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はちみぺーじ

2007年12月生まれの黒ラブMIX・ルイの成長記♪
素朴なヘルシースイーツや、犬用おやつなどのレシピも研究中です。

みずうみへ

2006年10月12日 | はちみのこと
 午前5時
 まだ薄暗い夜明け前、ひとり車に乗って出かけました。外はひんやりと冷えていましたが、ガラスがくもるので窓を開け放しました。
 赤く染まる東の空が綺麗で、誘われるように近くの湖畔へいってみました。
 湖は朝靄がかってひっそりと朝陽を待っています。これは、ぜひとも・・・わたしもと思って車を降りて草の上に仁王立ちになりました。
 刻一刻とかすかな明暗、ぼかし、色あいが表情豊かに変化してゆきます。
 わたしはじっとみつめました。

 風がつくるさざ波
 水に映る朱の光
 清らかな青い空

 金色に縁どられた雲からついに、陽が昇ります。
 待ち望んだ朝です。

 わたしは・・・
 なにも言えませんでした。なにも考えませんでした。
 ただまっしろに、美しい、と感動して目が離せなかった。
 それだけでした。


 わたしはそれまで、何かをみて何をどう思うかと、どうも難しく考えてしまっていたようです。表現しようと頭をつかっても言葉が上手く出てこなくて、情けないなあと落ち込むこともありました。

 それよりもまず感じる心。
 それが基本なのに人って頭がいいから理性が働いて、よくはじめに受けとったものを違うものにつくりかえたりしています。大人になるにつれてその能力が長けて知らないうちに忘れてしまうのでしょうか。
 純粋に美しい、とか。楽しい、とか。大好き、とか・・・
 それでいいのに。
 それだけで十分なのに。

 なんだか、頭でっかちな自分を励ましたくなりました。
 ほんものの感動に理由なんていらないのです!


 午前7時
 まばゆい朝陽がどんどん高く昇ってゆきます。
 湖は生き生きとした朝の空気に満ちあふれています。
 わたしは新鮮な空気をぞんぶんに吸って軽くなった足で公園のすべり台に臨みました。幼児用の低いすべり台のてっぺん。
 すがすがしい青空を仰ぐと半月がうっすらと浮かんでいます。
 所在なさげに、白い雲と同化してしまいそう。
 だって今はもう、朝ですから。
 わたしはこのまま気持ちよくすべり台をすべって帰ろうと思いました。
 しかし朝露で濡れたすべり台は想像以上によくすべったのです・・・
 びっくりしました。ズボンがぐっしょり濡れて汚れたうえに尻もちをつくなんて、ショックです。
 だけどそう思うより先に、おかしくて笑ってしまいました。

 そういうものなんだなと思いました。