山行先や旅先で出会った植物

岡山県外での山行先や旅先で出会った植物の覚え書きです。

北海道道東6日目(2010年6月29日)

2010年06月29日 22時10分42秒 | Weblog
16時40分に釧路空港を飛び,羽田空港経由で21時55分に帰宅しました。
今日の道東太平洋側は概ね薄い霧か曇り空で,朝の気温は12度ぐらい,やや肌寒く感じました。
根室市に宿を取ったのは道東ならでは植物をお手軽に見るためです。
朝4時に起床して行きつけの場所を巡りました。
 
宿を出発してじきに野生のタンチョウが出迎えてくれました。
何かエサを食べていましたが,しばらく見ていると2羽が数回鳴き交わしました。

 
海岸のがけにはいろいろな植物が生えていました。
 
探し物のネムロシオガマ(ゴマノハグサ科)。
3度目にしてやっと出会えました。
結局この日は別の場所でも数株見ることができました。
 
北海道最東端の納沙布岬です。
霧がかかっていたため北方領土は見えませんでした。
 
3度目の北方原生花園です。
今まではたいしたことはないと思っていましたが,今日は違いました。
一面ヒオウギアヤメの大群落でした。
 
フタマタイチゲ(キンポウゲ科)も生えていました。
北海道各地にあるようですが,出会えると何となくうれしくなります。
 
朝食後,釧路に向けて移動開始です。
最初に寄ったのは,落石岬です。
日本で唯一のサカイツツジの自生地ですが,花が終わっていたためどれがそれか分からず。
広大な高層湿原にアカエゾマツの低木~亜高木林があり,その付近にあるらしいのですが。
2000年6月16日に寄ったときはまだ花が残っていてすぐに分かったので特徴を予習していかなかったのが敗因です。
それにしてもこんなマイナーな場所に朝から2人も見学にやってきました。
 
サカイツツジは見つけられませんでしたが,エゾゴゼンタチバナ(ミズキ科)が生えていました。
予期せぬ出会いはうれしいものです。
 
湿原の木道を延々と歩いたのちに落石岬灯台に到着しました。
ここまで来るのは初めてです。
エゾシカ1頭が遠くでエサを食べていました。
 
浜中町の霧多布湿原です。
湿原全体がワタスゲ(カヤツリグサ科)の実で白く見えています。
これほどの群落を見たのは初めてです。


湿原内を歩ける場所を知らなかったので,これまでは素通りをして琵琶瀬展望台から眺めるだけだした。
湿原の西端に湿原センターがあるのを知り,そこへ寄ったらちょうどツアーバスが来て,湿原への歩道を案内してくれました。
 
木道沿いにはクシロハナシノブ(ハナシノブ科)がちょうど花盛りでした。
 
今日最後に寄ったのは釧路湿原です。
ここも湿原内を歩ける場所を知らなかったので,いつもは違う場所で植物を見ていたのですが,湿原内に木道がある場所がわかったので寄ってみることにしました。
本当は,最終日はここがメインの観察場所だったのですが,落石岬で思わず時間をとられてしまい,レンタカーの返車時間を気にしながら,駆け足で木道を歩くことになってしまいました。
 
釧路湿原に咲いていたヒメカイウ(サトイモ科)です。
本州には岩手県の焼石岳付近にあるだけだと思いますが,釧路湿原には広く生えているようです。
 
今回見た植物,景観,食事ほかは,時間に余裕ができたときにどこかのサーバにアップするつもりです。
 
トラブルらしいトラブルは,知床連山を縦走したとき,半袖だったたため日焼け(荷物を減らすため日焼け止めクリームを置いていったのが失敗)とヤブこぎ(暑かったので半袖にしたのが失敗,ハイマツのヤブこぎを想定せず)で腕を痛めてしまい,そのあとの露天風呂巡りでは腕を湯につけられなかったこと,ストックをハイマツの枝に取られて破損したこと,最終日の宿でひげそりの刃で指先を少し切ったこと,ぐらいかな。
 
6日間北海道にいて,結局知床連山を縦走した日が一番の上天気でした。
択捉島には見に行けないので,シレトコスミレを見るには知床連山を縦走していくか,7年後に知床林道の工事が終わって硫黄山登山口から日帰り強行軍で見に行くしかありません。
今回はシレトコスミレを見るのが最大の目的でしたので,この上ない山行になりました。
山の上では2晩ひとりぼっちでしたが,携帯メールが使えるポイントがあったのでとても心強かったです。
縦走路は不明な箇所が少なからずありますので,ガスっているときには決して縦走しないことです。

