると出てくるのは、これまでの経緯説明と、民族の行動パターンだけである。この経緯を知り、パターンがまずければ変更し、別の方向へと超え出ていく。知らなければ未来へと進む方向すら分からないから過去を研究するのである。
今の韓国の狂騒のような反日は「歴史の中に未来がある」と思い込んでいる結果、自分たちにとってまずかった歴史自体を変えたいとの意欲から起きてくる。
この根は金泳三大統領の「歴史の立て直し」運動にある。ソウルの朝鮮総督府の建物を破壊し、竹島を政治宣伝に利用し始め、果ては日本人が植民地時代に地中に杭を打ち込み韓国人の元気の素の風水の地脈を断っていったとし、全国杭抜き運動まで始めた。
盧武鉉大統領時代の2005年には、「真実・和解のための過去事整理基本法」という史上例をみない過去遡及法を成立させた。さらには植民地時代の親日派の子孫を弾圧すべく、彼らの財産を没収する特別法が施行された。
最近になり、1965年の国交正常化時の日韓請求権協定で既に解決済みの問題が蒸し返され植民地時代の徴用工への賠償を日本企業に命じる判決が出されたり、盗まれた対馬の仏像の返還を拒んだり、「旭日旗バッシング」が起きたり、朴槿恵大統領が「加害者と被害者の歴史は千年変わらない」と言ったりするのも、「歴史の中に未来がある」と思い込んでいる結果、自分たちにとってまずかった歴史を変更したいという逆向きの未来を志向していることから起こるチグハグなのである。
≪日本による近代化移植を否定≫
日本人なら誰でも勝手に歴史認識を変えてしまってはいけないと思うことだろう。だが、本当は日本人誰でもがそうなのではない。例えば「歴史の中に未来があるのだから過去をたどればよい」という間違った思想は、世界中の左翼には実はおなじみのものである。マルクスの「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」という歴史観は、現代の階級闘争を過去にまでさかのぼらせたものであり、そうした思想を信じた歴史教科書では、日本の貴族と武士が階級闘争をしているように描かれたことがあった。
韓国でも、李氏朝鮮時代は素晴らしい時代で、後期には資本主義の芽生えがあった、それを摘んでいったのが日本だという「資本主義萌芽論」はおなじみで、検定の世界史教科書に常識のように現れる。李朝末期は日本人も外国人も写真機を持って朝鮮に渡った。染料がないため白衣の人々が仕事もなく不潔な市場に集まっているような写真は、ネットを開けば今やどっと出てくる。近代化は日本が朝鮮に移植したのである。
韓国人はそれを認めるのが嫌で日本時代を否定したい、歴史を変えたいという衝動が先に立つ。本当は旭日旗どころか日の丸も否定したい。自分たちのブルーとレッドの日の丸をじっと見つめた方が良い。あるいは、旭日旗が社旗の朝日新聞社に相談するか。
法を変えて過去を断罪しようとすれば、法治国家の資格を失う。近代法も日本が韓国に与えたものだ。それが証拠に、韓国の法律用語のほとんどは日本由来のものである。せっかくもらった近代法の定着と運用で、韓国はうまくいかなかったのだ。自国に批判的だからといって、日本に帰化した女性評論家の入国を拒否するなど、盧武鉉左翼政権時代の青瓦台統一外交安保首席秘書官だった現在の外相の尹炳世氏などはどう考えるのだろうか。
≪中韓北では思うモノは実在≫
もう一つの問題は韓国のみではなく北朝鮮にも中国にもある。3カ国はいわば超(ウルトラ)実念論の国々だ。これは「思っているモノは実在だ」という思想によって生じる。中国共産党の「核心的利益」がそれで、チベットもウイグルも南シナ海も東シナ海も尖閣諸島も沖縄も何百年も前から中国の「領土」だった。だから中国人のものだという。論理にも何にもなっていないので、日本人には不思議に思える思想である。
韓国も歴史的に共有する。風水を信じ、日本人が杭を打ち込んで断脈したに違いないと思うと全国杭抜き運動が始まり、出てきたという杭が並べられ、やっぱり日本人は悪辣(あくらつ)だと結論づける。
近代民法典を移植し、朝鮮の民衆を安堵せしめた日本が、李朝の人さらいのように暴力で徴用したり慰安婦狩りをしたりできるはずがない。それは北朝鮮の得意技だろう。だが、「思っているモノは実在だ」という思想が、彼らの近代的思考を常に阻害する。結局、中国と北朝鮮は共産主義の張り子の虎、韓国は自由主義の「はぐれ者」にしかなれなかったのだ。(ふるた ひろし)
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