アニメ「K」を噛みしめる

ひたすらアニメ「K」を語るブログです。

全員K 『K -ALL CHARACTERS-』感想

2016-05-11 | 小説
全員K 『K -ALL CHARACTERS-』少しだけ感想など。
ネタバレも含みますので、未読の方はご注意ください。

1999 
7.11 比水流 (オレンジ)

1999年7月11日。迦具都事件当日。
今まで描かれてなかった流の育った家庭と、緑の王として覚醒する前の普通の日常、そして迦具都事件に巻き込まれた一般の人間の姿が描かれています。
周防の前の赤の王、迦具都のダモクレスの剣が堕ちる瞬間の様子も描かれていて、かなり衝撃的です。

7.11 十束多々良 (ピンク)
こちらも同じく迦具都事件当日ですが、比水流が迦具都事件に巻き込まれた当事者であるのに対し、十束多々良は遠くからその様子を見る立場です。
砂糖水をかけたかき氷を食べながら帰ってこない「おっちゃん」を心配する多々良と、事件を知らないまま借金取りから逃げていた養父が事件を知って慌てて帰ってきて再会するシーンは、こんな養父でもちゃんとお互いに大事に思う気持ちがあるのだなと再認識しました。
その後の、草薙出雲が作った高級かき氷を周防尊と一緒に食べるシーンも良かったです。

2008 
9.29 伏見仁希&木佐 (イエロー)

伏見猿比古の両親の物語。
母親は才能があって美人で努力家の実業家、木佐。
一方の父親は大胆奔放な天才でありながら、何も為さずに不摂生で体を壊して入院している仁希。
彼が死ぬ3ヶ月前のお話です。
二人の年の差は書かれていませんが、かなり差はありそうな感じです。

2011
9.7  エリック・スルト (オレンジ)

藤島に拾われて吠舞羅にやってきた一匹の猫を巡る物語。
動物や人間を拾ってきては騒動になる藤島ですが、(「メモリー・オブ・レッドの馬刺しパニック、Memory 参照)今回は猫を拾ってきて、それを相棒のエリック視点で描く物語です。
相棒というか、元々はエリックも藤島に拾われたんですよね。
ここに出てくる猫とその飼い主の少年が何か意味ありげで、今後出てくる可能性を感じています。

2013
12.17 ツクモ99式 (レッド)

オールキャラにツクモまで入っているとは。
ネコが吠舞羅に忘れていったぱんつを八田が預かって返しに行く途中に、学園島で落としてしまい、それを拾得物Xとして分析するツクモの物語です。
拾得物Xと人物A、人物Bの分析をするツクモがおかしいです。
「収まらない」「収まる」で笑いました。

12.21 ウサギ (★ブラック)
白銀の王であるシロが、國常路大覚の遺品整理に訪れた翌日のウサギが描かれています。
カウントダウンの「さよなら旧友」で描かれた、少年時代からずっと國常路大覚に仕えてきた、あの高齢のウサギです。
少年時代から数十年、その一生を黄金の王のために生きてきたウサギです。
主を失ったウサギが、主のいなくなった部屋に深々と一礼する姿が切ないです。

2014
1.28 玉五郎(レッド)

レッドさんの小説「K BLACK & WHITE」に出てくる猫の名前が「玉五郎」「タマゴロー」で同じだなと思ってましたが、こういうことだったとは。
思いがけない事情持ちの猫の正体を知りました。
今後もどこかで出てくるでしょうか。

3.14 雪染菊理 (ブルー)
葦中学園に来たドイツ先生ことアドルフ・K・ヴァイスマンが、お昼に生徒たちのお弁当から一品ずつもらって歩いているところから始まります。
あ、これはアニメ1期の冒頭のシロだ!
と思ったところに、ククリが「野菜弁当」を持ってきていて。
これは確かに1話の物語。
「甘やかしすぎじゃない?」という因幡に「これはなんだか私にとって”やり残した仕事”みたいな気がする」と答えます。
最後に中庭にレジャーシートを敷いて、ククリの野菜弁当とクロのお弁当も広げてみんなで「いただきます」をする場面で、やり残した仕事はちゃんと終えたのだなと、覚えていないはずのククリの中に、無意識ながらシロが残っていたんだなあとしみじみしました。

4.11 稗田透 (グリーン)
稗田透って誰? 
と思われる方もいらっしゃると思いますが、彼は「K RETURN of KINGS Blu-ray7巻」に付属のGoRA書き下ろし短編小説「ある少年の進路探し」に登場する少年。
端的に言ってしまえば、シロの「ガワ」の少年です。
一年以上も体を乗っ取られていた彼が、3年遅れで葦中学園に入学し、新しい人生を始める物語です。
善良ではあっても積極性には欠け、今まであまりいいことがなかった、思い通りにならなかった人生が、これからは新しい友人や支援者を得て、新しいよりよい人生になっていくことを祈ります。

ほんの一部だけ書きましたが、全52編。
読み応えがあります。
長編小説も好きですが、こういう掌編がたくさんあるのもいいですね。
7人の小説家がそれぞれの視点で描くKのキャラクターたち。
また第二弾もあるといいなと思います。


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