komaの こまごまひとりごと

気が向いたときに更新しています。ただいま「歌の力」カテゴリ工事中。すみません。

「軽井沢シンドローム」たがみよしひさ

2016年10月05日 | イラストなどなど

               


「軽井沢シンドローム」たがみよしひさ(ビッグコミックスピリッツ 1981年1月号~1985年18号)


 掲載雑誌が明らかに男性向けで、ストーリーもそのイメージを裏切らず、なんかもう男性の夢を実現してるかのような(笑)。
 にもかかわらず。当時いたいけな高校3年生だった私でも、平気で読めたという不思議。
 しかもほかの女性読者たちにも、とても人気があったと記憶しています。
 かなりアクが強いとは思うので、好き嫌いは分かれるかもしれないんですが、クラスメイトに貸したところ拒否反応を示した子は1人だけでした。
 ・・・って、こんなのを学校に持っていったんかい、私!?(一応お嬢さん女子校)


               


 はい、中表紙もどうぞ。ちなみに先に挙げた表紙の男性は、まんなかのグリーン頭と同一人物です。右側の人は彼の恋人。
 しかしよく見ると、なんてことしてんでしょうね。このブログでこんなの出すのは初めてだわ・・・。

 とにかくこんな感じで、八頭身のシリアスな絵と三頭身(左の人なんか二頭身ですらない)のコメディな絵とが、共存している作品です。
 シリアスな絵は本当にかっこよく、コメディな絵は本当にかわいい。画力の高いふたつの絵柄が、同じページの中にぎゅうぎゅう詰まっている。
 普通ならありえないと思うのに、たがみよしひささんの手にかかるとマジックみたいにオールオッケー。
 そしてこの絵柄で展開されるストーリーをご紹介すると・・・。


 フリーカメラマンの耕平ちゃんが、軽井沢に帰ってくる。そこには昔から彼に恋する薫さん(真面目で実直なタイプ)がいて、ふたりはすぐに恋人同士に。しかしその後にやってきたノン(かっこいいお姉さんタイプ)も彼に傾き、すぐに愛人関係に。その後やってきたまなみちゃん(しっとりタイプ)も愛人関係に。そのほか行く先々に「耕平ちゃんならいいわ」みたいな美女が何人も。それらをすべて薫さんは黙認。耕平ちゃんの暴走族時代の後輩である二郎は、絵里ちゃん(童顔タイプ)をひっかけるが本命はみるく(いいオンナタイプ)だった。薫の弟の純生くんは最初みるくと、次にまなみとつきあうけど、みるくの本命は二郎、まなみの本命は耕平だったため失恋、でも絵里ちゃんは純生のことが好きになって・・・。


 こ、こ、こーんなストーリーが、たがみさんの手にかかるとマジックみたいにオールオッケー・・・。
 なんで?? こんなストーリーなのにいいい。

 出てくる女性陣が「男性側から見て都合のいい女」でおわらず、ちゃんと個性的に描かれてるんですよね。
 少女マンガにも、美男子に囲まれるヒロインの図がよく出てくるけど、違いは異性の描き方でしょう。
 それと、ときどきすごく印象的な台詞があって。
「俺はみんなのことを抱きたいけど、抱かれたいのは薫だけ」という、いまだに覚えている耕平ちゃんの名台詞には、なんだかとても納得できました。
 ただし、こんな台詞をヘタなマンガ家さんが使おうもんなら、勝手なこと抜かすな~!ってなるのは当然です。 
 たがみマジックだからできるんです。


 そういうわけで。
 同じ話を別の人が描いたら絶対にこうはならない、というか、この話はこの人にしか描けない。
 そう思わせてくれるマンガの典型的な例として、とても心に残っているのが、この作品です。

 たがみさんのほかの作品では「我が名は狼(うるふ)」というのも1巻だけ持っていて、そっちも思い切り女好きな主役でした(笑)。
 でも途中から編集部の意向なのかテイストが変わってきたので、読むのをやめちゃって。
 軽シンも長期連載だったから、あとのほうはちょっと変わってきちゃったかな。
 残念ながら未読ですが、シリアス路線のSF作品もあって評価が高いみたいなので、いまからでも読んでみたいなあ。

 

                つづきます
 

 ☆右サイドバーの猫ちゃんボタンで
   お知らせクリックよろしくお願いします☆
     

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「へ・へ・への方程式」笈川... | トップ | 雑談その2 短編のススメ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

イラストなどなど」カテゴリの最新記事