Curse priest

Trigger Happy 出張所。D.Gray-manとシャドーハウスのネタバレ感想、アニメ感想を書いてます。

進撃の巨人 第65話「夢と呪い」 2

2015-01-12 22:21:11 | 進撃の巨人

昨日は平尾や高宮で雑貨屋さん巡り~。色々楽しかったです。
偶然入ったフランス料理のお店がGOOD!! ランチ、凄い美味しかった!!
福岡はおいしい店が一杯。
DRRR!も始まった!30分、シズちゃんだけでいいや(笑)臨也は相変わらず。平和島兄弟にニヤニヤしました。
アルドノア、軍神が益々人間離れ(笑)スレインが壊れちゃってて、前途多難。
姫がいつ復活する次第かなぁ。

進撃の巨人 第65話「夢と呪い」 2

さて、続き。
計算違いに激昂したケニー。
レイス卿の胸倉掴んで高々と吊るし上げ、右目に銃口を押し当てる。
お父さん!と慌てるヒストリア。
銃口を押し当てられながらもレイス卿は反論。

「私が…嘘を言ってると思うか?」
「いいや…この瞬間だけは嘘をつかねぇハズだと思ったからこの日を待った。
 大事な継承の儀式なんだろ?
 まったく俺の気持ちに気付いておきながら俺を散々翻弄し…
 利用してくれたもんだな。
 この色男がよぉ…」

が、レイス卿は不敵に睨み返す。

「感謝する。
 お前のような野犬を引き入れたのは
 とち狂った弟の気まぐれに過ぎないと――」

恩人を汚され、皮肉を言われて益々怒り狂うケニー。
死刑になる筈だったケニーを救ったのは王弟さんだったのか。
絶対裏切るからレイス卿は反対してた模様。
王政のやり方に反対して離脱したとはいえ、ここまで根絶やしにしなければ
利害でしか結び合えない関係にならないと思うし、
アッカーマン家も記憶があるなら、ちゃんと話し合えば妥協や譲歩の道もあった筈。

王家には彼らなりの正義があるが、その非情さが彼らの正義に疑問符がつくんだよなぁ。
ケニーは無頼な男でしかないけど、ウーリに対し、感謝と尊敬は抱いてる様子。

「やめろ!!」

銃口を引っ掴んで、もぎ話すヒストリア。
華奢な女の子に見えますが、立体機動使えるからミカサのように腹筋は割れてる筈。
結構、怪力だと思う(^▽^;)

「父を…放せ」

銃を掴んでケニーに凄むヒストリア。
父はそんな娘を見つめ、ケニーは憐れむ。

「あぁ…お前は…何って哀れなんだ、ヒストリア…。
 あそこまで聞けばわかっただろ?
 このオヤジはお前を化け物に変えて、エレンを食わせようとしてんだとよ」

ケニーは銃を奪い返すと、その銃口でエレンを指し示す。
ただ見下ろすエレンを見上げ、ヒストリアは一瞬怯んだが、唇を噛み締める。

「それが私の使命でしょ?」
「……!」

意外な言葉に驚くケニー。

「私が巨人になって…人類を救うことがそんなに哀れ?」
「へぇ…お前の友達食っちまって、お腹壊してもそれが使命だと?」
「そう…」

ヒストリアはケニーを睨み返す。

「私はエレンを食って!
 姉さんを取り戻す!
 そして世界の歴史を継承し――、この世から巨人を駆逐する!!
 それが私の、使命よ!!」

その言葉に誰よりも心を揺さぶられたのはエレンだった。
過酷な出生にも背景にも怯まない。
それで尚且つ巨人を駆逐するとエレンと同じ決意を放つ正統な後継者。
かつての自分と重なる。
エレンが出来ないことをヒストリアはなそうとしている。


ただ、二人共巨人が実は人間である事を知らないし、
レイス卿の言葉が真実としても、全部公開してるとは限らない。
相手を信用させる為、情報を切り張りするのはマスゴミの常套手段だし、
レイス卿がまだヒストリアにこれまでの件をどう正当化して説明したか、
読者には未だに全然公開されていない。

ヒストリアは今まで他人の思惑で色々役を演じてきたが、
あくまで空っぽで何者でもない、流されやすい少女だった。
だが、初めて自分から何者かになろうとしている。
それだからこそ、エレンの胸を打った。

