Dグレがまた休載なんで、今回は青エクのみ。
読み切りとキャラグレ二つじゃ無理だっての。
桂先生は身体が弱いんだから、無理させないでー!
青の祓魔師 第27話「決戦 金剛深山」 1
どんどん大きくなっていく不浄王。
マンガ版ナウシカの粘菌を思い出しますが、両目の目玉はあるんだから、
どっかに本体があって、外側がぬらぬらしてるだけ、なんだよね?
見た目は何処が顔やらお尻やら、ですが(笑)
「どーやってあんなデカイの倒すんや!!
この世の終わりか!」
志摩君は驚愕の悲鳴を上げっぱなし。
ミサイル発射がオッケーなら軍隊呼んだ方が早い気もしますが、
これも魔障のない人には視えないのかな?
「あれが不浄王…まるで要塞やな…」
敵の巨大さに圧倒される勝呂。
150年前、ろくに武器のなかった坊主一人が頑張って倒せたんだから、
見掛け倒しかも知れません。気張りましょう。
不浄王の出す瘴気の影響で、京都市民がゴホゴホ。
魔除けのマスクを配る勝呂ママ。
でも、中国から飛んできてる黄砂の影響で、最近脳溢血が15倍も増えてるそうなんで、
妖怪よりやっぱり人間の作り出すものの方がコワイ(^_^;)
汚染物質コワイ。
山に向かった勝呂やエクソシスト達が誰もマスクしてなくて平気だしね。
勝呂達はまず和尚探し。
シュラに燐を牢から連れ出したと連絡したら、和尚が行方不明と聞いたので。
「さて」
シュラは携帯を閉じると、戦いの準備をしている雪男に向き直る。
(燐を牢から出して、裏で行動させている事を
雪男(アイツ)に話すべきか否か)
雪男が物凄く思い詰めた顔で銃の弾こめをしてるのを見て、シュラはビビる。
(…ウン。
これ以上、奴にストレスを与えるのはやめとこ)
そして、殊更明るくうさぎのように跳ねながら、かわい子っぽく雪男に言う。
「雪男、先に謝っとくけど、ゴメンにゃw」
「は?」
らしくない態度に怪訝な顔をする雪男。
「今更謝られても…。
とうの昔に貴女への期待なんて捨ててましたから…」
素っ気なく返す雪男。
「雪男ォ。
何でもいーけど、せめて自分には正直でいろよ」
「……どういう……?」
雪男にはシュラの言葉に意味が全く解らない。
聞き返すが、シュラはまるで燐の事など案じてもないように、隊長が呼んでると迎えにきた
隊員と
「ほえほえ、案内してちょー」
と、その場を軽く去ってしまう。
「…………」
それを無言で見送りもしない雪男。
うわあああああああああ、先月心配した事がことごとく現実になっていくぅぅぅ∑(; ̄□ ̄A
雪男とシュラの性格が合わないとはいえ、ここまで噛み合わないともうどうしようもないな。
雪男はもう燐の処刑が確定してると思い込んでるんだよ?
自分のやってきた事、獅郎に誓った事が全部ダメになったと絶望してるんだよ?
自分の存在理由を見失ってるんだよ?
それに比べれば、燐が無事で、仲間達と立場の逆転をかけて不浄王と立ち向かう事を
心配するくらい何だってんだろう。
燐より遥かに長い付き合いだっていうのに、シュラは雪男の性格がそんなに解らないのだろうか。
雪男が悪魔落ちしやすいって心配してたのは、形だけだったのか?
それとも、雪男がシュラを嫌いなように、シュラも雪男をよく思ってないのかな?
そう思ってしまいたくなる程、シュラの言動が解らん。
燐の事は手に取るように解るのに、燐の処刑が決まった後で、燐の事など心配もしてない風に、雪男の気持ちを逆撫でするような態度を取ったら、雪男はますます絶望するだけじゃないか。
シュラがわざと明るい行動をするのは、燐の事は心配ないぞってシグナルを送ってるつもりかも知れないが、雪男に腹芸は効かんぞ??