北海道道東6日間の食事はこちら

北海道道東5日目(2010年6月28日)

2010年06月28日 22時19分15秒 | Weblog
Sent: Monday, June 28, 2010 10:05 AM
Subject: 斜里岳山頂にて

今日は知床連山の予備日にしていたのですが、順調に予定をこなせたので、斜里岳にも登らなくてはならなくなりました。
連日の山登りと昨晩ご馳走を食べ過ぎたのとで体が重いのですが、なんとか登り切りました。
少しモヤっているものの、快晴、しかしとにかく暑いです。

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Sent: Monday, June 28, 2010 10:19 PM
Subject: 北海道5日目斜里岳から根室市へ移動

外は霧が出ています。

斜里岳は百名山のひとつで,平日の今日も5人ぐらいと会いました。
数年前に一度登っているので勝手はわかっているつもりでしたが,旧道の沢は水量がやや多めで,何度も沢を飛び石伝いに渡り,滝を高巻きし,スノーブリッジを恐る恐る渡り,水しぶきを浴びながら岩をよじ登り,最後はかんかん照りの急坂を足を取られながら登りと,やっとの思いで山頂に立つことができました。

斜里岳旧道羽衣の滝を高巻く。


斜里岳旧道に残る残雪スノーブリッジを恐る恐る渡る。


斜里岳旧道8合目水しぶきを浴びながら沢登り。


斜里岳最後のひと登り。


熊見峠尾根から見た斜里岳。


下山時に車で林道を走っていたら,キタキツネが歩いてきました。


以前はエゾシカより多く見かけていましたが,最近はエゾシカを見ることが非常に多くなりました。
とはいえ,今日は全部で3頭のキタキツネを見ました。
ちなみにエゾシカは数頭を知床で見ました。

エゾスカシユリと斜里岳。


斜里岳を下山後,野付半島のトドワラに寄り,根室市まで移動しました。
トドワラは観光客が多いので1976年以来,そばを通っても寄らずじまいだったのですが,今日は遅い時間帯ということもあって思い切って寄ってみることにしました。
案の定,観光客は多かったのですが,帰る方向が多く,海霧にかすむトドワラ自体はひとりでゆっくり見ることができました。




付近にはたぶんエゾタンポポだと思うのですがいっぱいありました。
北海道はセイヨウタンポポに席巻された感があるのですが,ここではセイヨウタンポポはごくわずかで,ほとんどはこのタンポポでした。


風蓮湖のそばを走る国道244号で楽しみにしているのが,ヤウシュベツ川に架かる万年橋からの眺めです。
人工護岸のない,自然そのままの川の流れが見られます。

北海道道東4日目(2010年6月27日)

2010年06月27日 21時16分31秒 | Weblog
Sent: Sunday, June 27, 2010 8:02 AM
Subject: 羅臼岳山頂にて

知床連山の最高峰、日本百名山のひとつ、羅臼岳山頂です。


薄曇りながらよい天気です。
昨日歩いた知床連山がよく見えます。


国後島はぼんやりと見えています。
昨晩は満天の星空でした。


マイナス6度まで耐えられる寝袋を準備してきたのですが、暑くてサイドジッパーを少し開けて寝ました。
今、40数時間ぶりにヒトに会いました。

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Sent: Sunday, June 27, 2010 9:16 PM
Subject: 羅臼岳を無事下山,その後

午前4時14分の羅臼岳。


羅臼岳山頂で43時間ぶりにヒトを見ました。
13時40分,羅臼岳を無事下山しました。

早く下山できたので,前々から気になっていた知床半島の道道の終点を見に行きました。
終点とは書いていましたが,そこから先に海岸の砂利道を走る道が付いていました。




もうひとつ前々から気になっていた,無料の露天風呂巡りもしました。
全部で4つ入りました。
まず,岩尾別温泉の滝見の湯。


次に,羅臼町の相泊温泉。


続いて,瀬石温泉。


最後に,多くの人で賑わっていた熊の湯。




北海道道東3日目(2010年6月26日)