無論、ケニーは信用しない。
レイス卿を下ろすと、呆れたように言った。

「オイオイオイオイ、ヒストリア?
 この親父がお前にした仕打ちを忘れたのか?
 まずお前が生まれた理由は悲惨だったよなぁ?
 こいつが自分の立場もわきまえずに屋敷の使用人と
 気持ちいいことしたついでにできたのがお前だった…。

 お前の母親はあわよくば領主の妻になれるとでも思い、
 お前を産んだが…、領民共にとっても、
 王政議会にとってもお前は不名誉な存在でしかなかった。
 
 誰もがお前を『無かったこと』にしたかったんだ。
 この父親を含めてな!!」

言わずもがなの過去を並べるケニーをヒストリアは睨み返す。

「だが、まさかだった!
 しこたまこしらえといた血統書つきのガキ共がまさか一晩で
 お釈迦になるとはな!
 するとようやくこの体のいいじじいはノコノコ
 お前の前に姿を現した!

 俺ら中央憲兵は議会の命を受け、王家の穢れを清めるべく
 売女とその娘を『無かったこと』にしようとした。
 だが、こいつはお前だけを庇い、
 出生を伏せ、兵団送りにすることで命を救った。

 壁教にのみ監視させてな。

 そりゃなぜだ?
 唐突に父性に目覚め、唐突に娘が愛しくなったからかぁ?」

ケニーはナイフを取り出すと、凄まじい顔でレイス卿の口にナイフを押し込んだ。

「いいや残念!!
 こいつはお前の血に用があっただけだった!!
 おまけに自分が巨人になりたくねぇから
 弟や娘に使命をなすりつけるようなクズだ!!」

ナイフを口の中で激しく動かした。
歯が刃にあたってカチャカチャ音を立てる。

「もっと言やあフリーダやガキ共は殺され
 『巨人の力』が奪われそうになったことさえ隠そうとした!!
 『巨人の力』を奪われたレイス家が求心力を失うことを恐れたからだ!!

 こいつがあらましを白状し出したのはエレンが巨人の力を使って
 トロスト区防衛戦に勝利した辺りからだ!!
 この5年の間にしこたま消えたぜ!?
 尊い人々の命がよお!!」

ケニーは吠えた。

「だがこいつにとっちゃどうでもいいことだ!!
 家族も!!人類も!!
 もちろんヒストリア、お前もな!!
 あるのは自分の保身のみ!!
 
 どうだ、これがお前の父親だ!!」

畳み掛けられ、涙ぐんでうなだれるヒストリア。
本妻の家族を失うまでは全く顧みられず、母が殺された時も全く庇わなかった父。
フリーダと会ってたことさえ知らなかった父。
ケニーの言葉を否定できない。
ヒストリアが調査兵団で生き延びたのは運が良かったからだ。
ヒストリアとて疑なかった訳ではない。
ただ、何か訳があった。そう信じたかった。
自分の父が自分を愛していないと思いたくなかったのだ。
だから、使命を受け入れられる。

だが、ケニーに抗える程、ヒストリアは父という人間をまだ殆ど知らない。

その瞬間、レイス卿は素手で刃を掴んだ。
手のひらが切れるのも構わず、刃を自分の口からもぎ放す。

「…違うぞ…ヒス…トリア…」

レイス卿は血だらけの口で必死に言った。
「お!」と、その強い意志にケニーは驚く。

「まだ…話してないことがある。
 私が…居女になるわけには、いかないんだ…。
 理由がある…。

 他の者を信用してはいけない…」

おお、やはり父には理由があったのだ。
ヒストリアはその言葉を信じた。
父は好んで弟や娘に辛い試練を与えたのではないと。
自分がその任を追えない理由がちゃんとあるからだ。

ケニーもその言葉を真実だと解った。
もっとも、その理由が何故か口を割らせるには今以上に面倒だろうし、
恐らく、それはケニーが巨人の真の力を得る事とは関係はないのだろう。
無理に聞き出しても利益にならない。

「へぇー、そうなのかい」

ケニーはあっさり手を放した。
レイス卿はドサリと地面に落ちる。
お父さん!と叫びながらヒストリアが取り縋った。
レイス卿は咳き込みながら、ケニーを見上げる。

「…ケニー。
 今までよくやってくれた…。
 あの時の弟の判断を誇りに思っている。
 お前の野望は…叶わないが、人類は、きっと…平和を取り戻す。

 お前は自由だ…。
 他の生きがいを探して長生きしろ」

『感謝している』
あの時のレイス卿の言葉はそういう意味だったのだ。
とち狂った弟だの野犬だの言うから、訳が解らなかったが。

ケニーは熱が冷めたような顔で国王を見下ろした。
そういう感謝も無罪放免の言葉も聞きたくなかった。
ケニーが国王の義務をキチンと果たしているのだと知りたくもなかった。
自分の野望が空回りしていただけなのも。

