構造が中心に対して球対象だとし、時間的に変化しないとして計算。
星内部に半径方向に微小な円柱を考え、上面と下面の全圧力と円柱内のガスへの重力のつり合いを考えると次の式になる。
(3.29)
また、半径rより内側に含まれる質量Mrは、
(3.31)
さらに、ガスの温度がどこでも一定として、理想気体の状態方程式を当てはめると次の式になる。
(3.46)
ここで、次のような変数変換をする。
(3.47)
(3.48)
すると式はこうなる。[1]
(3.49)
以上 ・・・
いや、これではどんな形状だかさっぱりわからん。
この2階微分方程式は解析的には解けないということなので数値計算する。と言っても、オイラー法ならスプレッドシートでも計算できるので、まずはそれであたりをつけてみる。
まずは、式3.49 を変形して、Dの2階微分 (D")をDの1階微分(D')とDの式 f(D', D)表現する。高校数学のレベルだがチョンボはしたくないので数式処理システム(maxima)に手助けしてもらう。なお、maximaでDと書くと定数扱いされてしまうので、ξの関数 D(ξ) として表現している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/81/24be6021ae6d3907906c372054562bca.png)
あとは、次の式でξを少しずつ増やしながら計算していけばよい。なお、教科書では、境界条件としてξ=0 の時、D=1で D' = 0と書いてあるが、D"の計算でξ=0は特異点になっているので使えない。まあ、中心付近は重力の効果はほぼ無くて一様だろうから、わずかに離れたところでもD=1でD'=0だとして計算できる。
D (ξ + d) = D(ξ) + d * D'(ξ)
D' (ξ + d) = D'(ξ) + d * D"(ξ)
D" (ξ) = f (D'(ξ + d), D(ξ + d))
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/78/b2524aa9ddb6e98eb279015ddfcd4ee7.png)
ということで計算してみたのだが、どうもDの減少の仕方がが思ったより小さい。グラフにするとこうなる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/5a/411086bf16c385985b79db3456eb4f0b.png)
青線がDで赤線が1/ξ^2 。D∝1/ξ^2 だとξが増えるに比例して質量Mが増え続けるということなので、どこかが等温ガス球の境界とは言えないということだよね。
定常状態にある理想気体からなる自己重力等温ガス球というのは星とは言えないのかぁ。
[1] 福江 純・和田桂一・梅村雅之、宇宙流体力学の基礎 (日本評論社、2014)
星内部に半径方向に微小な円柱を考え、上面と下面の全圧力と円柱内のガスへの重力のつり合いを考えると次の式になる。
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また、半径rより内側に含まれる質量Mrは、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/7f/78/1ee9709210961b56ea9b9b7055d1d7b4_s.jpg)
さらに、ガスの温度がどこでも一定として、理想気体の状態方程式を当てはめると次の式になる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/41/6d/58669e40c6efca4ba92474d37bcaaa97_s.jpg)
ここで、次のような変数変換をする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/12/07/79080f8088aedd4cfdc4cada12258b00_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/09/78/5b875b6b097cd1e9eb7030b91ba610a6_s.jpg)
すると式はこうなる。[1]
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/4e/a9/d14a2e0ff863d9ce07e68e81ce8cae00_s.jpg)
以上 ・・・
いや、これではどんな形状だかさっぱりわからん。
この2階微分方程式は解析的には解けないということなので数値計算する。と言っても、オイラー法ならスプレッドシートでも計算できるので、まずはそれであたりをつけてみる。
まずは、式3.49 を変形して、Dの2階微分 (D")をDの1階微分(D')とDの式 f(D', D)表現する。高校数学のレベルだがチョンボはしたくないので数式処理システム(maxima)に手助けしてもらう。なお、maximaでDと書くと定数扱いされてしまうので、ξの関数 D(ξ) として表現している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/81/24be6021ae6d3907906c372054562bca.png)
あとは、次の式でξを少しずつ増やしながら計算していけばよい。なお、教科書では、境界条件としてξ=0 の時、D=1で D' = 0と書いてあるが、D"の計算でξ=0は特異点になっているので使えない。まあ、中心付近は重力の効果はほぼ無くて一様だろうから、わずかに離れたところでもD=1でD'=0だとして計算できる。
D (ξ + d) = D(ξ) + d * D'(ξ)
D' (ξ + d) = D'(ξ) + d * D"(ξ)
D" (ξ) = f (D'(ξ + d), D(ξ + d))
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/78/b2524aa9ddb6e98eb279015ddfcd4ee7.png)
ということで計算してみたのだが、どうもDの減少の仕方がが思ったより小さい。グラフにするとこうなる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/5a/411086bf16c385985b79db3456eb4f0b.png)
青線がDで赤線が1/ξ^2 。D∝1/ξ^2 だとξが増えるに比例して質量Mが増え続けるということなので、どこかが等温ガス球の境界とは言えないということだよね。
定常状態にある理想気体からなる自己重力等温ガス球というのは星とは言えないのかぁ。
[1] 福江 純・和田桂一・梅村雅之、宇宙流体力学の基礎 (日本評論社、2014)