籠釣瓶

　『ピアノの森』はここ数回休みが続いている。

　きっと単行本の制作作業で滞っているんだと思う。

　それはそれで残念なのだけど、良かったなと思う一面もある。

　同じ号に載る『かぶく者』の面白さが尋常ではないのだ。

　これと『ピアノの森』を同時に読むのは正直体力が持たないんじゃないかと思うほど。

　たかが雑誌掲載の一話に体力とは大袈裟な、とお思いか？

　だとしたら思い違いも甚だしい。

　『かぶく者』にも『ピアノの森』にもそれだけの威力がある。

　読者をへこますほどの、読者の体力を平気で奪ってしまうほどの破壊力がある。

　もちろん毎回ではないが、いまの『かぶく者』にはそれがある。

　信じられない？

　なら、信じなくてもいいよ。

　あの面白さはわかる人だけが堪能すればいい。

　いま連載されている『籠釣瓶編』はいよいよ佳境。

　次回で決着がつくという。

　どんなものであろうと僕はもう『籠釣瓶』の虜。

　出来たら実際に『籠釣瓶』を観たいくらいだ。