それは獅郎のクロの時の「クロを楽にしてやる薬」という言葉を真に受けた事で解るじゃないか。
雪男は言われた事しか解らないのに、察しろ、しかもここまで重要事に気づけというのは無理。
そうでなくても、シュラは常日頃冗談ぽく、真面目にしないと思われてるから、燐の事もやはり本気で守る気はなかったのだと誤解されるに決まってる。
雪男の異変は牢屋で感じた筈なのに、何故こんな態度を取るのか。
ストレートでいいんだ。ストレートで。
何故、それっぽい事を耳打ちしない?
それだけでも大分違ったろうに、もはやシュラに対して不信感丸出しの雪男は弄ばれてるような気分だろう。
その気がなくても、メフィスト以上に残酷な態度になってしまっている。
知ってるからこその余裕にしたって、雪男がどれだけ燐を守ろうと、それだけの為に今まで
努力してたのも、燐こそが雪男の芯だと知ってる筈なのに、軽く考えてるとしか思えない。
もし、雪男が不浄王に特攻したり、悪魔落ちしたら、間違いなく戦犯はシュラだ。
さて、不浄王との戦いの準備。
八百造が用意したのは大きな護摩台。
ここで火を焚き、「不浄契金剛 烏枢沙摩(ウチシュマー)」を召喚するそうだ。
烏枢沙摩は上級以上の手騎士の詠唱が10人以上必要で、それでシュラも呼ばれたらしい。
不浄王は腐の眷属なんで、火が弱点なんだそうだ。
ただ、火炎放射器や中級悪魔の火炎では埒が明かないので、彼らが呼び出せる最強の
火炎系悪魔を召喚しようという訳。
「ウチチュマー…火天(アグニ)か…。
確かに味方だったら心強いが、さて…」
青い夜の為、京都も降魔の力は減退している。
それでも、少しでも戦力は欲しいので、早速護摩焚き開始。
求めに応じて召喚されたのは、フクロウみたいなデッカイ鳥型の明王。
伽楼羅とか火の悪魔は鳥が多いのか?
人間の顔っぽいのが仮面の下から出てきたので着ぐるみぽいけど(^_^;)
「ワシは烏枢沙摩の名で、明王陀羅尼の十人の僧正に仕えし者じゃよ。
ワシの力を得たくば、血の証を示すんぢゃ」
「この150年で僧正血統は減ってしもたんや。
今ここにおる僧正は五人や。
これで火(ちから)を借りたい!」
八百造さんは血が絶えたことを明かす為、昔の巻物を取り出して見せるが
「五人では足りんわい!」
と、あっさり燃やされる。
「しかし、この大地を不浄王の好きに腐らせるのは面白くないし、
五人分の血に釣り合う火の加護を与えるぢゃよ」
要するに、俺の縄張りをゴミで汚すのはイヤだから、人数分だけ仕事するよ、か。
烏枢沙摩の力で錫杖も先端が炎をまとう。
「十分や!!
不浄王だか汚物だか知らんけど、この金造様が一つ残らず熱殺菌したるわ!!」
金造はさっそくノリノリ。
竜騎士は火炎放射器、手騎士はサラマンダー、医士騎士の称号を持つ者は優先的に衛生班。
幸い、不浄王はでっかくなるけど、動かないので、サラマンダーが菌を焼却しつつ、部隊はその後を続いて奥を目指すという布陣。
…自衛隊を呼ぶという選択肢はないんやな(笑)
巨神兵を呼んで「焼き払え!!」もなし(笑)
大体、中心は何処なんよ?
不浄王が何考えてんだか、よく解らないし、生き物じゃないの??
