中国法律便り
遼寧法大律師事務所
劉 挪 弁護士
劉 挪 弁護士
2015年1月21日
『中外合資経営企業法』、『外資企業法』と『中外合作経営企業法』を修正
『中国人民共和国外国投資法(草案)』パブリックヒヤリング中
『中国人民共和国外国投資法(草案)』パブリックヒヤリング中
2015年1月19日、中国商務部は「中華人民共和国外国投資法(草案)」(以下「草案」という)を公布し、社会に公開意見募集をしている。
草案は、170条からなり、11章に分かれる。主な内容は以下の通りである。
1. 外国投資者と外国投資の定義
外国投資者とは、草案において、登録地基準により定義されると共に、「事実上の支配」基準をも導入した。一方は外国投資者が支配する国内企業は外国投資者とみなされ、もう一方は、外国投資者が中国投資者に支配されている場合は、その中国国内での投資は中国投資者の投資とみなされる。
外国投資とは、草案において、グリーンフィールド投資のみでなく、合併・購買、中長期融資、自然資源調査開発又は基礎設備建設運営特許権、不動産権利の取得及び契約、信託等の方法で国内企業を支配し、又は国内企業の持分を所持することが含まれる。
2. 参入管理制度
草案は、「中外合資経営企業法」、「外資企業法」と「中外合作経営企業法」(以下「外資三法」という)が確立したケースごとに審査許認可制度を廃棄し、参入前に国民待遇とネガティブリスト管理モードに適応する外資参入管理制度を取りいれた。即ち、外国投資管理部門は、特別管理措置リストに列挙された分野の投資に対してのみ、参入許認可を実施することになった。審査対象は、契約、定款ではなく、外国投資者及び投資行為となる。ネガティブリスト管理モードにおいては、大多数の外資参入は、審査許認可の必要がなくなる。また、外国投資者が中国国内での投資は、特別管理措置リストに列挙される分野に属するか否かにかかわらず、報告義務を果たす必要がある。
3. 国家安全審査制度
外国投資により、国家安全に対する危害及び危害の恐れをもたらすることを防止するため、草案は、格別に外国投資国家安全審査制度を設けた。国務院弁公庁による「外国投資者が国内企業合併・購入する際の安全審査制度の構築に関する通知』に基づき、草案においては、国家安全審査の審査要素、審査プロセスを完備し、国家安全危惧を取り除くために取れる措置等の内容を明確にし、国家安全審査決定に対して行政再議と行政訴訟を提起してはならないとされている。
4. 情報報告制度
外国投資者又は外国投資企業がその投資経営行為に対して、特別管理措置リスト列挙されている分野に属するか否かにかかわらず、外国投資管理部門に情報報告義務を果たす必要がある。報告した情報は真実、正確、完全であり、虚偽の記載、誤解を与える陳述或は重大漏えいがあってはならない。
上記以外に、草案は、投資促進制度、投資保護制度、クレーム調和処理制度、監督検査制度及び法律説明制度を定め、禁止され及び許認可されていない投資又は許認可された条件を違反し制限のある分野での投資、情報報告義務の違反、国家安全審査規定の違反、法律強制的な規定の回避などの場合に科されるべき行政法律責任又は刑事法律責任をも明確にした。
原文:
http://www.mofcom.gov.cn/article/ae/ag/201501/20150100871007.shtml
意見提出窓口:
http://tfs.mofcom.gov.cn/article/as/201501/20150100871010.shtml
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