2010年06月26日 19時24分38秒 | Weblog
Sent: Saturday, June 26, 2010 6:15 AM
Subject: サシルイ岳登山中
ここからは電波が通じます。
快晴です。
結局ひとりぼっちで夜を明かしました。
ホイッスルは急遽買い込みましたが、もっぱら小型の鐘に頼っています。

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Sent: Saturday, June 26, 2010 7:34 AM
Subject: オッカバケ岳肩
チャチャ岳が見えます。
まだ熊の餌になっていません。

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Sent: Saturday, June 26, 2010 3:01 PM
Subject: サシルイ岳肩(帰路)
山頂付近だけガスっていますが、雨の心配はありません。
あと30分で今朝のテン場、その後40分程で今宵の泊まり場、羅臼平です。
今日見たもの。
朝2時半から明るくなる空、必要最低限の道しるべ、連山の左右に広がる海、登山道か踏みあとかわからない道に被いかぶさるハイマツ、コマクサ、そしてシレトコスミレ。
今日見ていないもの。
ヒト。

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Sent: Thursday, July 01, 2010 11:16 PM
Subject: 北海道3日目シレトコスミレの自生地へ
午前3時55分,三ツ峰に朝の陽が当たるようになりました。
 

三ツ峰キャンプ地(写真中央の小さい雪渓脇)を出発して最初のピーク,サシルイ岳から見た羅臼岳(奥)と三ツ峰。 


サシルイ岳から見た硫黄山(奥左端)から知円別岳(奥右より)の山並みとオッカバケ岳(硫黄山の手前に見えている低いピーク)。


サシルイ岳下りの長大な雪渓を下りきったところの小川,ではなくてこれでも登山道。 
 

サシルイ岳とオッカバケ岳との間の湿地。
木道がないので植物を踏みつけながら歩くことになります。


この日二つ目のピーク,オッカバケ岳から見たサシルイ岳。
中央の長大な雪渓を下って,沢のような登山道をくぐりぬけて,湿地を歩いてここまでたどり着きました。

 
オッカバケ岳から見た硫黄山の山並み。
目的地は右端の知円別岳です。
だいぶ近づいてきましたが,もうひとつ南岳のピークを越えなければいけません。
手前は二ツ池(左:天の池,右:地の池),地の池の左岸に二ツ池キャンプ地があります。
 

地の池の縁の登山道は水没していました。
 

天の池の雪融け水で,川と化した登山道。
 

南岳に続く稜線から見た硫黄山の山並み。


眺めを楽しむ余裕もつかの間,背丈を越えるハイマツのヤブこぎが始まりました。
写真中央が登山道です。
完全にハイマツが上を覆っています。
 

時折現れる湿地にはエゾコザクラの群落が。
息抜きのひとときです。
しかし,エゾシカの足跡があちこちについています。

 
そして,とうとうシレトコスミレに感激の対面。












越えてきたピークを帰りにまた全部越え,やっとの思いで出発地点の三ツ峰キャンプ地までたどり着きました。
1リットルの水では足らなくなり,雪渓の雪を食べて渇きをいやしました。
ココアとカップを持ってきていれば,かき氷のようにして食べられたのにと悔やみました。
 
熊に荷物を持っていかれないよう,三ツ峰キャンプ地のフードロッカーに荷物一式を入れさせてもらっていました。


日中は人の多い羅臼平,しかも土曜日の晩,だれかがいることを信じて,三ツ峰キャンプ地で3リットルの雪融け水を補給し,羅臼平キャンプ地まで移動しました。
が,結局だれもいなくて2晩目のひとりぼっちの夜を過ごすことに。


そして19時過ぎ,夕日が沈んでいきました。




北海道道東2日目(2010年6月25日)

2010年06月25日 19時39分43秒 | Weblog
Sent: Friday, June 25, 2010 12:39 PM
Subject: 知床三ツ峰にて

キバナシャクナゲの薄クリーム色の花に囲まれています。
少しガスがかかっていますが、雨の心配はありません。

今日見たもの。
サルメンエビネ、ギンリョウソウ、サンカヨウ、急な雪渓、エゾコザクラ、エゾノツガザクラ、メアカンフスマ、メアカンキンバイ、羅臼岳山頂、国後島、エゾシカ十以上、そしてヒグマの親子三頭。

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Sent: Wednesday, June 30, 2010 11:40 PM

