第7話
真の天才
ソクラン市交響楽団。
プロの中からオーディションで選ばれてた団員たちのなかに、研究団員としてノーギャラのルミたちが入ってきた。
研究団員であっても市響のメンバーであるならくびにするのもカンマニの自由である。
そしておくれてきたゴヌ。
彼らと一緒に見学をするという。
カンマニはいった
せっかくの正式団員の資格を捨てるのか
とにかく全員外へ出ろ
カンゴヌはあとで話しがある
廊下に出たゴヌは正式団員には知り合いもいないし。。などという
ヨンギは
だからって逃げてきたというのか
お前はそんなにいい加減なのか
するとゴヌは
まだ分からないのですか
ヨンギさんに復讐をするためです(冗談で)
おお・・その正気じゃないところ、おれはお前が好きだよ
やれるものなら復讐をしてみろ!!
そういってゴヌの首に腕を回してひっぱった
わぁ~わぁ~と楽しそうに騒ぐなか、キム老人が楽譜を配った
第九である。
練習をしよう。突然実力を見せろといわれたらどうする。
カンマニには内緒だ。市民アンケートで一番人気だった。創立公演でこれをやる可能性が高い。これだけを練習していたら正式団員に近づけるかもしれない。
ゴヌは俺も一緒にというとキム老人はカンマエに話をしたのかと聞いた
誤りに行けというキム老人
そこへルミからメールが来た
ルミはゴヌを呼び出しなぜ研究団員に入ろうとしたのかと聞いた
なんとなく・・
ルミは、あきれてだったら私があんたの代わりに答えてあげようという。
すごい人たちを見て怖くなった。
レベルが低くて気楽なほうを選んだ。
なんだと?ゴヌはむっとした。
キム老人は土曜日の午後もあけて練習をしようといった
秘密の練習だ、カンマエに知られると台無しだ
そこにカンマニが現れた。
ゴヌはどこです?
あっちへ行きました。あまり叱らないで下さい。若気の至りだ
老人は言った。
するとカンマエは
叱りません。私の指のミスです。あんな奴に電話をしたこの指の・・・切り落としてやりたい。
そういってさっさといってしまった
さてゴヌはなぜルミにここまで言われるのかといった
カンマエに聞かれたのだ。お前の幸せは何かと
俺は仲間とオケの指揮をしたいといった。だから来た
遊びのほうがいいってことね
市響にはいったからには上を目指しなさいよ
上に行ってどうする?
俺がやりたいのは指揮だ。皆と練習しながら大学で指揮の勉強をして…。お前が怒る事無いだろう
はじめはアンタが誇らしかったし、うらやましかった嫉妬もした
でもあんたの実力は本物だし。祝ってあげようと思っていたのに。だから怒っているの。前進したくないの?
出世してえらくなるのがそんなに大事か?
ゴヌってやさしいのではなくてただの馬鹿ね
何??
ずっと聞いていたカンマニはルミのいうとおおりだといった
ルミに見学に行ってこいといってゴヌには、おまえは欲が無い。情熱も無い、根性も無い。
警察を辞めたのは指揮ごっこをするタメだと言い切る
ゴヌは
先生のやり方が全てではない。人それぞれです
だったら見せてみろ。
とにかくおまえは首だ
そういってカンマエは去っていった
見学中の研究団員はゴヌの心配をしながら、チューニングを聞いていた。
そのなかにパク先輩がいたので、無駄な話しがはじまった。
団員達は迷惑顔だった。ヨンギが市響なんてもこんなものという発言をしたのでジュンジンというホルンの主席が怒った。ヨンギはともかく座ろうというと椅子においてあったバイオリンを落としてしまった。
これは高いものだろうというと1890年製だという。大丈夫だという持ち主だったが。
ジュンジンは、市響に落ちたというから屈辱もあろうかと大目に見ていたけどというとルミは屈辱ですって?とまたひと悶着。
とにかく静かにということで落ち着いた
ルミにゴヌからメールが来た。首になったから出かけてくるという。
何故首にしたのかとカンマニに問い詰めた。
言わなかったか、首にするのも採用するのも私の自由だと。
ゴヌなら話せば分かりますから、なんとか・・
というと人の心配をしている場合か?診断書は?
