カプアン通信

ドイツの犬




ヨーロッパ、とくにドイツは動物愛護・動物保護の先進国として知られています。

日本と何が違うのか、いままではよくわかりませんでしたが
このほど、2つのメディアで相次いで、ドイツの動物愛護・動物保護に関する
レポートが紹介されました。
ここに日本の動物たちを救うヒントがありますでしょうか。


まず、地球生物会議のドイツからのレポートをご紹介します。
繁殖事情や、犬種ごとのクラブの活動など、かなり詳細なレポートです。

1 犬猫の殺処分数ゼロ、殺処分施設もゼロ

2 犬の繁殖業者にかけられる規則

3 犬種団体と繁殖の規則

4 犬との共存のために


上記レポートに、ドイツの動物保護の歴史に触れていますが
およそ140年前に、ドイツにはすでに200の動物保護団体が活動していたそうです。
第2次世界大戦中も、約250の団体が保護活動を続けていました。
現在は、約700の団体、80万人の会員がおり、ヨーロッパ最大の規模だそうです。
これらはすべて民間の団体で、遺産贈与や寄付とボランティアで成り立っているとのことです。


週刊アエラの今週号で、さらに動物保護活動の具体例が載っていました。


週刊アエラ No.39 '09.9.7号
朝日新聞出版 380円

こちらにさわりの部分だけ掲載されています→犬を殺さないドイツの常識


記事の冒頭に、サッカーコート30面分の敷地に、人工の池を配し
芝生が敷き詰められた、動物保護施設が紹介されています。

2001年に約50億円をかけて建て替えられたというこの施設では
犬たちは庭付きの個室で暮らし、ドッグランも完備、室内は床暖房完備で
100人のスタッフや10数人の獣医師によって世話をされているそうです。

犬を飼いたいと思うドイツ人が、まず目指すのがこういった施設だそうで、
この施設では、年間の譲渡数は約2,000頭。
収容犬の98%がもらわれていき、1匹の動物も殺しません。
たとえ飼い主が見つからないような犬でも、終生飼育施設に譲渡され最期まで面倒をみます。

こういった施設の運営には、国や自治体の資金援助はほとんど必要なく
動物愛護精神の高い、各個人や企業による寄付でまかなわれています。

ドイツ各地にはこのような施設が約500箇所あるそうです。


ちばわんの大先輩で、ドイツ在住のクミさんによると
「ドイツ人には動物愛護の遺伝子が刷り込まれている」とのことです。



そして、ドイツの「犬の飼育に関する規則」は世界一厳しいものかもしれません。

たとえば、
●毎日散歩をさせなければならない。
●長時間の留守番をさせてはならない。
●檻で飼う場合は1頭あたり最低6平方メートルの広さを確保すること・・・などなど

飼い主が守らなければいけない規則がきめ細かく定められ
違反をすれば数十万円から数百万円の罰金が科されます。
犬の飼い方は警察が見張ってますし、市民もすぐ通報します。
著しい虐待が認められれば、二度と動物と接することができなくなるそうです。

このため、日本のようにペットショップで数十匹の犬を販売することはほぼないそうです。

なぜなら、毎日すべての犬を散歩させ、長時間の留守番を避けるため店員が毎晩泊まり込み
決められた広さの檻を並べるために広大な土地を用意する必要など・・・
コストがかかり過ぎ、ビジネスが成立しません。

また、販売する側が、飼い主の飼育環境を確認することも常識だそうです。
飼育スペースが充分でなく、犬の留守番が長い家だと判断されれば
犬を売ってくれません。


そして、ドイツには「犬税」があります。(猫など他の動物にはありません)

都市部では犬1頭につき年10,000~20,000円が相場で
2頭目からは年20,000~40,000円の場合もあるそうです。
(障害者が飼う場合や、盲導犬は免除)

犬税は、貴族が犬をスティタスで飼っていた時代の名残だそうで
現代では、安易に犬を飼うことへの抑止力となっています。

最初の地球生物会議のレポートによると、
闘犬は年72,000円以上に犬税が引き上げられ
政府が指定した4犬種は繁殖が禁止され、EU全域で持ち込みも禁止されているそうです。

私の想像では、闘犬が人間に危害を与えることへの抑止というより
闘犬行為によって、犬のクォリテイライフが損なわれることへの配慮では、という気がしてきます。



あまりにも違いすぎる、ドイツの犬たちと、日本の犬たちの境遇。

日本の犬たちが、殺されることなく、ドイツの犬のような生活ができるようになるまで
いったい何年かかるでしょう?




