ワンダーランドの日記帳goo

話題は何でもアリスです。ブログ人のワンダーランドの日記帳そっくり
引越しました。記事は検索機能で見つけて下さい。

マッサン125感想

2015-02-28 23:59:08 | テレビ番組
物言えば唇寒し秋の風5
エマのことで政春とも喧嘩した
エリーだった。
恋愛するにはまだ早いといったエリーに
それはわしらが決めることではないと
いった政春。
エリーは「わたしはエマのお母さん。
エマのことを一番よく知っている。」
言い切るエリー。

政春もたじたじになった。
エリーはある決心をした。

そして家を出た。
行先は工場、エマのいる場所である。
そこへすたすたと速足で歩いて
いった。
その後を特高がおった。

エマは工場で樽の移動をしていた。
しかし、樽って重いと思うけど。

案の定、樽をまっすぐ転がすことが
できなくて積んでいた
木箱にぶつけて倒してしまった。

一馬がかけつけて、「大丈夫か」と
いう。
「ごめんなさい。」
「いいよおれがやるから。」
一馬はコロコロと樽を転がして
隅っこにたてた。

そしてエリーに家に帰れといった。
「関係ない。」
「関係ないことない。」

「私は一馬さんと一緒に居たい。
一馬さんは違うの?」

そこへエリーがやってきた。
「エマ!」
「なに?忙しいの。
ようがあるならさっさといって。」

エリーは家のことを手伝って
くれといった。
エマは家のことは何もできない。
恋愛は女性としても自立をして
からでも遅くはないといった。

「いつ恋をするかなんて親が決める
ことではない、」とエマは反論した。

一馬はエマに帰るように促したが
エリーは、一馬に「あなたは
エマが恋愛をするほど
大人になってないことを
わかっているはず」といった。

「どうしてそんなこと言われなくては
いけないの?」
エマは怒った。
エリーも「どうしてお母さんの言うことが
聞けないのか」と
怒った。
政春がやってきた。
「どうしたんじゃ?」
エリーは怒って帰って行った。
政春もエリーをおって
いった。

残されたエマは一馬に抱き着いた。
「一馬さん・・。
一馬はどう思う?」

エリーは家に入っていった。
政春はそれを追いかけた。

ハナは洗濯物を取り込みながら
それを見ていた。
熊虎が「どうなったのか?」と聞く。
「どっちかというと
関係は悪くなっているのでは」
といった。
そこに足音がして
振り向くと特高がいた。


政春とエリーは家の中で話し合った。

「エリーだって初恋の思い出があるだろう
?」と政春は言う。
「相手は一馬でよく知っているし、
まじめて一生懸命でいいひとだ」と
いった。
政春はこの恋のどこが悪いのかと
エリーに聞くが。
エリーは「まだ、結婚は早すぎる」といった。
「跡継ぎのことは別問題だ」と
政春は言う。
「二人はしっかりしているから
暖かく見守っていこう」と
いった。

が・・・・エリーは納得してない。

工場ではエマと一馬が重たい
空気の中にいた。

「しばらく会うのをよそう」と
一馬が言う。

「どうして?」

「ブドウ酒造りに専念したい。」

「うそ・・・。
お母さんに言われたからでしょ。
何で気にするの?」

一馬は「政春とエリーは恩人だから」
という。
エマはエリーが思っているほど
自分は子供ではないという。
「一馬さんだってそういって
くれたじゃない。」

エマと一馬は木箱に座って
並んで話をしていた。


エマは一馬の気持ちを聞いていないと
いった。「自分のことをどう思っているのか?
今でも妹のように思っているのか?」
そう聞いた。

「私は違う、私は一人の男性として
一馬さんを見ている。
そう思っている。
私は一馬さんが好きなの!!