大丈夫だから診断書はありません。
すると目の前で医者に電話をした。聴覚神経腫瘍と友人の医者は言った。
手術で腫瘍はとれるが聴覚はもどらない。
内緒にしてくれといわれたが。
わかった・・
カンマニは電話を切った
しばらくしてカンマにはルミにお前は間抜けだといった
で・・・ですからその・・わざとではなくて・・
ばれたと思った。
実際ばれたのだが
カンマニは指名料を払わないといったと医者が恥じをかいたといった。
そんな馬鹿な話しがあるか。
わざとカンマニはそんなうそをついた
ルミはばれてないと思って部屋を出た。
聞こえている4ヶ月間はオケを一生懸命やって、その後で手術をうけるといった、たくましい子だな
友人ドクターの話だった。
そのことをカンマニは思い返した。
ルミはゴヌのことで話をしに行ったはずなのに思い出して・・・また引き返した。
部屋を出たカンマニとばったりあった。
たくましい?間抜けなだけだろ
だが自分を貫いているルードヴィヒ・トゥ・ルミ
なんなのよ・・???
練習会場へあのハイドゥンがきた
キム老人のくれたお金でちょっといいフルートを買ったという。英才コンクールにも応募した。学校は高校卒業資格認定試験をうけるという。
すっかり落ち着いて普通の女の子にもどった。
しかし言葉遣いはひどい。うるさいとジュンジンに言われた。
芸術がどうのというならプロよね。でもそっちの音のほうがうるさい。
どこの学校だ?
失礼ね。いきなり学歴を聞くの?だったらいうわよ。芸術高校を二年で中退したハ・イドゥンよ!モーツアルトは友達でベートーベンは弟子よ。あんたたちの演目もわたしが全部作った交響曲の父、ハイドゥンよ!!
人間言葉が基本だ、まず敬語を使え。
年を取っただけでも大人なの?あんたみたいな餓鬼もいるじゃない。
なんだと?ジュンジン、やめろ。
コンマス無視しないでね。ちゃんと相手になるわ。
そこにカンマニが来た。
出て行け。皆出て行けといった。
ルミがやってきて廊下にいる皆に声をかけた。正式団員の演奏が聞こえる
しかし上手ね・・・
なにこっちには第九がある。
大きな声で言わないのよ
ミョンファンは公演を終わって大急ぎで走ってトイレにかけこんだ。
大のほうで用を足していると、突然
ミョンファン先生ですか
と声が聞こえた。
ぎくっとした
私は市の公演でトランペットのファーストを担当した。カンゴヌです。指揮はカンゴヌ先生に師事を・・・あ、それは過去の話か・・・
どうやら洗面所でなにやらいっているらしい。
ソクラン市?
カンゴヌがカンゴヌに師事?
先生を訪ねた理由は指揮についてお聞きするためです
音楽に根性と欲は必要なものなのか
楽しく学べないのか知りたくて
俺を弟子にしてください
がんばります
ミョンファンは・・ふっと笑った
古臭い奴だな
私はカンゴヌ先生に破門されて
ゴヌは話す内容を全部書いてトイレの鏡の前で練習をしていたのだった
ああ・・・・・
俺はなにをやってんだ・・
こんなの俺らしくない・・
がっかりしてトイレを出ようとしたら声がした
何故破門された?
と同時にトイレを流す音が
ジャーーーー。
ゴヌは驚いた。
チョン、ミョンファン先生?
そう・・・カンゴヌ。あいつとは仲がいいんだ
そういって笑った。
熊蜂の飛行をトランペットで吹いた
これをCD化しているひとは世界に5人しかしない。これができるのは君は天才だ
ミゼレーレという聖歌をしっているか?
とても美しい歌なんだ。美しすぎるために教皇庁が楽譜を門外不出にした。
だがあるやつが9声もあるその曲を、1回聞いただけで楽譜を起こした。14歳だった。モーツアルトだ。
遊べるのはそんな天才だけさ
しかし作曲をするときにモーツアルトが遊んでいたとは思えない。カンマニはどう思っているのだろうか
聞きに行こう。俺の弟子になるなら昔の師匠に許可をもらわねば。
一緒に行くぞ。
ゴヌとミョンファンはカンマニの家に向った
カンマニは仕事中だったがインターフォンでミョンファンが来たことを確認して迎え入れた。
ちょっと自慢したい事があった。弟子が出来たんだ。
お前は弟子なんかあちこちにつくっているではないか、いまさらなんだ?
