昭和45年入学組通信

日本大学芸術学部演劇学科同期生の近況情報

号外再録

2008-11-17 00:01:20 | 同期生動向
2008年の同期会案内を兼ねてムコセが45年入学組通信の号外を編集した。

9月26日の昼過ぎ成田からインドに飛び立つ間際に、
「9月中には同期生の手元に届くように手配を頼む」
と電話してきた。

27日にプリントアウトして、宛名書きをお桂に頼み、なんとか9月中に発送できた。

そして、10月1日、だ。
まさか、中川晶一朗、晶ちゃんが亡くなるなんて・・・。

その原稿をここに再録する。



『向瀬クンに絡められてしもうた』


最近、わたし、つい本気なことは、パプアニューギニアのことだ。といっても掴みどころのない話だが、ここ何年かパプアづいてしまっているのだ。



先日も向瀬クンが構成を手がける番組に「パプアニューギニアの専門家」などと言われ出演してしまった。それも2回も。(それでいいのか)

元はと言えば、私が住む埼玉県鶴ヶ島市に、パプアニューギニアを中心とするオセアニアの民族造形美術品(よくわからんがそう呼ばれている)が寄贈され、それを見せられたとたん、まさに心底ノックアウトされたことに始まる。

  

精霊の世界、アニミズムの世界。
とにかく幻想的に見えながら辛口の、はなはだスピード感のあるリアルな空間なのである。わたしにとっては取り換え不可能な生命の根源世界を指し示す。

音楽はと言えば、倍音だらけの幸せとでも言うのか、三味線のさわり音など目じゃない低周波ぐるぐるの、シンプル、イズ、ベスト。驚きの音舞一体論。まさにわたしのからだが求めていたものであったのだ。

ところが、日本ではおよそ受けない。
ニューギニアの文化は、あまりに飼いならされていない直接性にその真骨頂があるのだが、中途半端に高学歴化したソフトでリゾームな感性には手に余るらしい。わが市においてもその通りで、市民一般の評判は、はなはだよろしくない。(ニューギニア文化の生食は食傷のもと、やはり下痢するんだろうなあ。)

そうなればこちらもつい熱くなり、少々入れ込み展示会、パプアの舞踊団の公演、ワークショップなどと繰り返すうちに、知識、現地の楽器、楽曲などがどんどん手元に集まり、ついに某所で「パプアニューギニアの専門家」などといわれる羽目になってしまった。(しかしおれの専門は何だ、自分でもわからんぞ!)

それというのも、ある時、展示会に向瀬クンを呼んだからだ。彼は会場で他の来場者を尻目に何と番組の構成をしていた。つまり仕事をしていたのだ。別れ際
「ショウちゃん、これ持ってこれるかなあ。まあいいわ、後で電話する。じゃあ----。」
と言って帰って行った。

しかしその時、ムコセぐもの糸に絡まっていたのだった。
「しまった。掛ってしもうたかも!」
でも----もう遅いわなあ。(そういう奴だもの)

中川晶一朗






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