国王は全てを明かした訳ではない。
だが、王は信念を曲げまい。
その信念がいかに自分の尺度と離れていたとしても、
芯の通った信念を曲げることは鋼材を曲げるより困難だ。

「…それじゃあ、つまんねぇんだよ」

ケニーは寂しげに呟き、背を向けた。

夢はかなわない。
だが、ああそうですかとケニーは終われない。
これは彼が最後に開かせたい夢だ。
夢を見ている間は楽しかった。生きることに初めて張り合いがあった。
その甘美さを知った今、夢のない人生など、今更長生きしてどうするというのだろう。

それが徒花であろうとも、その夢の為に多くの人間を殺し、
その夢のために今も多くの部下が戦っている。
自分が生き延びる為ではなく、夢の為に喜んで殺した。
このまま終わっては誰も報われない。
せめて、その徒花がどんな花の色かは見届けなくては。

ケニーは階段をゆっくりと登っていく。
レイス卿達はそれを見つめ、次第に不安になって問うた。

「ケニー…何をするつもりだ?」
「巨人化すればいい。
 もう邪魔はしねぇよ」

ケニーは言い捨てた。
そして、エレンの猿轡を外す。

「ただし、よーいどん、でだ」

エレンの口から遂に猿轡が下に落ちる。
ヒストリア達は青ざめてそれを見つめた。
舌を噛んでも、これでエレンは巨人になれる。
ヒストリアが巨人化する前にどうにでも形勢は逆転出来るのだ。

「お互いが巨人になって殺し合う。
 そしてヒストリアが勝てば平和が訪れる。
 エレンに負ければ状況は変わらねぇ」

ケニーはナイフをクルリと回し、髪を掴んで顔を上げさせると、エレンの額に真一文字に傷をつけた。
「ああ!!」と、ヒストリアは驚いて立ち上がった時、すでにエレンの額から
大量の出血が顔を染めている。
ヒストリアは真っ青になった。
これでエレンはいつだって巨人になれる。
エレンは虚ろな目で前を見ていた。

「寿命が尽きるまで息してろって?
 それで生きてると言えるのか?」

ケニーは吐き捨てた。
かつて「家畜じゃないか」とエレンが言ったように。
ケニーは押しつけの平和など要らなかった。
それが誤りであろうと、正しくなかろうと、自分の力で掴み取った答え以外意味がない。
大多数の人類は国王を支持するだろう。

だが、アッカーマン家の末裔としてケニーは思う。
先祖の選択は間違ってはいなかったのだと。

壁の外に破滅しかなくても、人類は何度でもその果ての空を目指すべきなのだ。

「ヒストリア!!」

危機的状況に国王は目を向いて、注射器をヒストリアの喉元につきだした。

「安心しろ。
 この注射なら、強力な巨人になれる。
 最も戦いに向いた巨人を選んだ。
 巨人になれば制御はきかないが…エレンが拘束されている今なら
 まだ望みはある」


薬ってやっぱり色んな種類があるらしい。
超大型とか鎧とか各種取り揃えておりますって訳だ。
となると戦いではなく、他の用途に向いた巨人もあるのだろうし、
巨人は様々な事を成す為に造られた存在だと思う。
戦いではない用途って何だろー。

そういう薬を王家が開発してんのか、壁の外から持ち込んだのか。
100年、結構代替わりが早いとこみると、独自開発してんだよね?
ただ、巨人化を元の人間に戻す薬を開発してる様子はなさそうだけど。
どうしても巨人化を継承する理由。
壁を存続させる為に、座標は必要なんだろう。

でも、例の記憶継承とやらは座標継承者一人ってのは妙だな。
本なり、記録なりすればいいじゃん。
王家や貴族の中の一部だけでやれば外部に漏れる事もないだろう。
それを何故しないのか?
どうせ、記憶改竄に影響しない血族がいるというのに。
黙秘するなら記憶を残すのも問題ないだろう。

やっぱり、レイス卿はかなり何かまだ隠している。
記憶を継承してそれが全部思い出せるのかどうか知らんが、
フリーダを始め今まで誰も話さないんだから、
どうしても話せないようなマズイ過去はあるんだろ。

