だいすき

基本的に自分の好きなものについて綴っていきます。嫌いなものやどうでもいいこと、さらに小説なんかもたまに書きます。

苦っ!

2007年04月12日 01時58分28秒 | 漫画やアニメが好き
 今日は調子に乗って三本立て。全てマガジン関係。ってことはもう、なにを書くかはお分かりですよね。

 そう、一本目は『あひるの空』

 今週号の『あひるの空』は苦かった。
 こんなにも苦い話を書くとは、日向武史先生恐るべし!

 現在主人公の所属する九頭龍高校バスケ部は、部の再興をかけて大栄高校と試合中。
 不祥事が重なり、顧問を勤めようとする教師がいない為、試合の成果で顧問になるかどうかを判断してもらおう、というところ。
 だが、連載が開始して三年以上経つというのにいまだ一勝もしたことのない九頭校バスケ部と、インターハイ出場が決定している大栄とでは力の差が歴然。30点もの差がついて前半が終了した所で次々と席を経つ教師達。
 主人公達の頑張りを知り、なんとか這い上がってもらいたいと願う校長が呼び止めるも、返ってきたのはあまりにも苦い台詞。

『勘違いしないで下さい。別にあの子達を認めていないわけではないんです。正直、彼等がここまで真剣にバスケをやっていることに驚きもしたし、感心もしました。
 あの子達が目指している場所が、いま戦っている相手チームがいる場所なんですよね?
 ――だとしたら、また別の問題になってくるんじゃないでしょうか』
『――どういう意味ですか?』
『私達の誰に、その大役を務めろと言うんですか?』

 苦っ!
 もの凄く苦っ!
 子供達の想いがわかるから。その頑張りが伝わってくるから。応えてあげることが出来ない。
 本気に対する本気の応えが、突き放すこと。
 あまりに苦すぎる現実。
 でも、子供達はそんな大人に対して文句を言ってはいけません。あなた達が今を精一杯生きているように、大人だって精一杯生きているのです。自分達の夢の為に、誰かに迷惑を掛けずにいられないだなんて、そんな人間は夢をみる資格がないのです。

 大人達のそんな辛さを知らず、主人公達は目の前に立ち塞がる壁に対し、必死で乗り越えようとしている。
 物語は終わっていない。試合もまだ終わっていない。
 全てはまだまだこれからだ。

 あまりにも辛くて苦い現実。そこから決して目を逸らしたりしない、『あひるの空』が好き。

 ……だいすき。

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