山行先や旅先で出会った植物

岡山県外での山行先や旅先で出会った植物の覚え書きです。

中央アルプス 木曽駒ヶ岳周辺の植物

2007年09月26日 21時52分01秒 | Weblog
小雨がぱらついていますが,展望は良好です。
少~しだけ紅葉が始まっていますが,イワツメクサやクロトウヒレンなどの花も咲き残っています。
今,目の前でイワヒバリがえさを探しています。
これから3日間,この近辺を歩き回ります。
(10時24分,木曽駒ヶ岳山頂にて)

(2007年9月24日 記)


中央アルプスの主脈からはずれているため,なかなか来る機会がありませんでしたが,やっと到達することができました。
今はガスがちながら,まずまずの天気です。
山頂を独り占めしています。
ここへ来る前に宝剣岳の山頂にも腰掛けてきました。
とても恐かったです。
(13時24分,三ノ沢岳山頂にて)

御岳の左手に夕日が沈み,背後には中秋の名月が登ってきています。
(17時57分,宝剣山荘にて)

(2007年9月25日 記)


本日は快晴なり。
3~4センチの霜柱がたっています。
主脈からはずれているため,今日も山頂を独り占めしています。
昨日歩いた将棋頭山から宝剣岳,三の沢岳,そして遠く白馬岳,槍,穂高,御岳,八ケ岳など,360度の大展望が広がっています。
天気のせいかどうかわかりませんか,今日はまったく高山病の兆候がありません。
(8時54分,木曽前岳山頂にて)

南アルプス甲斐駒ヶ岳左手からのご来光。
中央右には富士山。


朝には高さ3-4cmの霜柱。


お決まりの宝剣岳と千畳敷カール。
ちょっぴり秋色です。


(2007年9月26日 記)


植物の報告は後日行うとして,その他の話題です。

歩 行ルートは,9月24日が千畳敷~木曽駒ヶ岳~駒飼ノ池~濃ヶ池~西駒山荘(曇り時々小雨),9月25日が西駒山荘~馬の背~宝剣岳~三ノ沢岳~千畳敷~ 宝剣山荘(ガスのち快晴のちガス時々曇り),9月26日が宝剣山荘~木曽駒ヶ岳~木曽前岳~木曽駒ヶ岳巻道2本~木曽駒ヶ岳~千畳敷(快晴)です。
詳しいルート図はこちら


9月24日:稜線ではウラシマツツジの紅葉が見ごろでした。
ほかにもクロマメノキやミヤマホツツジなどの紅葉が始まってました。


9月24日:新田次郎の山岳小説「聖職の碑」で有名になった遭難記念碑(遭難慰霊碑でないところがミソ)。


9月24日:国内89位の標高を誇る将棋頭山にたたずむ西駒山荘。
夕食は名物のカレー,食後カレー皿を2枚のキッチンペーパーで拭くこと,トイレは携帯トイレと,うわさどおりでした。
水場(天命水)は小屋のすぐ下にあり,水が涸れることはないとのこと。
宿泊客は私一人で,あとは管理人の宮下さんと,翌日下山する管理人さんのピンチヒッターの浅井さん。
二人から,親しく山のことや植物のことを教えてもらいました。
中央アルプスでは今年ハイマツのまつぼっくりがほとんど見ないという話をしたら,ホシガラスもさっぱり見ないということをしてくれました。
ハイマツの白骨林のことを尋ねたら,原因は特定できていないけれど蛾の幼虫による食害説や寒波による葉の先枯れ説などがあると教えてくれました。
小屋の年間の利用者数を聞いたら,恥ずかしくて教えられないとのことでした(でも人気の宝剣山荘の2日分とか)。
環境に恵まれた静かでよい山小屋です。
ぜひご利用のほどを。


9月25日:宝剣岳山頂にしゃがみ込んで恐る恐るまわりの写真を撮っていたら,足下に「ブロッケンの妖怪」がいることに気づきました。


9月25日の中秋の名月。
夕日が沈み,反対方向を見やると名月が昇ってきていました。


(2007年9月27日 記)


9月24日~26日に行った中央アルプスの植物と紅葉の報告です。

いつもはきれいな花に気を奪われ,果実の写真をついつい撮り忘れるのですが,今回は一日の歩行距離を短くし,果実の写真を撮るんだと言い聞かせて歩きました。
花があればすぐにその存在に気づくのに,花がなければなかなかその存在に気づきません。

中央アルプス固有種のコケコゴメグサ(名前のとおり微少)を探すのには困難を極めました。
西駒山荘の管理人さんに,小屋のすぐそばにあるのを教えてもらい,やっと目ができたためか,翌々日木曽駒ヶ岳周辺の数カ所でこの植物を見つけることができました。

木曽駒ヶ岳周辺の代表的な景観を紹介します。
何となく色づいています。

濃ヶ池カール。
その左手奥にもカール地形。


木曽駒ヶ岳と中岳鞍部の風衝草原。


中央アルプスの固有種です。

コケコゴメグサ(ゴマノハグサ科)


