心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

八ヶ岳南部の山々へ(3) 編笠山から権現岳へ

2020年03月25日 | 八ヶ岳


西岳(2,398m)・編笠山(2,524m)・権現岳(2,715m) (つづき)


 編笠山から青年小屋まで戻り、今度は権現岳を目指します。
 青年小屋からは、双耳峰の権現岳を見上げることができます。左右ある頂上の、右側が最高点です。
 「権現」を辞書で調べてみると、「1:仏や菩薩が日本の神に姿を変えてかりにあらわれ(ること/たもの)。」とありました(『三省堂国語辞典』(第七版))。『日本山名事典』(三省堂)を引くと、権現岳や権現山など、「権現」から始まる項目が100以上も載っています。
 青年小屋から50分ほど登り、来た方角を振り返ると、登ったばかりの編笠山がとても滑らかなのに驚きました。
 稜線がまるで楕円か二次関数のような軌跡を描き、それが南アルプスと数学の教科書に出てくるグラフのように一点で接しています。
 これほど単純な、人工的といってもいいくらいの曲線から、かえって自然を感じるのだから不思議です。まさに、山の中の山という姿をしていました。
 
 「 列車が釜無の谷から離れてしだいに信州に近づくと、広大で優美な裾野を広げた八ヶ岳が目に入ってくる。私はその度に八ヶ岳はいい山だ、優美で豪快な山だと改めて思いを新たにする。「信州に帰って来た」と思う。 」
 (手塚宗求『諸国名峰恋慕 三十九座の愛しき山々』(山と渓谷社))
 山に登って見下ろした、信州の入り口の風景は、とてもユニークなものでした。
 八ヶ岳連峰の南端の山が、他の山ではなく編笠山なのは天の配剤です。もし端ではなく真中なら、これと同じ風景を見ることはできないからです。





 (登頂:2012年10月中旬) (つづく) 



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