ただ増えて瘴気吐くだけじゃナウシカの森と余り変わらない。
さて、出雲ちゃんが和尚を見つけ、慌てて駆け寄る勝呂達。
首は一突きで、明らかにヤバイ。
「そ、そんな…」
うろたえる勝呂と携帯でシュラに連絡しようとする子猫丸。
が、突然目の前で炎が巻き上がり、現れたのは小さな炎の鳥。
「我は伽楼羅という名で、明王陀羅尼の座主に仕えし者」
翼を広げるとちょうど勝呂の顔くらいの大きさ。
しかし、使い魔は最初に名乗るのが礼儀なんですか?
最近、バイトの若い子が挨拶する習慣を持たないのと大違いです(笑)
「カルラ…!?
お…和尚の使い魔なんか?!」
「…だったが、その『秘密』が破られた今、契約は破れた。
今は勝呂達磨との個人的な契約を履行中だ」
その秘密のせいで悩んだ幼い勝呂の心をおいしく食べてた腹黒い鳥ですが、
もちろん、ご馳走様でしたなんて事は言いません。
ピヨピヨ飛んで、かわいらしさを全面にアピールしています。
「ゲホッ、う…私は…」
そこへ息を吹き返した達磨。
「和尚!!」
死んだと思ってたので、勝呂はビックリ。
ええええええええええ、い、生きてたよ、和尚!!
よかったね、勝呂!\(* ̄▽ ̄*)/
蝮も救われたなぁ。
「竜士…!
子供らもみんな何でこないなとこに…」
「助けに来たんや」
「何ちゅう無茶を…ぐ…」
「傷は癒したが、動くのはまだ無理だ、達磨」
その言葉に達磨は伽楼羅に顔を向ける。
「伽楼羅か?
…えらいちっこくなってまぁ。
私もお前も死んだか思たわ」
「我は不死鳥の名も戴く者。
幾度も再生する。
それにお前とはまだ『劫波焔』の契約が残っているからな。
死なせはせぬよ」
あれ、じゃあ藤堂が食った伽楼羅は?
どっちが本体なの??
契約が残っててよかったね、達磨。
藤堂は力を盗んだだけなんで、瀕死になっても回復はしてやらないと思うが、
根性があれば、無限に力を盗める訳だ。
「奥村くん…!」
和尚は燐が傍らにいるのを見て驚き、大感激。
「手紙を…読んで来てくれたんか」
燐は頷き
「俺も読んだ」
「ここにいる全員大体の事情は理解して、ここまで来たんや」
「な!?」
「秘密は残らず話してもらう」
勝呂の視線に遂に折れる和尚。
「…………判った
不浄王の倒し方を話そう。
座主のみに伝わる『真・不浄王之理』によれば、不浄王はどんどん巨大になる。
…やがて、一城ほどの大きさになり、ほどなく中央に巨大な胞子嚢がつくられる」
「胞子嚢てあれですか?
あの一番上の丸こいの!」
志摩が指差すと和尚は頷く。
「恐らく、そうや。
その胞子嚢が熟し、破裂すると、濃い毒素の胞子…『瘴気』を巻き散らす。
150年前、4万人を殺したのも、胞子嚢の破裂によるものやった。
現代の京都では被害は4万人どころでは収まらないだろう。
それだけは阻止せんと…!」
うわー、やっぱりナウシカの粘菌ぽい(笑)
京都だけじゃなくて、周辺の県民の脅威も考えてあげて下さい(^_^;)
誰かー、王蟲を!王蟲の群を呼んできてー!
「それじゃ、胞子嚢が破裂する前に倒さなあかんのか」
だが、勝呂の言葉に和尚は首を振る。
「それが事はそう単純やない。
不浄王の唯一の急所とおぼしき『心臓』が胞子嚢の中に在るのや」
またそんな訳の解らん…(^_^;)
確かに瘴気は吐けるけど、自分の急所もその時剥き出しやん。
別に無理に出さんでもいいやん。何故、そこまで捨て身に!?
瘴気だけ身体中からバンバン吐けばええやん。
瘴気を出すのに命を懸ける姿はある意味かっこいいけどさ(笑)
「150年前、不浄王と闘った不角は未知の魔物に苦戦した揚句、
その心臓を二つに分け封印するしかなかった」
「それが、不浄王の右目と左目…ってワケね」
えー、これって京都の皆さんはご存知なんでしょうか?