コマウスユキソウ(キク科)


紅葉した植物です。

イワベンケイ(ベンケイソウ科)


ミヤマダイコンソウ(バラ科=赤色)とハクサンイチゲ(キンポウゲ科=黄色)   


ミヤマホツツジ(ツツジ科)


ウラシマツツジ(ツツジ科)   


クロマメノキ(ツツジ科)


ウラジロナナカマド(バラ科)


中アルプス木曽駒ヶ岳周辺の植物(果実中心)は別サイトにいっぱい載せておきました。

■中央アルプス 千畳敷~木曽駒ヶ岳~西駒山荘の植物はこちら
■中央アルプス 西駒山荘~馬の背~宝剣岳~三ノ沢岳の植物はこちら
■中央アルプス 宝剣山荘~木曽駒ヶ岳~木曽前岳の植物はこちら

(2007年10月19日 記)

鳥取県 大山の植物

2007年09月18日 23時17分32秒 | Weblog
雨には降られませんでしたが,蒸し暑い一日でした。

        標高   時刻
登山口    780   8:58
1合目     870   9:36
2合目     980   9:59
3合目    1080  10:23
4合目    1170  10:38
5合目    1240  11:11
6合目    1350  11:37
7合目    1440  12:39
8合目    1580  13:06
9合目    1640  13:25
 頂上    1700  13:44

大山頂上から縦走路方向を見ると


6合目から大山北壁を見ると


登山道沿いには次のような植物が見られました。

ジャコウソウ(シソ科)


タンナトリカブト(キンポウゲ科)    


キュウシュウコゴメグサ(ゴマノハグサ科)


シコクフウロ(フウロソウ科)    


サワフタギ(ハイノキ科)


フウリンウメモドキ(モチノキ科)    


ヤマシャクヤク(ボタン科)


キャラボク(イチイ科)



八ヶ岳の植物

2007年09月13日 21時27分46秒 | Weblog
こんばんは,八ケ岳山麓にいる狩山です。

北岳を下山し,仙丈が岳に登る予定だったのですが,北沢峠へのバスが土砂崩れのため運休なのと,南アルプス方面の天気がしばらくすっきりしない予報なのとで,急に思い立って,八ケ岳に登ることにしました。
ところがさっきから雨が降り始め,今は大雨になっています。
八ケ岳では赤岳鉱泉付近に生えるオノエリンドウを見たいのですが,雨が降ると花が開かないので見つけられないかもしれません。
それよりも何よりも,大雨のため歩けるかどうかが一番の問題です。

(2007年9月11日 記)


狩山@赤岳展望荘です。

11時ごろに雨が止み,今は上天気です。
探していたオノエリンドウは見つかりませんでしたが,30年来探していたヒナリンドウを見つけました。(花はとうに終わっていますが)
もういつ下山してもいい気分です。
デジカメも携帯も電池が残り少なくなってきました。では。

(2007年9月12日 記)


赤岳天望荘にて:朝日を浴びて,富士山が少し赤くなりました。


赤岳山頂にて:薄曇りながら横岳から蓼科山までよく見えています。


南沢沿いの登山道にて:前日の雨で針葉樹林内のコケがきれい。


(2007年9月13日 記)


9月12日16時19分に八ヶ岳の横岳で写したホシガラス。
ハイマツからハイマツに飛び回っていました。


9月12日16時56分に八ヶ岳の横岳で写したエゾゼミ。
標高2700mの稜線の岩にとまっていました。


9月13日8時17分に八ヶ岳の中岳で撮影したハイマツの食べかす。
きっとホシガラスのエサになったのでしょう。
食べ残しの種子がいくらか残っていました。
ハイマツはこうして分布を広げているのでしょう。


9月13日8時28分に八ヶ岳の中岳で撮影したニホンジカです。
全部で4頭いました。
標高2500m付近(つまり高山帯下部)にいました。
ここに限らず八ヶ岳や北岳のいたるところで高山植物がシカの食害にあっていました。


写真には撮れませんでしたが,9月13日13時49分には八ヶ岳の美濃戸口でニホンリスを見ました。

(2007年9月15日 記)


今回歩いたルート図です。


9月12日 美濃戸口(1490m)~赤岳鉱泉~行者小屋~赤岳天望荘~横岳(2829m)~赤岳天望荘(2710m)
9月13日 赤岳天望荘(2710m)~赤岳(2899m)~中岳(2700m)~行者小屋~美濃戸口(1490m)

宿泊した山小屋です。

9月12日 赤岳天望荘(昔は赤岳石室と言っていた。風力発電)
写 真を撮影した時は風があまり吹いていませんでしたが,赤岳天望荘のご主人の話では風が下から吹き上げてくるということでした(風力発電をされているのに発 電効率が悪い(全発電量の2~3割)という話から,風が横から吹かずに下から吹き上げてくるということを教えてもらいました)。


