アニチャイ!(中国アニメ事情)

中国(主に大陸)のアニメ・漫画業界に関する情報を収集。同人イベント、キャラクター、ゲーム、コスプレ事情まで。

クレヨンしんちゃん値下げ、海賊版に対抗

2003-10-10 | アニメ・漫画
日本の人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の版権を持つ双葉社の中野正史編集総務国際部長は
9日、中国上海市内で会見し、中国国内で出回っている海賊版コミック本などのため、「クレヨン
しんちゃん」の被害額は推定で1億元(約14億円)に上ると明らかにした。

 中野部長などによると、「クレヨンしんちゃん」は中国国内では子どもから大人まで幅広く人気があり、
コミック本やビデオCD(VCD)、ぬいぐるみ、衣料品などのほか、中国版iモードの携帯電話用画像
まで海賊版があふれている。このため、各商品について中国企業と版権使用契約を結ぶなどして対応。
コミック本は1冊8・8元(約120円)と海賊版に近い価格で販売している。

 こうした対応策で正規商品の販売を始めた02年1月以降の売り上げは既に約6億元に上り、
海賊版締め出しが効果を上げ始めているという。

(03/10/10 Yahoo!news)

クレヨンしんちゃん DVD日中同時発売(2003/10/09)

2003-10-09 | アニメ・漫画
引用元:
JETRO
http://www3.jetro.go.jp/se/j/jousa/kikaku/file/info/02094.doc

2003年10月09日


日本製アニメキャラクターの中国戦略を聞く(中国)
DVDソフトを日中同時発売

中国・北アジアチーム

 中国でも人気のキャラクター「クレヨンしんちゃん」の版権を所有する双葉社は,中国全土から海賊版コミックスを締め出し,正規版を1年間に約150万部販売するなどの成功を収めた(本紙6月23日参照)。同社および映像の著作権を所有するシンエイ動画,商品化権を持つ各社(アサツーディ・ケイ,テレビ朝日)は中国でのキャラクター戦略を進め,認知度をさらに高めることを狙っている。

 双葉社および映像著作権,商品化権を所有する各社から委任され「クレヨンしんちゃん」の中国戦略を策定・運営しているムーランプロモーションの三田敬国際事業本部長に聞いた。

 問:「クレヨンしんちゃん」の中国戦略の現状は。
 答:中国事業の柱は4つある。まず,コミックス書籍の出版事業,携帯電話などのデジタルコンテンツ事業,キャラクターグッズ事業,そして映像コンテンツの2次利用事業である。
 出版事業では,出版済みのコミックシリーズを重版する。デジタルコンテンツ事業ではチャイナモバイル(中国移動)に加え,チャイナユニコム(中国聯通)でも映像配信を開始する。今回は本格的な動画が楽しめる仕様となっている。キャラクターグッズ事業としては,アパレル商品を年間40万着販売する予定である。
 現在,最も力を注いでいるのが,映像コンテンツの2次利用事業。9月1日に,日本ビクターの中国現地法人に対し,中国で日本製キャラクター映画としては初めて,最新作を含む過去11作品全部のDVDソフト化の許諾を行った。現在11月の発売に向けて準備中である。

 問:DVDの映画ソフトを一挙に中国市場に投入する理由は。
 答:今年3月に中国を視察した時に「しんちゃん」の海賊版を発見した。通常,ソフトの海賊版は香港・台湾版の安易なコピーであることが多いが,今回は香港・台湾版が販売されていないにもかかわらず,早々と字幕入りDVDソフトが出回っていた。パッケージの印刷も鮮明で,海賊版の販売が巧妙化していると感じた。この海賊版を早期に封じ込めるため,一挙に正規版を販売する必要があった。

 11月販売予定のソフトは,世界に先駆けての日中同時発売となる。日中合作映画以外のDVDソフト同時発売は中国では初めてだろう。著作権者にとっても,これはかなりの決断だったし,中国側にとっても,大きな意味を持つと思っている。

 問:DVDソフトの海賊版と正規版の価格差は。
 答:海賊版が7~8元(1元=約14円)のところ,正規版は15元と約2倍であるが,日本版3,800円に比べてかなり低い価格設定とした。

 問:その他の映像コンテンツ事業は。
 答:DVDハードメーカーに,プレーヤー購入時の付録品(バンドル商品)として納入できないか,交渉中である。また,中国の映画館に付設されているビデオミニシアター(注)での上映を計画している。

 中国では,外国映画は審査が厳しく,輸入枠はわずか。ヒットの可能性が高い大型作品しか上映されないので,外国アニメの映画館での上映は事実上不可能に近い。そこで,ソフト不足に悩むミニシアターと交渉を進めている。

 問:テレビなどでのアニメ放映は予定しているか。
 答:中国ではアニメのテレビ放映枠や海外作品の放映枠があり,参入が非常に難しい。それに加えて当局の内容倫理に関する審査も受ける必要がある。「しんちゃん」は子供の本音辛口トークが受けているわけだが,子供向けアニメとしてふさわしいと判断される可能性は極めて低い。
 従って,当面は地方で集客の見込めるミニシアターでの放映による普及を重点的に考えたい。

(注) 国務院文化部が管理し,全国で約2万館が営業中。映画館の中に平均80~100席の規模で2,3室あるのが一般的。入場料は5~15元程度。

(稲熊浩一)(1330A)