座主だけに伝わる秘密なんですか?
秘密にしておく理由がよく…(^_^;)
伽楼羅の使い魔にしとく契約の条件かも知れないけど、これを知ってと知らずじゃ
戦いも随分対策が変わってきますよね?
というか、右目と左目が実は心臓の右心房と左心房って…。
まぎらわしいやろ!! 何でそんな伝説を。
心臓を自分の目玉に入れて運んでしまった蝮の立場は!?(笑)
劫波焔は確かに切り札になりうる力だけど、他者との協力と連携あってこそのものだと思うので、どうも理にかなってないな。
「胞子嚢を一旦破壊させんと『心臓』が打てんいうことですか!?」
動揺する子猫丸。
それでは瘴気がばら撒くのを阻止出来ないし、瘴気の中で心臓を切らねばならない。
「そうや」
「やっかいやな…」
でも、150年前、不角さんは出来たんでしょ??
その方法は文献に残ってないんですか?
不角さんは手柄を出し惜しむ性格ですか?(^_^;)
和尚は続ける。
「私は十五年前、この伽楼羅と劫波焔を借りる契約をした。
劫波焔は人の生きた年月を焔に変える術。
一生の終りに放出し一切を焼き尽くす大火焔。
私はそれを切り札に不浄王を倒そうと考えとった。
しかし、十五年ほど蓄えた焔を不浄王の足を止めるのに使ってしもた。
残る焔はあと僅か…」
人生最後の大花火を打ちたがるのは、和尚も不浄王もあんまり変わりません(笑)
「私はこの残りの劫波焔で胞子嚢が破裂しても、瘴気が外へ漏れんよう結界を張る。
奥村くん、君にはその降魔剣で不浄王の心臓を焚滅して欲しい」
不角は前回切っただけだが、燐なら己の焔で心臓を燃やし尽くせる。
和尚が燐に助太刀を頼んだのは、その為か。
えええ、でもそんな大事な事は事前に京都の人やエクソシスト達に連絡して、連携しなきゃ!
まるで和尚と燐、二人だけでやる前提の作戦じゃないか(^_^;)
携帯が山奥でいつも通じると思うなよ(笑)
重大事を託されて、顔色を変える燐。
「…すんません、俺…」
「…………いや。
当然や。命に関る事やさかいな…」
「え? いや…俺、今、剣抜けなくて…」
やる気はありまーす。でも…と和尚の誤解を否定する燐。
「え?」
考えてもいなかった答に思わずハモる和尚と勝呂と志摩。
燐は倶利伽羅の柄と鞘をグイグイ引っ張るがビクともしない。
「さっきから抜こうとしてんだけど、やっぱダメだ」
「はぁ!?何でや!?」
「俺もわかんねーけど、どうも精神的な問題らしくて」
「そんな事あるんか!?」
「俺だって悩むんだよ!!
…だから、今は力になれない。
勝呂の父ちゃん、ゴメン!」
青春は悩み多き年頃(^_^;)
素直に謝る燐ですが、ここで挽回しないと確実に死刑なのが困りもん。
でも、仲間が助けに来てくれた。
何もしないでいられない。躊躇わない。
燐はいつだってそれだけで戦える。
でも、燐の剣が役に立たないんで和尚はすっかり落胆。
「そうか…。それはそれで心配やな。
しかし!そうとなれば…とにかく私一人で結界だけでも…!」
「無理だ、達磨。お前は血を失い過ぎた」
「なんの…」
伽楼羅の静止も聞かず、達磨は身を起こそうとしたが、ぐったりと両手をついてしまう。
「傷は癒したが、お前は失血死寸前だった」
いや、首を刺されたんだから、むしろ窒息死では?
動脈切られたにしては、結構頑張ってたし。
「その身体で『結界呪』など唱えようものなら、間違いなく死ぬぞ」
「しばらくもてばええ…!