一馬さんは?」

一馬はじっとエマを見た。

「答えてくれないのね。
私が傷つくから?
何でなんにも言ってくれないの?」

一馬は黙ったままだった。

エマは「いくじなし」といって立ち上がり
走って行った。

一人になった一馬は帽子を取って
涙をふいた。

政春は森野家にいった。

熊虎はエリーが一緒でないので
聞くと、エマを待つといったらしい。

エリーさんは納得したとハナが聞くと
政春は否定した。

俊夫は「まさかですのう」といった。
何がまさかかとハナが聞くと
「恋愛はまだ早い破廉恥だと
融通の利かないお坊ちゃまが言うのは
わかるが、エリーさんがいうとは。

エリーさんは大恋愛をして駆け落ちを
して日本に来たから・・・。」

「だから自分のことと娘のことは
別だ」とハナが言う。
「あのエリーがのう。なんでじゃ・・・」
と政春はいう・
熊虎は
「戦争のせいだ」という。
「石を投げられたり
特高にひどいことを言われて
おかしくなったのでは」と
心配した。

みんなエリーさんはそんな弱い女性
ではないといった。

「しっかり考えて覚悟を決めて
日本に残ったのだから」とハナは
いった。

エマの夕食が残っているテーブル。

エリーは自室で政春の言葉を
思い出していた。

「エリーだって初恋の経験が
あるじゃろ?
エリーが初めて人を好きになったのは
何歳じゃった?」

エリーはテーブルの上に飾られた
アザミを見た。

そのアザミこそ、エリーの初恋
ジョージからもらったことがある
花だった。
エリーは涙をふいた。

そして、あろうことか
エマの部屋に入って机の引き出し
にある日記を開いた。

そこにエマが帰ってきた。

政春はエマを追いかけた。

エマは自室に入ってエリーが
いるのに気が付いた。
しかもエリーはエマの日記を
読んでいた。

「何で読むの?」

「読まれたらいけないことでも
書いてあるの?」

「いい加減にして。
私はお母さんの操り人形ではない。
自分のことは自分で決めるし。
自分のしたことにはきちんと責任を
もつ!
もっと私を信頼してよ。」

「もちろん信頼している。
だけど、エマ・・」
政春は「エリー」と声をかけ
「何ぼ何でも日記を読むとは」と
エリーを責めた。
「やりすぎだって。」

エリーは政春に「エマと話をさせて」
といった。
エマは、「いやよ、お母さんと話なんか
したくない」といった。
エリーは「プリーズ、どうか
お願い」と政春に懇願した。

政春は折れた。
そして部屋を出た。

エリーは話をした。

「お母さんがなぜ、恋愛に反対をしているか
わかる?」
「私が子供だからでしょ。」
「それだけではない。
一馬は戦争に行かなければ
ならないかもしれない・・・」

「そんなこともちろんわかっているわ。」
「わかってない。
エマにはお母さんと同じ思いをさせたく
ないから・・・」

エリーはお父さんも知らない話だと
いった。
*******************
振り向けば特高がいた・・・

ほんとに、いたるところに
じっと見ているのですよね。
この時代の家は中の話声が
外に聞こえたっけ???

よく見ていますね・・・。
ほんと。

でもエリーのやり方は
厳しいです。
恋愛を反対するのはともかく
日記まで読むのかと
思いますけど・・。

しかし、エリーには悲しい過去が
あったらしく、その話は
明日になってしまいましたね。




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マッサン124感想

2015-02-26 17:38:47 | テレビ番組
物言えば唇寒し秋の風4
「私一馬さんに恋をしているの・・」
エマの初恋にえーとマッサンは驚いた。
まだ子供だとばかり思っている
からだった。
しかも、一馬も・・・同じ思いだった。

工場のお昼がすんだ。
俊夫と熊虎、政春は
話をしていた。

俊夫は「これで工場の跡取りが
できてよかったよかった」と喜ぶ。

まだ、二人が結婚をとは決まって
いない。

熊虎は「結婚も考えないで付き合いを
させるのか?」と政春に聞く。

それを言われると、この時代、
全く不道徳になる。

エリーは、いつもの発言力がない。
ハナはまだエマは子供だといった。
同じ年の娘たちと違って
エマはまだ幼いし、純粋だ
という。
エリーはその言葉に救われた。
エリーもそう思っている。

家に帰った二人。
エリーは政春に一生懸命伝えた。
「ハナのいうとおり、エマは学業半ばで
戦争がはじまり
中途半端、世間で働いたことも
なく、何も知らない子供だ」と言い切った。
「恋に恋をしているだけだ」という。
「跡継ぎの話は別にしても
好きになったことは、なにも
言えない。」と政春。
「エマは本当の愛も知らない。
憧れているだけだ」とエリーはいった。
「私は認めません。
エマが帰って来たらよく話し合います。」

