心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

阿蘇五岳登山(1) 根子岳

2019年11月09日 | 中国・四国・九州の山


阿蘇山・根子岳(東峰(1,408m))

 阿蘇山は日本を代表する火山のひとつです。阿蘇山を近くで眺めると、高いのではなく横に長く続いていることに驚きます。
 阿蘇山を横から眺めると、お釈迦様が寝ているように見えるといわれます。
 2018年のゴールデンウィーク、泊まったホテルからJR阿蘇駅まで送迎の途中、横長の阿蘇山を撮影できるスポットを教えてもらいました。電線が入ってしまうのが惜しいが、電線が入らない場所は麓ではなかなかないとのことでした。
 その、お釈迦様の顔にあたるのが根子岳です。


 南阿蘇鉄道の終点高森駅

 さて、前年2017年のゴールデンウィークには根子岳に登りました。
 この時は火口規制の影響で、阿蘇五岳のうち登れるのは、一番東にそびえる根子岳だけだったのです。
 南阿蘇鉄道の高森駅からタクシーで、前原牧場の先にある登山口まで送ってもらいました。仮設小屋と小さなショベルカーのある登山口からしばらく登ると、ものすごい急坂で土は滑りやすいうえ、鎖もありません。古いロープや、時には木の枝を頼りに何とか登りました。天気も悪く、危なかったこと以外に覚えていることがありません。
 「危険」という小さな立て札がありました。ここの立て札に書いてあることは本当だと思いました。
 狭い岩の尾根を経ると頂上でした。大きな岩の上に、「根子岳東峰 1,408m」と黒のマジックペンで書いた標識がありました。頂上は想像していたよりずっと広く、(天気が良ければ)お弁当を広げてくつろぐこともできました。
 この尾根は、『ヤマケイアルペンガイド13 九州の山』(吉川渡著・山と渓谷社)でも紹介されていますが、後で読み返すと、
 「最後の崩壊箇所は、東峰頂上直前のやせ尾根にある。左のブッシュに通じた応急措置のザイルを頼りに、わずかに残った表層土をそっと踏みしめながら行く。この崩壊地の通過で危険を感じるなら、三角点のある頂上はあきらめた方がよい。今後表層土が落ちてしまえば通行不能になるかもしれない。
 と書いてある通りの状況でした。「表層土」はほぼなかったものの、足を置く岩がほぼ平らだったので、なんとか通過することができました。


 登りと同じコースを下るのは無理だと思い、地獄谷避難小屋まで大戸尾根を下山しました。こちらも急でしたが、前原牧場からの登りコースより距離は長いものの少しは歩きやすく、無難だったと思います。
 避難小屋はとても小さく、屋根の上には大木がそびえ、入口ドアのある妻側以外は土に埋もれているようでした。斜面をほら穴のように掘って、小屋を埋めたのかと思いました。
 ここから今度は、JRの宮地駅まで送ってもらい、普通列車を乗り継いで大分まで出ました。短くも壮絶な一日(半日?)が終わりました。



 (登頂:2017年5月初旬) (つづく)



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。