月山(1,984m)
月山とは、”月夜が似合う山”から名付けられたのでしょうか?
松尾芭蕉は、「おくのほそ道」の道中次の句を残しました。
雲の峰 いくつ崩れて 月の山
芭蕉が月山へ登ったのは、文中には(6月)「八日」とあります。これは旧暦で、今の暦では7月24日にあたります。しかしここは山形県、現代の7月下旬よりは寒かったのか、雪の中を歩いたとの記述があります。
息絶え身凍えて、頂上に至れば、日没して月顕る。
ここだけ何回読んでも、身の引き締まる思いがします。おくのほそ道はただの紀行文ではありません。道中の大変さがしのばれますが、芭蕉が書くとすべての経験が緊張感に置き換わってしまうところが凄いと思います。
芭蕉は陽が落ちて月夜の中をひたすら登ったのでしょうか、山頂での一晩を月夜の中過ごしたのでしょうか?もし満月の明るい光が、この山を余すことなく照らし出したら、想像もつかない世界が広がるでしょう。
(登頂:2014年8月中旬)