理乃美

ソフトとハードと論理の覚え書き

Vbe と Ib の実測結果

2020-07-24 23:50:14 | 電子工作

4種類のトランジスタについてVbeとIbの関係を実測した。

実際には、定電流源でベース電流を与え、その時のベース電圧を測定。コレクタはオープンのまま。

調べたのは、2SC1815 (UTC製), 2SD1763, TTC004B, 2SC2837 のそれぞれ1個ずつの4個。左のグラフのY軸はベース電流そのもの。右のグラフは、ベース電流の対数。こうしてみると、電流はおおむね電圧の指数関数になっていることがわかる。(ちなみに、TC004BのIb=0.1mAの値は測定ミスらしいことも見て取れる)

また、同じベース電圧でもトランジスタの種類によってかなりベース電流が異なる。TTC004Bと2SC2837では同じベース電圧でベース電流が8倍くらい違う。ということは、hfe倍したコレクタ電流もそれだけ違うという計算になる。

なぜ、こんな測定をしたのかというと...

次の図はカレントミラー回路。Q1とQ2に同じ種類トランジスタを使うことで右に流れる電流と左に流れる電流が同じになるというもの。では、右と左の電流を違えるにはどうすればよいか?たとえば、Q3とQ4, Q5は同じ種類のトランジスタとして右に2個並列ににすることで、右側の電流を左の2倍になる。他には? そう、Q1とQ2の種類を変えるという手がある。それが、黒田氏のトランスリニアバイアスアンプで初代アンプでは同種のトランジスタを使っていたものをトランジスタ技術 2019年5月号のアンプではTTC004B/TTA004Bと2SC2837/2SA1186という異種の組み合わせにした理由と理解した。

その実証の為なので、PNPトランジスタの場合、ベースとコレクタを接続した状態で調べてみたかったところだが、手持ちの電流源がMAX 100mAだったことと、大電流の場合に自己発熱でチップ温度が上がる影響も重なって何を計測しているのかわからなくなる可能性もある、ということで ベース電流とベース電圧の関係だけを実測してみた。

コメント
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