今回は特別なんだ。おい、入れよ。
ゴヌが現れた。
ばつが悪そうだった。
カンマニは驚いた。
ほおり出したらこんな奴のところに行ったのか
そんな言い方無いだろう。だから原石を放り出すわけだ。
原石?そいつは砂利だ。
やった!!おまえは思っているのと逆のことを言うから本物だ。
わたしは断った。
だったら俺が弟子にしてもいいわけだ。どうするリトルカンゴヌ?俺かあっちか?
前に断られた人にはお願いしたくない・・
だったらこうしよう、一週間二人でゆっくり考えたらどうだ?
連れて帰れ
重大な事だ
早く行け
ゴヌは顔が青ざめた
ミョンファンは席をはずせといった
家の近くでルミにあった。
これからどうするの?
好きにする・・・
仕事・・・音楽学校をやってる先輩がいるから聞いてみようか?
俺は研究団員になったのは遊びたいからではない。勝手に決め付けるな
だって心配で
お前は俺の母親か?
ゴヌはそういうと帰ろうとした
母親だったらもっと文句言うわよ。警察を辞めるときは殴ったわ。オーディションの前には特訓させるし。研究団員なんか許さない。ヒョンさんだって心配していた。そうしようか?叩きながら指揮の勉強をさせようか?私は耳が聞こえなくなるのに好きにするって?本当に幸せな人ね・・・
ルミは怒っていってしまった
ゴヌはどうしていいかわからない
二人のマニエストロは語り合った。天才とは遊んでいるのか?モーツアルトは遊びながら作曲したのか?
恐らく違うだろう。
おまえは挨拶はしないで減点。審査員の間違いを指摘して減点・・・そんな減点ばかりのやつに追い越されそうで、必死だった。俺のイメージは天才だ。青い顔も見せれない、必死でやっている様子も隠さなければならない。必死でがんばっているとお前に分かったらもっとがんばるだろ?
それは慰めか?
お互いふっと笑いあった。リトルカンゴヌはお前に似ている、頑固な所突っ走る所だから気に入った。一週間後来たら弟子として受け入れる、絶対にな・・・
カンマニはどうしたものかと考えた
いつものようにゴヌはカンマニを車で送ろうとまっていた。
恐れ多くて乗れない。少しは後悔しているのか?まいい、別れまで奉仕しろ
そういって車に乗った。
車の中でカンマニは・・ガム・・
といったり・・ラジオを変えろといったり・・CDをかけろといったり、ティッシュをといったり・・かんだガムをそれに吐いたり・・さんざんゴヌをいじった(笑)
どっちを選ぶか、聞くとカンマニのところで学びたいのが本心だといった。カンマニはそうか・・・じゃ誠心誠意尽くすことだと、いうのだった
練習が終わってルミはカンマニに呼ばれた
音楽がながれているのが聞こえるのに、
カンマニが話す言葉が聞こえない。
彼は口をパクパクしている。
気がついたルミは、聞こえていますから話をしてくださいといった
最初私が何を言ったかわかるか?
新聞がどうのとか
毎朝、新聞とエスプレッソを机においておけというのだった。何故と聞くと研究団員として働いてもらうためだという。なにを都合のいいことをいうのかしらと、鼻であしらった。
トゥルミさん、私のことが好きですか?
は??
最初の時より態度がきつくなっているから聞いてみた。恋心は無駄だ。お前の気持ちなど私のような物に対する劣等感の裏返しだ才能や地位に対する憧れだ
勘違いされています。
だったらなぜそんな態度を?私の知り合いにある先刻を受けた人がいた。しかしながらやたら戦闘的だったのは君に似ている。無駄なことだ。
失礼しました。
去ろうとしてカンマニは小さな缶をとりだした。あめをあげよう。耳にいい。ルミはありがとうと受け取って背を向けてちょっと笑った。すると注意しろ賞味期限が二年すぎている・・・
驚いてカンマニを見て呆れて部屋を出た
怒り狂ってその缶をゴミ箱に捨てた。しかし思い返してゴミ箱から缶をとりだした。
蓋のほこりを取って蓋を開けると黄色と紫のい丸い球がはいっていた。くんくんとにおって食べてみた。
メールを送った、風船ガムだったわ。本当に耳にきくの?