政春は驚いた。

エリーは、何か決意をもって
テーブルのアザミを見た。

その夜、エリーはこの恋は許さないと
いった。
「エマはまだ、本当のラブを知らない
しわからないでしょ。
まだ恋愛するのは早すぎる。もっと
社会を見ていろいろ勉強して。」
エリーはそういったが
エマの反論はその上を行った。
エリーが常々自分の思うがままに
やってみろといっていた。
そのとおりやっている
のに、なぜ突然そんなことを
いうのかという。
エマはエリーが嘘をついた
としか思えない。この期に及んで
矛盾している。
エリーは「エマの幸せを思って
話をしている」といったが
エマは「何もわかっていない」といった。
「自分がどんな悩みを抱えて
いるのか、何に苦しんでいるのか
何をやっても完ぺきなお母さんに
わかるはずなんかない。」

「世界中で一番エマの幸せを願って
いるのはお母さんよ」とエリーが言うが
「問題をすり替えないで」と
エマは反論した。

親子の修羅場となった。

政春は熊虎や俊夫と
森野家の囲炉裏端で飲んでいた。
俊夫は、こまかい女の子の
恋に恋する気持ちなどわからない。
これで俊夫と政春が親戚になること
に、いらぬ心配をしていた。
一馬は義理の弟でその一馬がエマと
結婚したら、政春は義理の父親になる
と面喰っていたが。
しかしながら、俊夫とハナが結婚しても
なお、一馬は俊夫を工場長と
呼び、熊虎をお父さんと言わないで
そのまま熊さんと呼んでいるので
おそらくエマと一馬が結婚しても
そのまま政春をお坊ちゃまと呼ぶだろう
という結論を自分で出した。
政春も熊虎もそれどころではない。
エリーとエマの話し合いはどうなった
のかと、心配だった。
エリーは、エマの恋愛を認めないのだ。

そこへエマが泣きながら入ってきた。
どうしてもエリーに認めてもらえないので
泣いている。
「お母さんが、お母さんが・・
大嫌い!!!!」
と言って大泣きになった。

皆がしーんとなったとき
一馬がエマに駆け寄ったが
ハナはエマを連れて自分の部屋に
いった。
「どうしたのですか?」
一馬が聞く。
「ああ・・・」政春は
答えられず・・エリーの部屋のほうを見た。

エリーはエマの幼いころの
思い出をたどっていた。

好き嫌いがひどいときに
「Ok everything ok!
ほな、なにも食べへん!!!」

とストライキを起こした時。

自分がもらわれてきた子だと知って
高熱を出して、お母さんを呼んでいた
時。
参観日に私の家族という題で作文を
書いて発表したとき。
『私の夢はいつかお母さんみたいな、大人に
なることです。』

そして
はじめてあったとき

小さなエマを抱いたときの喜び。
「パパとママをよろしく。」
思い出はとても優しいのに
現実は厳しい。

政春が帰ってきた。

ため息をついて
リビングに腰を掛けた。

「エリー、エマはハナちゃんとこにいる。
エリー、どうしたじゃ?」
政春は、「自分も手放しで喜ぶこと
はできないけど・・・恋をすることは
成長のあかしじゃ」といった。
「誰もが通る道だし、それを止めることは
できない。」

「やりたいことをやって
自由に自分らしくやって欲しいと
いつも思っている。
しかし、恋愛はまだ早い。」

「それを決めるのは自分たちではない」と
政春が言うと
エリーは大声で言った。
「私はエマのお母さん。
エマのことは私が一番よく知って
いる!!!
何でも知っている。」

「・・もう寝よう・・・
政春はエリーの異常さに驚いた。
一晩寝たらエリーも冷静に考えられる
ようになるけん。」

エリーは、「私は冷静よ」、といった。

世の中は戦争一色だった。
千人針を縫う女性たち。

中島の床屋で
熊虎と進はひげをそって
もらいながら、中島夫婦と
エマと一馬の話をしていた。
今エリーは、家から一歩も出ていない
し、エマは工場を手伝って
いるという。

