山行先や旅先で出会った植物

岡山県外での山行先や旅先で出会った植物の覚え書きです。

鹿児島県 屋久島の植物 4日目

2008年02月21日 23時11分04秒 | Weblog

今日も目一杯,屋久島南部を歩き回りました。

最初はわがままを言って,シダが皆無の隆起サンゴ礁の海岸に行ってもらい,前々から気になっていたリンドウ科の植物2種を見てきました。
その結果,石灰岩地の植物かと思っていたのですが,石灰岩とは関係なく,湿った場所周辺に生える植物と分かりました。

海側の低い場所に隆起サンゴ礁が見られる春田浜。


背後の草地にイワタイゲキ。


隆起サンゴ礁上に生えるイソマツ。


同じような環境に生えるイソフサギ。


その後,またシダを求めて,2か所の谷に入りました。
そのうち1か所は一昨年にも訪れましたが,見落としのシダが新たに見つかり,行った甲斐がありました。
最後に寄った谷でとうとう憧れのシダ,キクモバホラゴケに対面することができました。

湿った岩に生えるフササジラン。


やや乾いた斜面をよじ登るとホソバオオカグマが。


最初は小さい株が見つかり,なんだろうかと思いましたが,その後大きな葉が見つかってクサマルハチと判明しました。


同属の3種をまとめて紹介します。葉先のとがり具合や羽片基部の形,葉縁の波打ち具合などが見分けるポイントです。
まず,キノボリシダ。


続いてアツバキノボリシダ。


そして,キレバキノボリシダ。


危なっかしい山道をしばらく進むと林のギャップにユノミネシダが。


そして滑りやすい沢を渡って,とうとう憧れのキクモバホラゴケに対面できました。


同じ岩壁では,オオゴカヨウオウレンが花をさかせていて,写真を撮り,ここでタイムアップとなりました。

途中の山道では,クワイバカンアオイが果実をつけていました。


最後の最後に出会えた屋久島固有種のオオゴカヨウオウレン。


鹿児島県 屋久島の植物 3日目

2008年02月20日 21時18分42秒 | Weblog

今日は屋久島北部の谷に入りました。
今日もまだ熱心なシダ勉強会が続いています。

一昨年訪れた川には,ヤクシマカワゴロモが健在でした。


午前中に立ち寄った場所では,巨大なクワズイモの林に迷い込んでしまいました。


本日初見参となったシダは,シマシロヤマシダ,リュウキュウマメヅタ,タイワンアオネカズラ,ヒモラン,ハンコクシダでした。

岩に着生していたリュウキュウマメヅタ(たぶん)。


フモトシダかと思ったら,珍品のハンコクシダでした。


同じ場所ではアミシダも生えていました。


今日は大木に着生するシダがたくさんあり,その見事さに思わず歓声をあげてしまいました。

イスノキの頭上にアツイタ。


同じイスノキにはタイワンアオネカズラも。


沢沿いの大木にはナンカクラン。


昨日ははるか頭上に着生していたヨウラクヒバが目の前に。


そしてこれ,ヒモラン。


鹿児島県 屋久島の植物 2日目

2008年02月19日 21時53分58秒 | Weblog
まだシダの勉強会がすぐ横で続いています。
今日はたいしたトラブルもなく,順調に屋久島南部の数か所を巡りました。
前々から歩いてみたいと思っていた小杉谷へのトロッコ道を少し歩きました。


また沢水のきれいさにも改めて感激しました。


イスノキの大木に,ヨウラクヒバやナンカクラン,マツバラン,ヒトツバ,タマシダなどが着生していて見事でした。

ちょうど目の高さの倒木にマツバランが着生していました。


環境省版レッドデータブックで絶滅危惧IB類とされているヤクシマカナワラビ。
屋久島2か所目の産地となったらしい場所へ案内してもらいました。


やや乾燥気味ですがヒノキシダが岩上に着生していました。


オオタニワタリが何株も一本の木に着生していて感動ものでした。


方々で見かけた木性シダのヘゴ。


スジヒトツバにもあちこちで出会いました。


花ではタシロルリミノキ,タチツボスミレ,ヒメミヤマスミレ,ツワブキ,ヤクシソウなど,つぼみではシマイズセンリョウ,タブノキなどに出会うことができました。

果実の落ちた跡が白く見えているのかと思ったら花が咲いていました。


マムシグサ。この個体はかなり紫色がかっています。

鹿児島県 屋久島の植物 1日目

2008年02月18日 21時38分02秒 | Weblog

縁があって,約1年ぶりにまた屋久島にやってきました。
前回見残したシダを中心に見て回っています。
すぐそばでは熱心なシダの勉強会が始まっていますが,それとは無関係にその他の植物担当をしています。

今日も前回同様,いろいろなトラブルがありました。
飛行機に乗るときに剪定ばさみを持っていて捕まった人がいました。
シダに見とれて,屋久島の冷たい沢に片足をつっこんだ人がいました。
写真を撮るために岩によじ登ろうとして岩からすべり落ちた人がいました。
道無き沢で迷子になり,しばらく姿を見なかった人がいました。

今は花の一番少ない時期らしく,今日見た花は,沢沿いでサツマイナモリ,ナンゴクウラシマソウぐらい,民宿の空き地でウスベニニガナ,イヌホオズキ,コナスビ,コシロノセンダングサぐらいでした。

でもシダは,ヨウラクヒバ,キノボリシダ,キレバキノボリシダ,シマオオタニワタリ,アシガタシダ,キクシノブなど,屋久島で初めて見るものが結構あったようです。

鹿児島空港から屋久島空港行きの飛行機から見えた桜島。


ヨウラクヒバ(ヒカゲノカズラ科)


アシガタシダ(イノモトソウ科)


キクシノブ(シノブ科)


キレバキノボリシダ(イワデンダ科)


シマオオタニワタリ(チャセンシダ科)


サツマイナモリ(アカネ科)


ナンゴクウラシマソウ(サトイモ科)