信じるものはすくわれる、信じたらお前の耳が聞こえるようになるかもしれない・・
ルミはむっとした
しかしカンマニは耳のことを調べていた。
ゴヌは一日中カンマニにこき使われていた。ワインは探しても無い。それをいうと徹底してさがせという。そのうえ音楽史の本を知らないかと聞くので、ワインと本どっちが先ですかと聞くとワインと答えがあった。
カンマニはゴヌの部屋にいって本を探した。そしてとんでもないものを見つける・・
それはミゼレーレの採譜だった。
カンマニは驚いた。ゴヌが帰ってきた、この採譜はお前がしたのかと聞いた
うまくいかなくてというと何回聞いたと聞かれた。一回です。モーツアルトもそうだというので・・
カンマニはピアノにむかった。
ポンと和音をひいた。
これは?と聞くとドとソです。とゴヌが答えた。和音を言え、完全5度だ。習ったろ。ゴヌは音楽の時間は寝ていたので和音は分からないという。これは?とまたカンマニがひいた。
ドとミです。
完全音程と長音程は知らないのか。
これは?
ドとファのシャープ。
和音で言え!!と大声でそういってたちあがったとたん、手が和音を抑えた。シ ド レ ミフラット、ファシャープ、ラのフラットです!!と同じく怒鳴ってゴヌはかえした。
やみくもに抑えた和音をゴヌが当てたのだった。その瞬間カンマニは凍りついた。ゴヌは和音なんて知りません。といった。
カンマニは部屋にはいった。動揺した。あの馬鹿今までなにをしていたのだ?あれほどの才能を・・・カンマニはイライラした。
インターフォンがなった。ゴヌは先生お客様ですと呼んだ。しかしカンマニは出てこない。
ゴヌガドアを開けるとミョンファンだった。カンマニに呼ばれたんだ、すぐ来ないと怒られるからといって笑った。
二人は部屋に入った。
ゴヌはどうしたものかと落ち着かなかった。急にミョンファンが部屋から出てきた、許可が下りた、あした空港で話そうという。
カンマニは望みどおりに奴についていけといった、
風船ガムをかみながらバイオリンの練習をしているルミにゴヌから電話があった。
もしもし??
しばらく声が無かった
もしもし??
御母さん・・・
ゴヌ?私の息子~~(笑)どこからかけているの?と聞いた
喧嘩別れしたから、携帯だとルミが出ないとおもったゴヌは公衆電話からかけていた。
電話が鳴ったときあんただと思ったという。全部お見通しのルミだった。
どんなにはなれていても分かるわ。
じゃ大丈夫だな・・
呼び出されたルミはミョンファンの弟子になって故郷の釜山にいくことになったことを報告した。そこで勉強するという。予備校も探して大学へ行くらしい。
二人は手をつなぎあって話をしながら歩いた。そして適当な所で座った。
うまくいっている様子にルミはほっとした。
研究団員になったときは頭にきたけどまた走り出したからよかった、でも寂しくなるのはわがままよね・・・
俺もそうだ。離れたくない。嘘でも嬉しい。
ゴヌはルミの手を取って自分のひざに置いた。初めてあったとき・・とルミはいった。私には先見の明があるのよ。あいつはいつか有名になるってピンときたわ。
先見の明か・・・・・ゴヌはだったら今から一分後何が起こるかわかる?とルミの肩に手を回した
ゴヌは静かにゆっくりとルミに近づいていく。
一分後?なんだろ?皆既月食?
なんだろ?お金を拾う?じゃなかったら・・なんだろ??
ゴヌの顔がどんどん近づいてくるので、ルミは・・・キス??といった。
ゴヌは笑って当てちゃダメだろう?という・・・。
そうか・・・
・・・・・・
もう一度
ゴヌは
は?といった
もう一度、先見の明からいって今度はあてない。
ゴヌはもう一度居住まいを正してルミに近く座りなおし方に手を回して・・
キス・・・
したか??
しないか??
のところでカンマニが犬の散歩に現れた。
二人とも、立ち上がった。
風紀が乱れている
馬鹿どうしのカップルだな見せ付けたいならどうぞ・・・
俺が誘ったのです。
あの・・・いいやつだし・・雰囲気も夜だし・・
アツアツでは付き合ってるわけでは・・
お前あわててたな、俺たち付き合ってい無いのか?俺はそうだと思ってた。
ああ。。あのアツアツってわけではないって言いたかったの。
戻ってくるから待ってて。
うん
俺たちの公演のDVDみるか?
