心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

南アルプス・仙丈ヶ岳(1) 初めての日本アルプス登山

2016年04月01日 | 中央アルプス・南アルプス


仙丈ヶ岳(3,033m)

 登山を初めてから4年半になり、その間100をこえる山々へ登りました。「初めての登山はここです。」というのは、誰でもいつまでも変わることはありません。僕の場合、初めて登った日本アルプスは仙丈ヶ岳で、初めての3,000m峰もまた仙丈ヶ岳です。それどころか、仙丈ヶ岳よりも前に自分の足で登った山といったら筑波山か、中学の遠足で登った六甲山くらいしかありませんでした。これから何回北アルプス・南アルプスの山に登っても、「初めて登った日本アルプスは仙丈ヶ岳です」と一生言い続けることができるので、とてもよかったと思っています。好きな山を10挙げるとするなら絶対入れたい山です。


 甲府駅を朝4時発の広河原行きバスに乗り、さらにマイクロバスに乗り継いで、7時過ぎに登山口の北沢峠に着きました。
 広河原も北沢峠も街があるわけではなく、乗っているのは登山客だけです。広河原行きのバスは、全員座ることができるよう増車され、路線バス3台を連ねて山中を走っていました。壁がデコボコだらけの豪快なトンネルも通りました。
 仙丈ヶ岳へは、最初樹林帯を登っていきます。霧がかった空気がすがすがしいです。曇っていても樹の幹に明るさがあります。ところどころ豪快な切り株や倒木があって驚きました。そして時々陽がさすので、もしかしたら天気予報は間違いだったのかなという期待がふくらみます。この日は曇りで一時雨ということだったからです。


 しかし間違いではなく、時間がたつほど雲は厚くなってくるようでした。樹林帯が終わって稜線まで出ても、遠くの景色は何も見えませんでした。滑りやすい岩の道が1か所あったことしか覚えていません。
 雨と風の中仙丈小屋へたどりつきました。
 小屋の中にいるから安心ですが、どんどん天気が悪くなってきました。日帰りの予定だったのを泊まりに変更した人もいたようでした。夜になると雨が激しく屋根を叩きつけ、不安になるほどの大きな音をたてていました。夕食の時、毎年富士山に御殿場ルート(富士登山のルートでは一番大変なルート)から登っているという人と話をしました。小屋の主人が、2階にかけられたハシゴを一段抜かしで駈け下りて行くのを見ると、何だかこの人はただの人ではないように思えてきました。



 (登頂:2011年9月中旬) (つづく)



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