海陽亭(旧魁陽亭)
北海道小樽市住吉町
海陽亭(旧魁陽亭)は、1881年(明治14年)創業の記録に残る限り、北海道最古の高級料亭で、鰊(ニシン)漁、道内各地で産出された石炭の本州への積み出し、そして金融といった小樽市がまだ開拓の鍬が入って間もない道都 札幌に負けない勢いを誇っていた時代、初代内閣総理大臣となった伊藤博文や非業な死を遂げる原 敬第19代内閣総理大臣、三井財閥総帥の団琢磨、三菱財閥の岩崎小弥太、日本の資本主義の父、渋沢栄一といった著名な政財界の多くの人々が北海道来道の折に足繁く通いました。
魁陽亭は小樽住之江大火での延焼や増築等をきっかけとして魁陽亭、開陽亭、海陽亭とニ度、名を変え、より内装は豪華に、圧巻は160畳敷の大広間〜明石の間〜で、1906年(明治39年)日露戦争終結後に小樽、日本郵船小樽支店にて行なわれた日露樺太国境画定会議後の祝宴が明石の間で盛大に開かれました。
時代が昭和、戦後になると、小樽で少年時代を過ごした芥川賞作家で国会議員、元東京都知事の石原慎太郎、俳優の石原裕次郎兄弟が好んで利用しました。
惜しくも2015年に休業、現在は新しい買い手のもと、再建中となっています。