うん
ゴヌが去ったあと
ルミはなんとなくカンマニの後姿を見ていた。
その公演の時のことを思い出していた。
あの時、音が聞こえなくなった。
あせったルミ。
でもカンマニが「私を見て・・・大丈夫だ・・うまいぞ・・・ああーマイクのテスト中。サムタク、野良犬、馬鹿 間抜け・・」と口の動きでいって彼女を落ち着かせた。
ルミは気持ちの中にどんどんカンマニが住み着いていくのを感じた
さて翌朝早くゴヌは掃除、洗濯、朝ごはんの容易をしてカンマニの服もたたんで、荷物を持って出発する。
先生・・言ってきます。食事はめんどうなら出前を取ってください、睡眠薬もやめて下さい、寝れない時は牛乳を飲んで半身浴をしてください。
カンマニはベットの上で読書をしていた。
いっても無駄だな。失礼します。
ゴヌは家を出た
トーベンが吼えた。
カンマニは静かにといった
あまりにもトーベンが吼えるのでカンマニはかんしゃくを起こした。
玄関のドアの外にはルミからの差し入れがドアの取っ手にかかっていた。
カンマエはトーベンと散歩に行こういけのあるところがいいといって出かけようとしたら、友人の医者から電話が鳴った。ルミの事だった。
ルミはカンマエに迎えにこいと電話があったことをゴヌにいった。
よろしく世話してくれとゴヌは言った
ルミはカンマニのいる公園についた。カンマニは池を見ながらたっている。思わずその後姿をみていたが吾に返って先生~~と呼んでみた。
振り返ってくれなかった。
空港でミョンファンに会ったゴヌ。
カンマニからは何も聞いていないという。
ただ、ミョンファンはあの日、呼び出されたときの話は内緒にしろといわれていることを前提に話をした。
ゴヌは天才だ。世間の天才もいるが私が認める天才もいる。お前と違い出世など求めない天才だ。才能があっても出世を望まない。モーツアルトがライバル、自由奔放で輝いている。人をひきつける魅力もある、ただ私には人脈が無い、派閥も無い弟子も居ない。大学にコネもない、後援者も居ない、こびる事も無い。わたしが導けば私ほどのレベルにしかなれない孤高の指揮者、永遠のAマイナー。目覚めが遅かったぶん、早く飛べるようにしてやってくれ、頼んだぞ。
ミョンファンは続けた
俺のライバルはあいつだけだ。だがあいつは俺には目もくれない。奴を俺が追っかけている。そんなゴヌが頼んできた。世界中の指揮者を見下している奴が他の見事なんか初めてだ、そこに職員がお時間ですといってきた。
歩きながら話そう・・・
ゴヌは考えていた。そしてミョンファンに実は俺は・・と切り出した。
さっさと帰れよ。もし俺の弟子になるというのなら恩知らずというぞ。がんばれよ。
ありがとうございました。と礼を言ってゴヌは来た道を戻り始めた。
とても嬉しそうに・・
しかもせっかちに帰り道を急いだ
こちらは池のそばのカンマニだった。
ルミに、聴力を残す方法ないという医者の言葉を伝えた
ルミが真剣に悩んでない様子なのでもし聞こえなくなったら鳥の声も雷も光るだけ、車が来ても気がつかない、お前のバイオリンさえも消えるのだぞ。
カンマニは分かっているのかとルミを揺さぶった。
その言葉はルミを恐怖に落とした
分かっているわよ。
お前は無自覚だ。忠告してやろうと思ったけどやめよう。聴覚神経腫瘍?おまえにぴったりだ。
そういって去っていこうとした。
ちょっと待ちなさいよ
いつも私は笑顔でいていると思っているの?
人の心がわからないの
見たままではないか、それだけのやつだ
本当の試練をしりもしないで、単純な上にいい女気取りだ。
実感もないしどうしていいのか・・・
ジャ教えてやろう。飛び込め。あの池だ。誰も助けてくれず逃げ場は無い、その時実感するだろう。それが絶望であり試練だ。それを経験すれば強くなる。完璧だ。ちょうどいい。
どうだ?
できないだろう?
所詮お前は口だけだ。
ふん、
といってカンマニは去っていこうとした。
やるわよ・・・
カンマニは振り向いた。
ルミは走り始め・・・
そして池の淵をけって飛び込んだ。
待て・・トゥルミ!!待て!!!
カンマニは止めようとしたが・・
ルミは池のなかに飛び込んだ・・
どうなる?
第7話おわり
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