【木材使用によるインフルエンザ対策について】
可能性としては、木材から出る「フィトンチッド」(殺菌効果を持つ化学物質)による効果、
あるいは抽出液(ヒノキチオールなど)による抗菌効果を期待してのことだと思います。
しかし、これらは「実在空間」での効果は実証されておりません。
もし、実証されていれば、下記の二酸化塩素の製品と同様に、抽出物質として製品化されていると思われます。
一方、木材には吸放湿性能があり、「湿度変化を小さくする」効果があります。
適切に加湿されていれば、カビ発生や結露の防止にはつながります。
なお、よく勘違いされるのですが、「木材は湿度を調節する」という言葉は本来正しくありません。
高い湿度の時に、水蒸気を吸う(吸湿)
低い湿度の時に、水蒸気を吐く(放湿)
ではありますが、例えば、非常に乾燥していて「吸う」水蒸気がなければ、
水蒸気を「吐く」ことはできません。
逆に、限界まで吸ってしまえば、それ以上は吸うことができません。
急激に加湿されたとき、あるいは換気などで急激に放湿されたとき、木材が「緩衝材」となり、大きな湿度変化を抑えることができます。
【二酸化塩素等の製品について】
これは、昨年度も同様のお問い合わせをいただき記事にしております。
「二酸化塩素によるウイルス除菌等の効果と注意事項について 」
http://aokilab.at.webry.info/201311/article_2.html をご覧下さい。
【昨冬はあまり流行しなかった】
可能性としては、12~1月の冷え込みが厳しくなかったためと考えられます。
インフルエンザウイルスは低温・低湿度環境を好みます。
富山市
12月:5.1℃(前年:3.6℃、前々年4.5℃)
1月:2.9℃(前年:1.9℃、前々年2.0℃)
金沢市
12月:6.3℃(前年:4.7℃、前々年5.3℃)
1月:3.9℃(前年:3.0℃、前々年2.9℃)
福井市
12月:5.4℃(前年4.1℃、前々年:4.9℃)
1月:3.0℃(前年:2.5℃、前々年:2.4℃)
(気象庁のデータより)
「インフルエンザの流行」と「温度と湿度」の関係は密接に出てきますので、その記事はまた後日掲載いたします。