(2/2)円谷プロ、中国版「ウルトラヒーロー」を制作――中国人俳優を主人公に起用
特撮テレビ番組「ウルトラマン」シリーズで知られる円谷プロダクション(東京・世田谷、円谷英明社長)は中国人俳優を主人公に起用した中国版「ウルトラヒーロー」を現地で制作する。早ければ年内にも中国のテレビ局で放送を始める。同社が中国で本格的なオリジナル番組を制作するのは初めてだ。
中国版「ウルトラヒーロー」は出演者やスタッフの大半に中国人を起用し、中国の視聴者に親しんでもらいやすくする。登場人物は、ウルトラマン(キャラクター名未定)に変身する主演俳優を含めて全員が中国語で話す。舞台や人物設定も中国がベースとなる。
昨年から中国で放送されている「ウルトラマンティガ」など、過去の番組では、日本で放送済みの番組を持ち込んで吹き替えていた。しかし、うまみの大きいキャラクタービジネスで成功するには、設定や出演者、言葉の面で中国オリジナルのキャラクター作りが必要と判断した。
新番組の放送に向けて、中国企業と合弁会社を設立する。地元の有力企業と組むことによって、テレビ放送に向けた交渉を進めやすくする効果を期待している。この合弁会社を通じて、「ウルトラマン」以外に、中国発の全く新しいキャラクターを立ち上げる計画もある。番組で使う怪獣の着ぐるみを中国で制作する態勢も整えた。
「ウルトラマン」をめぐっては、関連の商標権を地元企業に勝手に取得されたり、無許可の模倣品が出回ったりと、同社は中国で苦い経験をしている。今回のオリジナル番組制作の背景には、中国で新たなキャラクターを立ち上げることによって、模倣品が出る前にすばやく正規商品を発売するなど、著作権管理を強化するねらいもある。
「ウルトラ」シリーズは長く子供向け特撮番組として人気を博したが、近年は徐々に視聴率が下がり、テレビ放映は2002年秋にいったん終了した。昨年10月からはTBS系で「ウルトラマンネクサス」の放送が始まったものの、東宝の映画「ゴジラ」が打ち切られるなど、特撮そのものの人気にかげりが出る中、同社は戦略の見直しを迫られていた。今回の「ウルトラマン」の「中国帰化」は、日本のコンテンツ制作会社が、少子化の進む日本市場を見切って、13億人の中国市場に新天地を見出そうとする動きともいえそうだ。
(ニュース編成部 重森泰平)
記事引用元:NIKKEI NET
引用元URL:http://www.nikkei.co.jp/china/news/20050202c1822000_02.html
特撮テレビ番組「ウルトラマン」シリーズで知られる円谷プロダクション(東京・世田谷、円谷英明社長)は中国人俳優を主人公に起用した中国版「ウルトラヒーロー」を現地で制作する。早ければ年内にも中国のテレビ局で放送を始める。同社が中国で本格的なオリジナル番組を制作するのは初めてだ。
中国版「ウルトラヒーロー」は出演者やスタッフの大半に中国人を起用し、中国の視聴者に親しんでもらいやすくする。登場人物は、ウルトラマン(キャラクター名未定)に変身する主演俳優を含めて全員が中国語で話す。舞台や人物設定も中国がベースとなる。
昨年から中国で放送されている「ウルトラマンティガ」など、過去の番組では、日本で放送済みの番組を持ち込んで吹き替えていた。しかし、うまみの大きいキャラクタービジネスで成功するには、設定や出演者、言葉の面で中国オリジナルのキャラクター作りが必要と判断した。
新番組の放送に向けて、中国企業と合弁会社を設立する。地元の有力企業と組むことによって、テレビ放送に向けた交渉を進めやすくする効果を期待している。この合弁会社を通じて、「ウルトラマン」以外に、中国発の全く新しいキャラクターを立ち上げる計画もある。番組で使う怪獣の着ぐるみを中国で制作する態勢も整えた。
「ウルトラマン」をめぐっては、関連の商標権を地元企業に勝手に取得されたり、無許可の模倣品が出回ったりと、同社は中国で苦い経験をしている。今回のオリジナル番組制作の背景には、中国で新たなキャラクターを立ち上げることによって、模倣品が出る前にすばやく正規商品を発売するなど、著作権管理を強化するねらいもある。
「ウルトラ」シリーズは長く子供向け特撮番組として人気を博したが、近年は徐々に視聴率が下がり、テレビ放映は2002年秋にいったん終了した。昨年10月からはTBS系で「ウルトラマンネクサス」の放送が始まったものの、東宝の映画「ゴジラ」が打ち切られるなど、特撮そのものの人気にかげりが出る中、同社は戦略の見直しを迫られていた。今回の「ウルトラマン」の「中国帰化」は、日本のコンテンツ制作会社が、少子化の進む日本市場を見切って、13億人の中国市場に新天地を見出そうとする動きともいえそうだ。
(ニュース編成部 重森泰平)
記事引用元:NIKKEI NET
引用元URL:http://www.nikkei.co.jp/china/news/20050202c1822000_02.html