羅臼岳登山口のあるホテル地の涯の下手400~500m地点の車道沿いでヒグマの親子3頭に遭遇。
威嚇のためか周りを見渡すためか,子熊が立ち上がりました。
「さすが知床!」と妙なことで感心してしまいました。


登り始めてまもなく,針広混交林内で2株見つけたサルメンエビネ(ラン科)。
こうゆうのに出会えると,がぜん元気が出ます。
 

羅臼平までの間に2か所ある水場のひとつ,「弥三吉水」。
知床の水場の多くが雪渓からの雪解け水を利用し,煮沸しての飲用を余儀なくされているのに対し,ここは湧き水のためそのまま飲むことができます。
 
 
銀冷水の水場を過ぎると大沢の雪渓を登るようになります。
今年は残雪が多く,アイゼンをつけていても怖いぐらいの傾斜がありました。
事前に知床自然センターに尋ねたところ,アイゼン持参を勧められました。
 
 
大沢の雪渓を登り切ると羅臼平の広いハイマツ林に変わります。
その間を埋めるようにキバナシャクナゲの群落があちこちにありました。
 
羅臼平をはさんで斜里町側はガスが巻いていましたが,羅臼町側は良い天気でした。
国後島も目と鼻の先に見えます。
 
 
三ツ峰鞍部に咲き始めていたメアカンフスマ(ナデシコ科)。
雌阿寒岳と知床半島の固有種です。
翌日にまったく同じ場所を歩きましたが,もっといっぱい咲いていました。
 
 
午後になり,羅臼岳がしだいに全貌を見せるようになってきました。
 
 
三ツ峰鞍部付近から見たサシルイ岳。
写真中央の小さな雪渓脇がこの日の泊まり場,「三ツ峰キャンプ地」。
 
 
キャンプ地から見た三ツ峰。
 
 
テントを張った場所から50mほど離れた所にあるフードロッカー。
食糧や残飯はこの丈夫な金属のロッカーに入れて保管し,テントに熊を近づけないようにします。
 
 
19時過ぎ,オホーツク海に夕日が沈みました。
陸地の上端中央部に白くポチッと見えているのは知床五湖。




北海道道東1日目(2010年6月24日)

2010年06月24日 21時05分58秒 | Weblog

世界自然遺産登録5周年を迎えた知床にいます。
今は小雨が降っています。

梅雨のため,空からの眺めはまったく期待していなかったのですが,天気予報がはずれて,岡山空港から伊豆大島上空まではほぼ快晴の状態でした。
大山,白山,北アルプス(立山,奥穂高岳,槍ヶ岳など),御岳,中央アルプス(宝剣岳,木曽駒ヶ岳など),南アルプス(北岳,間ノ岳,荒川岳,赤石岳など),八ヶ岳,富士山などがよ~く見えました。

大山。

富士山。


羽田空港から宮古市上空もまずまずの天気だったのですが,北海道が近づくにつれて前線の影響で曇り空になってしまいました。
釧路空港からは釧路湿原を遠くに見ながらレンタカーで今夜の宿を目指しました。

阿寒郡鶴居村の温根内ビジターセンターにちょっとだけ寄り道。
カラコギカエデ(カエデ科)。

エゾカンゾウ(ユリ科)。


北海道らしい風景の場所で休憩。

するとセイヨウタンポポ(雑種かも)と,

エゾスカシユリ(ユリ科)が。


途中,コンロのガスボンベを仕入れるため小さなスポーツ店(斜里郡清里町羽衣の太田スポーツ)に寄りました。
飛行機にガスボンベが乗せられないので,毎回ガスボンベの調達が頭痛のタネです。

明日から2泊3日で知床連山の縦走をしてきます。


善通寺市のお寺の植物

2010年06月18日 23時25分39秒 | Weblog
信心深いわけではありませんが,今日は運転手役として四国八十八ヶ所のうち,善通寺市にある五ヶ寺を巡りました。
初めて行くお寺ばかりで,それぞれ個性あるたたずまいを見せていました。

甲山寺(七十四番) 

大きなソテツの根元にはサイゴクベニシダが


善通寺(七十五番)
南大門

本堂    

善通寺境内に2本あるクスノキの大木のひとつ「大楠」 



 「五社明神大楠」






金倉寺(七十六番)
本堂

スモークツリー(ウルシ科)