つまり、余りエエ話じゃねぇって事だ。
人類にか王家にかどうかは知らんが。

王様は娘を急かした。

「さぁ急げ!
 食うと言っても正確には…彼の背骨を噛み砕き、脊髄液を
 体内に入れればよいのだ」

えっ、それでいいん??
てっきり脳を喰うと思ってたわ。
それでいいなら、注射で脊髄液を吸い出し、無個性巨人の口にでも放り込めばええやん。
ちょっとじゃ足りないの?
どの位の量が必要なの?
確かに知性巨人て貴重だけど、どうやってそこそこ数を増やしたか不思議だったが、
脊髄液でどーにかなるんか。
あ、それなら、コニーの母ちゃん、どうにかできないかな?
彼女を人間に戻せれば、その時村で起こった状況が聞けるのに。
コニーだってママが人間に戻った方が嬉しいだろうし。

「おっと離れねぇとな」

立体機動で離れて行くケニー。

「急げ、ヒストリア!!」

レイス卿も巻き添えにならないよう走りながら叫ぶ。
ヒストリアは注射器を腕に突き立てようとした。
エレンが巨人化する兆しが見えたら、すぐに刺すつもりだった。
エレンは死にたくない。きっと戦う。
そうすれば、心痛まず彼女も巨人化出来る。
生き延びるという大きな理由の前に、自分を正当化出来る。

が、何も起こらなかった。
静かなままだった。
巨人化の光も見えず、圧迫する熱い疾風もどよめかなかった。
ヒストリアは驚き、顔を上げる。
これでは巨人化する正当な理由が見つからない。
一方的に無抵抗のエレンを噛み砕くなどできない。

「…な、何でよ!?」

ヒストリアは顔を上げた。

「…エレン、何で巨人化しないの!?」

血まみれの顔は俯いたままだった。

「私が巨人化したら食べられるんだよ…そのままだと」

ヒストリアの呼びかけにようやくエレンの顔が動いた。
その顔は涙に濡れていた。
エレンが泣いている。
息を飲んでヒストリアは見返した。

「やるんだ、ヒストリア!!」

遠くでレイス卿が叫んでいるが、ヒストリアには聞こえない。
自分とエレン。
この空間には今、この二人しかいないように。
運命と命を交換する。
その儀式の前に他者は、例え肉親だろうと介在しない。

「…いらなかったんだよ…」

長い長い拘束。
それを解かれたエレンの最初の一声。

「……。
 え?」

ヒストリアは思わず問い直す。

「オレも…オレの親父も…。
 親父が5年前にこんなことをしなければ…。
 お前の姉ちゃんがすべて何とかしてくれるはずだったんだろ?

 オレと親父が巨人の力をあるべき所から盗んだせいで…、
 一体どれだけ人が死んだ…」

エレンは囁くように呟いた。
座標が正しく使われていれば、使えもしない力を持っていなければ、
過去は変えられていたのではないのか。
大型巨人に壁を壊されても、巨人達はいずれ壁から出て行ったのではないのか?
フリーダがあれ以上、ひどい事にさせなかったのではないのか?

「アルミンのじいちゃん。
 トーマス…。…ミーナ、ナック…ミリウス、マルコ…。
 リヴァイ班のみんな…。
 ストヘス区の住人…オレを助けようとした兵士。
 …ハンネスさん」

墓標をなぞるようにエレンは呟く。
ずっと彼らの死を、かけがえのない生をエレンは見つめていた。
彼らの死を無駄にしない為に、巨人の力を使おうとした。
だが、自分が巨人になった事自体が、余計な死を増やした。
自分さえいなければ、皆、死なずに済んだ。

「それだけじゃないが…とても、オレは償いきれない…。

 いらなかったんだよ。
 あの訓練の日々も、壁の外への夢も、
 オレはいらなかったんだ」

エレンの目から涙が溢れ落ちた。
自分が夢を抱かなければ、調査兵団へ入らなければ、
巨人の力など持っていなければ、自分さえいなければ、
今も生きている人がいた。

母が巨人に食われ、狂った父が力を奪い、その父を喰った為に大勢の人が死んだ。
エレンを助ける為に死んだ。
エレンの戦ってた理由も、存在理由すら壊れてしまった。
巨人を駆逐する。
その理由そのものが滑稽だった。

