心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

南アルプス 北岳・間ノ岳(3) 富士山の次に高い山の頂上へ

2017年10月19日 | 中央アルプス・南アルプス


北岳(3,193m)・間ノ岳(3,190m) (つづき)


 吊尾根分岐まで来て、もうすぐだと思った頂上は、登ってみると遠く感じました。山頂だと思っていた場所が山頂ではなく、奥の方にもっと高い場所があったというのが、2回続きました。そして、まるで自分たちが北岳の頂上に着くのを見計らったのように、一面ガスに覆われてしまいました。青空から写真のようになるまで、あっという間でした。
 しかし、広河原の登山口から1,600mを超える標高差を一日で登って、ここまでやってきた充実感は素晴らしかったと思います。

 三角点の標石は、11年前の2006年7月に交換され、「北岳山頂に百余年間置かれていた」旧標石は、南アルプス芦安山岳館に保管されているとあります。

 「 そんなに古くから名の聞えた山であり、わが国第二の高峰でありながら、あまり人に知られていないのは、一つにはこの山が謙虚だからである。どうだおれは、といったような、抜きんでて人の眼を惹こうとするところがない。奇矯な形態で、その存在を誇ろうとするところもない。それでいて高い気品をそなえている。 」(深田久弥『日本百名山』(新潮社))


 仙丈ヶ岳から富士山・北岳


 鳳凰山から農鳥岳・間ノ岳・北岳

 北岳はとても高い山なので、遠くからでもよく見えるはずですが、遠くから”北岳が見えた!”となることはとても少ないです。一番北岳を眺めるのにふさわしいと思う頂上は仙丈ヶ岳です。富士山と北岳がまっすぐに並び、富士の東から太陽が昇るのを見ることができるからです。確かに北岳は、あまり特徴のない山容をしていたと思います。また、鳳凰山から北岳と間ノ岳を見た時は、南北の方向に雲のように流れていく姿でしたが、こんなに大きな山だとは、想像もつきませんでした。


 北岳の大きさは登ってみないと全く分からないものだと思います。山の終わりはどの地点か分からないほど、果てしない大きさです。日本で最も高い富士山が眺めてよい山なら、次に高い北岳は登ってよさの分かる山です。

 眺望がなかったとはいえ、頂上に立っていることそのものの楽しさを20分ほど味わい、北岳山荘へ下りました。雲の切れ間から姿を見せた山小屋まではやはり遠かったです。暑かった大樺沢が嘘のように、稜線は冷え込んでいました。


 (登頂:2017年9月下旬) (つづく)



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