親子は断絶したままだった。
「エリーさんはもっと進歩的で
自由を尊重する女だと
思っていたけど」と進が言った。

「娘のことになると別なんでしょ。」
とチエはいう。

「母親にとってはいくつになっても
子供は子供だからね。」

男親と女親では感じ方が違う
というが
三郎は「エリーさんはあの特高事件
以来、病んでしまっているのでは?」
といった。

「そのうえ特高にまだ見張られて
いるし、町にでたら
石をぶつけられるし」と
進が言うと三郎は
「なにしろ、鬼畜ですから」と
口を滑らせた。

熊虎はぎろっと三郎をにらんだ。

「俺が言っているわけではなくて
です」と三郎は言い訳をした。
「今度エリーのことを俺の前でそんなに
いったらただでは済まないからな!」

「わかってますって。」
三郎はおどおどしながらいった。

「困ったね・・・」
とチエは現実の話をした。
「若い二人の心にはもう火が
ついているのでしょ?」

三郎は「俺にもそんな時代があった
なぁ」というが相手はチエではないと
いったのでチエは驚いた。

「しかしこの問題は、さほど長引かないよ」
と進は言う。
「そろそろ来るから・・・・。」

熊虎は、はたと気が付いて
黙ってしまった。

「だから長引くことはねえべ」と
進は言った。

特高がエリーの家を見ている。

エリーは和室に座っていた。

そして、テーブルにいけてある
アザミの花をみていた。
********************
エリーの反対の仕方はなにかわけがある
と思います。
何かわけがあるからこのような
反対をするのです。
エマの戦争への憎しみは大きくて
いくら愛国心教育をしても
おかしいと思っている。
しかし、そのことを口に出して言えば
まわりにめいわくがかかる。
それでなくてもエマの母親は
鬼畜米英といわれる英国のスコット
ランド人である。
政春のおかげで、エリーもエマも
着るものには不自由
をしているふうではなく、
食べ物にも不自由をしている
ふうではない。
着ているものが人よりちょっと
いいものである。
食べ物もいいものを食べている
と思われる。
勤労奉仕への苦痛と
先輩のいじめでいっぱいになって
いるエマだったが、これをなぜ
エリーと政春に言わなかったのか。
結局は母親が外人だからと
いうことでいじめられていると
エリーを悲しませたくなかった
のだろう。
じゃ、勤労奉仕などしないで
最初から工場で働いたら
よかったのにと思った。

ほんとうにエマはエリーの
いうとおり、恋に恋をしている
だけなのかな???


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マッサン123感想

2015-02-25 18:22:56 | テレビ番組
物言えば唇寒し秋の風3

一馬が葡萄酒づくりに取り掛かって
10日たった。

その過程での提案を政春に
した。
「酒石酸は樽の中に入れた葡萄酒が
冬の寒さで沈殿分解することで
直接採取できますがそれでは冬が来る前に
納品することは不可能です。
そこで脱酸用の石灰を入れ人工的に
酒石酸カルシウムをちんでんさせ
採取してみようかと。」

政春は、「じゃけど脱酸用石灰では
溶解度が低いだろう?
うまいこと溶かせるんか?」と聞く。

一馬は「一度には無理なので少しずつ
何回かに分けて溶かしてみようかと
ただ一つ問題があって、飲み物として
葡萄酒は酸味のない飲み物になって
しまい、うまいものにはならないと
思います。」

一馬はその葡萄酒をグラスについで
政春に渡した。

「ああ、それはかまわん。
もともと海軍さんがほしがっとるんは
酒石酸じゃ。酸味の抜けた葡萄酒は
まぁ、甘味料を足すなどして工員さん
たちに分けてあげてもいいしのう。」

それで石灰をいれることで話が
ついた。

そこにエマが勤労奉仕から帰ってきた。
いきなり、エマが現れたので
驚く政春。
「どうしたんじゃ?」
と聞く。(あたりまえだね)
エマは一馬の助手をしているといって
割烹着をだした。
「どういうことじゃ?」と
今度は一馬に聞いた。
「いや・・・それは・・そのぉ・・」