自分の存在は罪だったのだ。
それがエレンの心を折った。
もっと早く返していれば。

ヒストリアはエレンを見つめた。
彼の苦悩と絶望を。

要らない子。
この世界に不要な子。

母に初めて触れた日。
母に拒絶され、殺す勇気があれば、とすら言われたあの日。
あの痛み、悲しみ、絶望。
彼女はエレンの中に同じものを見ていた。

「なぁ…だからせめて…お前の手で終わらせてくれ」

エレンは泣きながら、懇願した。

「ヒストリア、オレを食って…人類を救ってくれ。
 あとは…任せた」

エレンは項垂れる。
その祈りをヒストリアは涙ぐみながら受け取った。
エレンにできない事をヒストリアが成し遂げる。
彼の絶望も痛みも引き受けていく。
同じ心を分かつ同志。

喰うというのは、繋げるというのは、この儀式の本質なのだろう。
姉が受け入れたように、自分も受け入れられる。
人類を救う為に。

その二人をケニーとレイス卿は離れた所からじっと見守っていた。
つつがなく繰り返されてきた儀式。
生と死の交換と継続。

ヒストリアは呟いた。
人間として最後の。

「エレン…あの時は…私のことを普通の奴だって言ってくれて
 うれしかったよ」

何処にでもいる普通の人間。
空っぽだと思っていた。
目標も未来も何もない。
だが、飾らない素の自分を、エレンは「何かいいよな」と言ってくれた。
みっともなくなんかないと。

だから、エレンの命を私は引き継げる。

ヒストリアは注射器を自分の腕に突き刺した。

巨人が生まれる。

その閃光をリヴァイ班も捉えていた。
まだ中央憲兵との戦いの最中。
全員が戦いを忘れ、その光を見つめていた。

ただ、彼らには誰が巨人になったかは判らない。
迷宮の奥で何が起こっているのかも。

「クソッ」

リヴァイは呟いた。

「まさか…」
「巨人…」

ジャンが光を睨む。

「…エレン」

ミカサも呟いた。
巨人が現れたということはエレンの命が消える秒読み。

水晶の奥では天井を圧するような巨大な巨人が生まれようとしていた。
柱を砕き、場を圧するような勢いで。

次号に続く。

エレン…(´;ω;`)
ずっと辛かったんだね、エレン。
やり場のない悲しみを抱えて。

何か今回は深かったわ。
ヒストリアとエレンの心の交差が。

でも、主人公交代でいいのか?
ケニーの言う通り「それじゃつまんねぇんだよ」なんじゃないのか?
ケニーの望みはせめて溜飲を下げてやろうと、二人が闘って勝者が座標を得ればいいだが、
ふつーに考えれば、戦いに慣れたエレンが勝っちゃうし、そうなると座標を完璧に使えないエレンが
持ってるのも、俺が持ってても一緒だぜっていう論理でケニーが掠め取っても同じではないのか?
で、ケニーは戦いで弱ったエレンから巨人の力を奪っていくつもりだったんじゃないの?

ところがエレンが絶望してて、最初から戦いが起きない。
そうなるとケニーはつまんない。
じゃ、ヒストリアより俺がなる!と思わないかな。

もう巨人化の邪魔はしませんなんて、そんな殊勝な事、ケニーらしくもない。
このまま蚊帳の外で終わるなんて、ここまで来てあるとも思わんな。
大体言ってるじゃないか。
「寿命が尽きるまで息してるだけなら、生きてると言えるのか?」って。

ケニーはまだ大きな花火を打ち上げたいんだよ。
だから、ここで終わる訳がない。
まして、エレンて打ち上げ花火がシケってるなら、俺が上げてやろうと思うだろう。

大きさといい、ケニーが非ストリアから注射器かっぱらって打ったと思う。
幸い、レイス卿が戦闘に向いてる薬、選んでくれたしね!
そこもケニーの計算づくだったんじゃないかな。
フリーダと同じ轍は踏まないようにって。
二代に渡って、エレン親子に負けましたじゃタマランだろうから、
きっとレイス卿は強い薬を選ぶ筈だろって。


で、レイス卿だが、初代の教えを守ってるようだが、やっぱ胡散臭さが抜けない。
信念はあるし、骨がある男だが、しかし、本当の事はまだ殆ど言ってない。
ヒストリアに「まだ言ってない事がある」がどんだけあるんだろ。
どうせフリーダの記憶を引き継ぐからと、ズボラしてるとは思えん。

