理乃美

ソフトとハードと論理の覚え書き

周期パターンの変化検知-その1

2018-07-17 21:58:23 | AI

特異スペクトル変換による変化検知は、人間が大局で見て特徴と見える部分を監視しているのではなく、もっと小さな範囲のなんらかの特徴の変化を見ているらしいということを以前の数値実験がしめしていた。

では、大きな周期パターンそのものを見て、そこから変化を導き出すにはどうしたらよいだろうか。まず思いつくのが窓幅を1周期をカバーするほど大きく取ることだろう。それでは実験をしてみよう。

用意したデータの全体像と部分は図のとおり。今回は、元となるパターンを変更し周期を60ポイントと短く設定した。計算が大きくなるのでメモリと時間をすこしでも抑えるためである。

この、一定パターンの繰り返しでどこにも変異のないデータに対して窓幅M (n,k,Lも連動)を変えながら変化検知を試みてみよう。

まずは、M が 8 や 16といった小さい値の場合。60ポイント周期のピークに反応して変化度のピークが出ている。

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SVDによる変化検知能力 窓幅とノイズ

2018-07-14 00:31:59 | AI

これまで、ホワイトノイズの影響について数値実験をおこなってきた。それでは、窓幅とノイズとの関係はどうだろう。

といっても、n = k = M/2, L = k/2 の関係は維持するので、純粋に窓幅だけの関係ではないが.. これまで行ってきた M= 50 に対して、M = 40 とM= 60 に振ってみた結果が以下のとおり。

窓幅が大きく(履歴行列,テスト行列の列数も多い)ほうが、ランダムノイズによる偶発的な特異値のピークが小さいといえそうだ。

 

 

[1] 井出 剛、杉山 将, 異常検知と変化検知, 講談社, 2017 ISBN978-4-06-152908-3

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SVDによる変化検知能力 耐ノイズ 5

2018-07-13 01:42:58 | AI

今度は、8bit の量子化ノイズをイメージして 1/256 のランダムノイズをくわえてみる。地の部分の振幅を 0.01 とした結果が以下のとおり。

地の部分の位相の不連続ははっきりと変化度のピークに現れている。その一方で、パルスの部分は、ノイズによる変化度のピークとまぎれてしまい、区別が付かなくなっている。部分時系列の全体へちらばる非定常と部分時系列の一箇所に現れる強い非定常が同じレベルになるのが、このレベルということなのだろう。(この実験条件では)

8bit は、もっとも手ごろなAD変換精度なのだが、この結果を見ると8bit精度のデータの取り扱いでははまる可能性に注意が必要そうだ。

 

[1] 井出 剛、杉山 将, 異常検知と変化検知, 講談社, 2017 ISBN978-4-06-152908-3

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SVDによる変化検知能力 耐ノイズ 4

2018-07-12 02:03:35 | AI

引き続いて、12bit ADの量子化ノイズをイメージして 1/4096 のランダムノイズで試した結果が以下のとおり。

地の部分の振幅を0.0008  にしてもノイズによる変化度のピークより変化点での変化度のピークが卓越している。とはいえ、よく見るとオフビートの変化度のほうが恩ビートでの変化度より小さい。つまり、地の部分の正弦波があまりに小さくなったためパルスによる波形パターンの方が特徴として優越しており、地の正弦波の部分が無視されているのだろう。

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SVDによる変化検知能力 耐ノイズ 3

2018-07-11 02:02:16 | AI

特異スペクトル変換による変化点検出でのノイズの影響を数値実験している。前回は、元データに載せるランダムノイズの量を変えて、地の部分の正弦波の位相変化の検出への影響を調べた。

対象データには、アナログデータをAD変換などでデジタル化して得るので、量子化ノイズは避けられないことを鑑みて、ノイズの量を固定してどれだけの信号なら変化点が検知されるかを調べてみた。

フルスケールを1として、まずは 10bit相当の 1/1024 p-pのランダムノイズを載せた場合を試す。

地の部分の正弦波が 0.01 p-p の場合 (ノイズの10倍の信号)の場合は、以下のように変化点で綺麗に変化度のピークが出ている。ところどころにノイズがたまたま引き起こす変化度の山も、周期パルスの引き起こす変化度の山より小さい。

 地の部分の振幅を0.006 p-pにするとこうなる。位相変化の箇所が明確なピークであることは変わらないが、周期的なパルス部とノイズがたまたま作った場所とを変角で区別できなくなった。

                                  

[1] 井出 剛、杉山 将, 異常検知と変化検知, 講談社, 2017 ISBN978-4-06-152908-3

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