日本テレビ系演芸番組『笑点』の5代目司会を務めるなど親しまれた落語家の桂歌丸(かつら・うたまる、本名:椎名巌=しいな・いわお)さんが2日、慢性閉塞性肺疾患のため横浜市内の病院で亡くなった。『笑点』の共演者で歌丸さんが生前に会長を務めていた落語芸術協会の会長代行・三遊亭小遊三、歌丸さんから『笑点』の司会を引き継いだ春風亭昇太、弟弟子の桂米助、総領弟子の桂歌春が3日、都内で会見を開き、笑いを交えながら歌丸さんとの思い出を語った。
【写真】目を真っ赤にして涙を拭う桂米助
昇太は「入門した時からお世話になっている方ですが、その時は子どもの時から見ていたスターだったので、とてもじゃないですけど、近寄りがたいところがありました。『笑点』にレギュラーで出させていただく時にすごく気を使ってくれまして、あまりウケてなくても座布団をくれたり、僕が番組の画の中に慣れるように出番を増やしてくれました」と感謝。司会を引き継いだ時のエピソードにも触れ「その時も気配りしてくださったと思うのですが『好きなようにやってください』と言ってくださりました」とかみしめるように話した。
小遊三は「ご家族と一部の方が(看取って)残念ながら、私はできませんでした。最期に会った時は6月26日に病院に行った時だったんですけど、『協会の方針はこうだからね!』と言うのがすごい迫力でした。『師匠そんなに力まないでください』と早々に退散しました。だから、急にそんなに悪くなるとは」と回顧。亡くなる直前まで“噺家”らしかったといい「6月30日に小言をくらったやつがいます(笑)。お弟子さんに『オレが死にそうなのに、お前たちは来ねえ』と言っていたようです」と笑わせた。
肺炎や呼吸器不全などを患い入退院を繰り返し、呼吸器をつけた状態で高座に立ち続けた歌丸さん。歌春は「最初は呼吸器嫌だったんです。だけど、だんだんそれがかなわなくなってきた時に『私はチューブをつけてまで上がりたくない』とおっしゃっていたんですけど、私が『街中ではボンベを持ちながら歩いている方がいらっしゃいます。そういう方が、師匠の姿をご覧になったら力づけられるんじゃないんですか』と生意気ながら申し上げましたことがありました。苦しいながらも高座を務めてくださって、私はうれしかったです」と涙ながらに語った。
歌丸さんは1936年横浜市生まれ。51年、五代目古今亭今輔に入門、のちに桂米丸門下となり68年に真打昇進。2004年からは落語芸術協会の5代目会長も務めた。最後の高座は、今年4月19日の国立演芸場定席での演目「小間物屋政談」となった。11日に、椎名家・落語芸術協会の合同による告別式が、神奈川・横浜の妙蓮寺にて行われる。
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【写真】目を真っ赤にして涙を拭う桂米助
昇太は「入門した時からお世話になっている方ですが、その時は子どもの時から見ていたスターだったので、とてもじゃないですけど、近寄りがたいところがありました。『笑点』にレギュラーで出させていただく時にすごく気を使ってくれまして、あまりウケてなくても座布団をくれたり、僕が番組の画の中に慣れるように出番を増やしてくれました」と感謝。司会を引き継いだ時のエピソードにも触れ「その時も気配りしてくださったと思うのですが『好きなようにやってください』と言ってくださりました」とかみしめるように話した。
小遊三は「ご家族と一部の方が(看取って)残念ながら、私はできませんでした。最期に会った時は6月26日に病院に行った時だったんですけど、『協会の方針はこうだからね!』と言うのがすごい迫力でした。『師匠そんなに力まないでください』と早々に退散しました。だから、急にそんなに悪くなるとは」と回顧。亡くなる直前まで“噺家”らしかったといい「6月30日に小言をくらったやつがいます(笑)。お弟子さんに『オレが死にそうなのに、お前たちは来ねえ』と言っていたようです」と笑わせた。
肺炎や呼吸器不全などを患い入退院を繰り返し、呼吸器をつけた状態で高座に立ち続けた歌丸さん。歌春は「最初は呼吸器嫌だったんです。だけど、だんだんそれがかなわなくなってきた時に『私はチューブをつけてまで上がりたくない』とおっしゃっていたんですけど、私が『街中ではボンベを持ちながら歩いている方がいらっしゃいます。そういう方が、師匠の姿をご覧になったら力づけられるんじゃないんですか』と生意気ながら申し上げましたことがありました。苦しいながらも高座を務めてくださって、私はうれしかったです」と涙ながらに語った。
歌丸さんは1936年横浜市生まれ。51年、五代目古今亭今輔に入門、のちに桂米丸門下となり68年に真打昇進。2004年からは落語芸術協会の5代目会長も務めた。最後の高座は、今年4月19日の国立演芸場定席での演目「小間物屋政談」となった。11日に、椎名家・落語芸術協会の合同による告別式が、神奈川・横浜の妙蓮寺にて行われる。
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