アッカーマンと東洋の家が迫害されようと背を向けたように
王政は長い年月の間に歪んでしまってるんだろう。
初代王の理想は清かったかもしれんが、川は必ず濁るものだ。
100年清く保つ為に裏で散々暗殺しまくり、迫害しまくりの
どす黒い透明度。
カルキバリバリのプールには魚も住みやしない。

死んでもいいから外に出たいケニーとエレンは意外と気が合うんじゃないかと思う。
こんな状況じゃなけりゃね。

レイス卿は一番大事なことを隠している。
他にも山ほど。

自分が巨人化しないのは、長男でなく長女が巨人化するように、兄でなく弟がするように、
上の者は血を繋ぐ為残る必要があるのだろう。
だったら、二人しかいないなら、もうええ年のおっさんよか、ヒストリアに婿を迎えた方がいいと
思うんだが、そこがおっさんの保身なのかね?
巨人化しても、グリシャはエレンをこさえてるので、巨人化は生殖に問題ないと思われる。
それとも、レイス卿は巨人化とは別の抗体とか持ってるのか?

大体、貴族どもが記憶改竄に影響しない血筋なら、当然知性巨人化候補になっても不思議じゃないし、
そういう遺伝子操作が過去の科学力で出来たんだろう。
王家だって、近親婚ばっかする訳にもいかんし、嫁や婿はいて100年もやってりゃ、
親戚も多いだろうし、王家だけが座標を独占する必要性はないと思うよ。

議会が王家より発言力があったりするのもそのせいだろうし、あえて奪わないのは、
身内で食ったり食われたりするのがイヤだったんじゃないかな。

大体、ヒストリアに巨人が人間だと伝えてないからこそ、ヒストリアは「巨人を駆逐する!」って
宣言できる訳で、知ってしまえば、フリーダと同じく現状維持しかない。
座標は巨人を人間に戻す力はないようだ。
あの猿巨人がそういう薬を持ってるかどうか解らんが可能性はあるな。

で、座標持ちは無個性巨人を操れるが、記憶改竄も出来る。
エレンはした事がないが、知らなかったからしなかったのかも知れん。
となると、もしできたら、レイス卿の真の力を使えるのは王家だけって話が嘘っぱちになる。
エレンはまだ座標を一回しか使ったことがないんで、座標の事自体よく知らんしな。
いずれ、そこらへんも「彼らの記憶」が教えてくれるのかね?

エレンはパパや他の巨人たちの記憶を殆ど思い出してないが、もしドッと思い出したら
座標使えるんじゃないかな?
そしたら、無個性のヒストリア巨人(もしくはケニー巨人)も操れるだろう。
ヒストリアには死んで欲しくないし、死んだら王家継承が面倒になってクーデターの意味がなくなるんで、
きっと死なないと思うわ。

やっぱりここはヒストリアが巨人になった場合、レイス卿を食す。
ケニーがなった場合、やっぱりレイス卿を食すでいいんじゃないかな。
巨人は動くものに襲いかかるし、位置取りで動かないエレンより、目に入ったレイス卿の方が危険。
ミカサはエレンが止めようが食うのは許さんだろう。
レイス卿さえ食えば、記憶継承はできるしね。
長い歴史は仕方ないけど、大体真実が解かればそれでいいや。
めでたし。

ヒストリアがトラウマ抱えるだろうが、そこはサーセンで事で(^▽^;)

無個性ヒストリアを人間に戻すには脊髄液さえ与えればいいので、リヴァイかミカサに頑張ってもらって、
エレンから脊髄液抜いて、何とか注射か口に放り込むかしてもらおう。

ただ、何とか事が収まっても、心折れたエレンが立ち直るにはどうしたもんかなぁ。
兵長が荒療治するんだろうか。
それとも、ヒストリアか、ケニーが仲間を食べようとしたら、止める為に巨人化するのかな。

ヒストリアが巨人化した場合、説明なんかエレンがしてる暇がない(しかもアルミン不在)から、
もうどうしようもないので、やっぱケニーに巨人化してもらう以外なさそうだ。

しかし、本当にどうなるんだろう?
誰も死んで欲しくないよ(レイス卿を除く)
出来ればケニーにも死んで欲しくないなぁ。
ここでケニーが死ぬと、リヴァイもミカサも何も知らないままだし。
まぁ仲間にすると毒薬のような男だが、調査兵団の戦力って今、殆どないからな(笑)
利害さえ合えば手を組めるんじゃね?
リーブスの倅は激怒しそうだけど。



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