事は私の命より大事な事や…!」
父の決死の覚悟に勝呂は思わず唇を噛み締める。
遊んでばかりと、のらくら生きてると、そんな風にずっと誤解してきた。
誤解のまま、言葉で父を切り刻んできた。腹を立てていた。
何を言っても笑う、父の飄々とした笑顔が苛立たしかった。
だが、父はずっと一人で戦っていたのだ。どんな時も。
秘密を抱え、契約を守り、京都を、皆を守ろうとしていた。
なのに、俺は…。
勝呂は子猫丸に向き直る。
「子猫丸、霧隠先生にはまだ連絡つかへんか?」
「それがさっきからノイズ音しかせんくて…。
瘴気が濃すぎるんかもしれません」
ほらー、文明の利器に頼るからー(^_^;)
和尚、一人で抱え込もうとするからこんな事に。
ここで燐や勝呂と出会えなかったらどうなってたか。
「和尚、俺らに出来ることはないんか?」
「…………」
勝呂は必死に父親に呼びかける。
だが、和尚は顔を上げない。
息子に責は負わせない。
それもまた契約を結んだ時、心に決めた事だから。
が、伽楼羅は勝呂に呼びかける。
「おや?そういえば、お前は達磨の息子か。なら調度いい。
血が繋がっている者へならば、劫波焔を移すことが出来る」
「!」
それが座主の引継ぎだから。
「あかん!!」
だが、和尚は必死にそれを遮った。
「それだけはあかん…!!
まだ子供や! 竜士は絶対に巻き込ませへん!
こんな柵(しがらみ)は当代で断つて、私はこの命に懸けて誓うたんや!!
それだけは…」
(ああ、そうか…)
父親の形相に勝呂は気づいた。
「好きに生きはったらええよ」
「いくらでも堅気になれるんやで」
「…竜士、お前ももう気にせんでええんやで」
「『秘密』は息子のお前にも話せん…。
出来れば、一生話さずに済めば、ホンマ大助かりなんやけどなぁ」
父はずっと勝呂を巻き込むまいとしていた。
自分と同じ人生を、先祖が繰り返してきた孤独さから息子を逃そうとし続けていた。
人に誤解され、疎まれ、謗られる契約から。
自分だけで背負い、自分だけで終らせる。
この痛みは。
(これか…和尚がずっと周りから遠避けていたものは…。
ずっと一人で)
愛されていたのだ。
愛されて、守られていたから、父は何も言ってはくれなかった。
だけど、息子だから、そこに何かを感じ取らずにいられなかった。
和尚の笑顔の下の悲しみと辛さを。
皆、和尚を好きだったからこそ心配し、答が得られぬ故に、それは捩れて疑いとなった。
蝮も、皆も、そして、自分も抱えていた苛立たしさは、愛情ゆえだったのだ。
そして、今も父は一人で…。
「今まで…そうやって一人で背負うて来たんか…」
ゼェゼェと息を荒げる父親を勝呂は見つめる。
それでも、尚、父は笑った。
「は…なに…私が好きでやってたことや」
「そうはさせん…!!」
怒りと口惜しさと泣きたい程の愛しさを込めて、勝呂は遮った。
もう逃がさない。思い切り睨みつけて宣言する。
「俺も背負う!!!!
その様で文句は言わさへんぞ…!!!」
「達磨…息子の方が賢明だ」
「…………!!」
目を見開き、達磨は俯く。
自分の負けだ。とうとう捕まった。
この子だけはこの茨の道から逃がそうと思っていたのに。
「…ああゆう子やから…。
関らせたなかったんやけどなあ…」
和尚は苦く笑う。
勝呂はいつも幼い頃からずっと父の背中を見ている子供だった。
父の背が好きだった。
だから、解ってたのかも知れない。
どんなにその視線から逃れたくても、いつかは捕まってしまうんやろなぁ、と。
願わくば、本当に逃げおおせられたらよかったのに。
自分だけの胸の内で収めていられたらよかったのに、と。
2につづく
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