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ちばわんからのお知らせ

フリマ物資募集のお願い

現在、“いぬ親会”会場でもミニフリマを開催させて頂いております。
そこで販売させて頂くフリマの品物の寄付のお願いです。
ご協力よろしくお願い致します。
 
【募集するもの】
☆犬・猫グッズ(新品又は状態が良いもの)
 おもちゃ、首輪、リード、ハーネスなど ←特に大歓迎
 お洋服 ←中型犬用特に大歓迎
☆手作り作品

【募集期間】
9月1日(火)~9月18(金)必着まで

【お願い】
現在、大井競馬場でのチャリティフリマ開催予定はありませんので
募集しているもの以外の送付はご遠慮ください。
ご協力よろしくお願いします。

以前、フリマの物資を送って下った方も、品物を送って下さる場合は
お手数ですが再度ご連絡をお願いします。
また、送り先をご連絡しますので必ずお名前と住所を記載して下さい。
よろしくお願い致します。

フリマ品物寄付に関してのお問合せ先→miki_chibita@yahoo.co.jp(小林)


ちばわん湘南プチいぬ親会in茅ヶ崎開催



明日!! 9月5日(土曜日)11:00~14:00 
茅ヶ崎のペットグッズショップ・バウワウさんの全面協力で
お店をいぬ親会会場としてご提供いただけることになりました!
店内開催のため、お天気の心配もありません。(暴風雨のみ中止いたします)
鎌倉でのいぬ親会とはちょっと違った、こじんまりアットホームないぬ親会です。
当日はトレーナー&トリマーによる「しつけ&トリミング相談会」も同時開催されます!
↑詳しくは、上記バナーをクリックしてください。

コメント一覧

カプアンパパ
チャコ姉さん
こんにちは! お疲れさまです。

私は、主にデザインや文化の面から、昔から
イタリアとドイツが好きですが
こりゃ、日・独・伊同盟ですね(汗)。

日本、ドイツを見習うべきです。
できれば、我々の生きているうちに、
すこしでも動物愛護精神、追いついて欲しいです。
カプアンパパ
クミさん
リンクありがとうございました!!

いろいろ勉強になるお話ばかりです。
小さいころから、動物の目線で世界を見ることを
教えられる。というのはいいですね。
人間も広い意味では「動物」ですしね。

ぜひ一度、ドイツに行って見たいと思います。
カプアンパパ
あずきママさん
おっしゃるとおり、動物保護に関しては
日本は後進国ですね。

でも、ドイツは日本のように自治体が動物を管理しているのではなくて
ずっと民間の間で、寄付や、遺産贈与によって運営されてきたところが素晴らしいです。

ドイツの保護施設は、犬猫だけでなく
馬や鳥や、爬虫類もいます。

そういえば、私は、長年熱帯魚を飼ってますが
ドイツにはフィルターの「エーハイム社」や熱帯魚フードの「テトラ社」といった大企業があります。
ドイツ人と動物のかかわりの歴史を調べたら面白いかもしれませんね。
カプアンパパ
マナティさん
ほんと!犬にとって理想の国ですね!
私が感心したのは、動物愛護が、国や自治体から
押し付けられたものではなくて、
市民の運動として根付いているところです。
動物とのきずなが強いのでしょうね。

犬税については、たしかに賛否両論ですが
いままでのように、毎日大量に遺棄されたり
殺されている状況をすこしでも改善できるなら
犬税やむなしだと思います。
私は、殺処分を減らすためなら賛成です。
チャコ姉
素晴らしい!
http://chakoane.blog95.fc2.com/
抽選が終わったのをいいことにチョロっとご無沙汰しました(笑)
さすがですね、ドイツ。
エコ意識もかなり高いですけど、わんこ事情も日本とは別物。
日本がドイツレベルに達するまであと何十年(何百年?)かかるのでしょう。
かつて同盟結んだ国なんですから、少しは見習って欲しいものです。
(って、全然関係ないですね。。。汗 )
クミ
http://kuminaess.blog.drecom.jp/
リンクさせていただきました!!

ドイツでは犬の姿の改変、耳を立てたり尻尾を切ったりすることは禁止されています。
だからそういう犬を見かけると、他の国から来たのだなぁとすぐわかります。
そのかわりドイツ人は、まめにシャンプーしたり、可愛い洋服を着せたりなんてことはしまけどね(笑)
でもどちらが犬にとって幸せなのかを考えたら、ドイツ方式ですよね。
ドイツ人は動物の目線で世界を見ることを、小さい頃から教え込まれているのだと思います。
あずきママ
日独の違いに愕然とします
http://sakuransmr.exblog.jp/
ドイツのいぬ事情と、日本の現状を知るにつけ、その違いに愕然とします。

命を大事にするかしないかの根源的な問題ですよね。

すべて外国がいいとは思いませんが、こと動物保護に関しては日本は後進国ですね。

前に図書館で借りた本に、ドイツの民間の保護施設建設中のことが書かれていました。

カプアンパパさんの施設の話と同じものかなと思いました。

犬・猫棟が別々にあって、クリニックもあるということでした。

いつになったら、ドイツや英国に追いつけるでしょうか。
マナティ
殺処分が
http://manatee62.exblog.jp/
ゼロですか?すごいです!処分場もないんですね?
理想の国ですね。数年前、ドイツから帰って来た
ばかりという同い年の子と一緒に働いた事があり、
ドイツの事はいろいろ聞いていました。動物の事は
聞いた事がなかったのですが、例えばゴミの事や
環境の事で「へぇ~」とか「ほぉ~」とか思う事が
山ほどありました。話を聞いていて、いろいろと
厳しいな~って事はありましたが、それくらい
しないと、何事も良い方向には向かっていけませんね。

日本での犬税は賛否両論みたいですが、使い道に
よっては、日本でも有りかな~とも思います。
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