(2007年9月16日 記)


9月12日~13日に登った八ヶ岳の植物を紹介します。

八ヶ岳で高山植物が面白いのは,横岳一帯です。
小さなアップダウンを,鎖やはしごを使って乗り越えていきますが,悪場が多いので緊張の連続です。
そのような場所ですので,ゆっくりまわりの様子を見るわけにもいかず,見落としている植物がたくさんあるものと思っています。
今回,30年目にしてやっと見つけたヒナリンドウも,これまでたびたび通ったことのある登山道脇にありました。
茎が少し黄変していたため,目にとまりました。

横岳の悪場


八ヶ岳の主峰,赤岳(2899m)


八ヶ岳を代表する植物のいくつかを紹介します。

フジアザミ(キク科)


チョウノスケソウ(バラ科)の果実   


タカネツメクサ(ナデシコ科)の果実


ミヤマツメクサ(ナデシコ科)の果実   


ウルップソウ(ゴマノハグサ科)の果実


ヤツガタケキスミレ(スミレ科)の果実   


コマクサ(ケシ科)の果実


ヒナリンドウ(リンドウ科)の果実


八ヶ岳の秋の植物は別サイトにいっぱい載せておきました。

■八ヶ岳 美濃戸口~赤岳鉱泉~行者小屋~横岳の植物はこちら
■八ヶ岳 赤岳天望荘~赤岳~中岳~行者小屋~美濃戸口の植物はこちら

(2007年10月5日 記)

南アルプス 北岳の植物

2007年09月11日 19時54分09秒 | Weblog
今はガスってきましたが,さきほどまでは青空が西半分だけに見えていました。(北岳山頂にて,13時18分)

(2007年9月10日 記)


植物の報告は後日するとして,まずは外堀から。

今回はいろいろな動物を目にすることができました。

まず,9月10日14時25分に北岳で撮影したライチョウ。
3羽が登山道を先に先に逃げていきました。
どれかが雌親なのでしょうが大きさは3羽ともほぼ同じでした。


(2007年9月15日 記)


本格的な山登りを初めてから30年ほどになりますが,実は今回の北岳がもっともひどい高山病になりました。
前回の白馬岳同様,頭痛と吐き気と息苦しさに加え,体の火照り,手のむくみなどが出ました。
こ れまでは北岳の登山口から山頂直下の山小屋まで標高差1500mを一気に登っていたのを,今回は途中の山小屋で一泊して体を慣らし,水分と「食べる酸素」 を適宜摂り,上の小屋に着いてからもすぐに昼寝をすることなく付近を散策し(寝ると呼吸量が減り酸素摂取量が減る),万全を期したはずなのですが。

(2007年9月15日 記)


今回歩いたルート図です。


9月9日 広河原(標高1520m)~大樺沢~白根御池小屋(2230m)
9月10日 白根御池小屋(2230m)~肩ノ小屋~北岳(3192m)~北岳山荘(2880m)
9月11日 北岳山荘(2880m)~吊り尾根(3000m)~八本歯ノコル~大樺沢~広河原(1520m)

宿泊した山小屋です。
9月9日 白根御池小屋(去年立て替えられたばかり。ソーラー発電)


9月10日 北岳山荘(奥の大きな建物=黒川紀章氏設計)


(2007年9月16日 記) 


9月9日~11日に登った南アルプス北岳(3193m)の植物を紹介します。

北岳は山頂付近の一部に石灰岩地があり,そこに北岳ならでは高山植物が集中して生えています。
「キタダケ・・・」と名付けられた植物の多くもここで見ることができます。
ごく狭い範囲ですので,ふつうの人だったら5分もあれば通過してしまいそうな場所ですが,私は1時間以上たっぷり遊べます。
9月10日前後という時期ですので花の最盛期は過ぎていますが,秋咲きのリンドウ類などはちょうど良い時期でした。
雪渓が遅くまで残る大樺沢では夏の花もたくさん見られました。

北岳山荘付近から北岳山頂を望む。


石灰岩地(岩が白い場所)のお花畑。


北岳を代表する植物のいくつかを紹介します。

タカネグンナイフウロ(フウロソウ科)


タカネマンテマ(ナデシコ科)   


ヒメセンブリ(リンドウ科)


キタダケキンポウゲ(キンポウゲ科)の果実   


サンプクリンドウ(リンドウ科)


キタダケソウ(キンポウゲ科)の果実   


アカイシリンドウ(リンドウ科)


キタダケヨモギ(キク科)   


キタダケトリカブト(キンポウゲ科)


ミヤマハナシノブ(ハナシノブ科)


北岳の秋の植物は別サイトにいっぱい載せておきました。

■南アルプス北岳 広河原~二俣~白根御池小屋の植物はこちら
■南アルプス北岳 白根御池小屋~草すべり~北岳~北岳山荘の植物はこちら
■南アルプス北岳 北岳山荘~八本歯ノコル~二俣~広河原の植物はこちら

(2007年10月3日 記)