エマは「助手というのは冗談。
気晴らしに見学させてもらってるだけ」
という。

政春は、「気晴らしに、葡萄酒づくりを???」
とまたわけわからない。
エマは、「かってでしょ。
さぁ、邪魔だから出て行って。」
ときつく言った。

エマは「夕ご飯は先に食べてて。
もうしばらくここで見学している
から・・」と言って政春を追い出した。

「おい・・おい・・」と
政春は部屋から追い出されて
あっけにとられた。
何が起こったんだ?と
いぶかしそうに部屋の中をのぞいた。

エマは、なんだか髪の毛にかわいい
髪留めをしていた。

昼ごはんは、森野家と一緒
にその話でいっぱいだった。

エマが夕方になると一馬の研究所に
きていること。
どうやら毎日だと俊夫が言う。
エリーは帰りが遅い理由がわかった。
で、エマはそこでなにをしている
のかと、みんな不思議だった。

熊虎は、「わかってねぇな、おまえら」という。

「エマもそういう年頃になったって
ことだべ。」

つまり、恋愛をする年頃である。

エリーも政春も驚いた。

「いつまでも子供だと思っている
のは親だけだ。おらだってハナを
子ども扱いしていたから」というが。

ハナは小さい時から掃除、洗濯、料理
をしていたという。時には耳掃除まで
させられたと文句を言った。
どこが子ども扱いだというのだ。

俊夫は耳掃除と聞いて、自分はしてもらって
いないから、今晩してくれという。

「いやだね」とハナはいった。

政春は「問題は、エマが一馬を好きだというの
か?ということだ」という。
「まさかそんなことはない」と
政春とエリーは笑った。

熊虎は「じゃが年頃の娘がブドウが発酵して
行くところを見て面白いと
思うのか?」と聞く。

つまり一馬のそばにいたいだけだ。
といいたいのだ。

俊夫は仮に熊虎の言う通りのなか
だったらもうすでに二人は耳掃除を
する仲になっているのかと
大声で言う。

政春は、「ちょっと待ってくれという。
エマは女学校を出たばっかり
だ。」と反論。

熊虎は、「女学校を出ずに嫁に行く
娘もいるではないか」と反論。

俊夫は「一馬とエマがそういう仲になって
いるのだったら、
一石二鳥だ」という。
「後継者問題が解決した」ということだ。

つまり二人が一緒になったら一馬は政春の
義理の息子だと熊虎は念を押した。

政春は「そんなに簡単に言わないでくれ」と
いう。
熊虎は「そうなったら万々歳だ」という。

「ただ大きな問題が一点」と
俊夫が言う。
「一馬が政春の義理の息子になったら
わしとお坊ちゃまが親戚関係になる
ということだ。
今までお坊ちゃまと言って距離を取って
きたけど、親戚になるとややこしくなる
という話だ。
たとえば
こら政春
しゃんとせんか、政春。
おまえは小学校の時にわしを
柔道で投げ飛ばしたことを
いまだに自慢に思っているのか?
どうなんじゃ
政春!!!
・・・・・・・・・・・・・・・
っていえるか?」
と俊夫はハナにいった。

「今まで通りでいいんでねぇの?」
とハナ。
「ガキの頃に投げ飛ばされたことを
いまだに根に持つか???」と熊虎。

「かわいそうに・・・いまだにひきづっている
のね。」

政春はそれよりもエマのことが
気がかりになっている。
「確かに一馬がエマの婿になったら
わしにとっては都合のいいことだろう。
だけどエマはまだ子供だ。
そもそも本人同士がどうなのか
わからないのに?」

「聞いてみたらどうでがんす?」と
俊夫。
熊虎も賛成した。

夕飯時、エマの分の夕飯に布巾を
かけるエリー。

エリーも、政春の言うとおりに
エマはまだ子供だといった。
そんなこといちいち聞かなくても
いいことだろうと二人は
結論を出したが・・。

そんなとき、その二人が肩を並べて
歩いていた。
一馬がエマを家に送り届ける
ところだった。
もう家の前だけど。

「また明日もお邪魔するわね」と
エマが言うと
「勉強でもしたほうがいいのでは?」
と一馬がいった。

「何でそんな意地悪を言うの。」
とエマは言い返した。
「一馬さんのバカ!」といってエマは一馬の
うでを押した。
その力に押されて後ろに下がって
しまった一馬は
「やったなぁ~~」とエマを追いかけたが

エマは走っているときに一馬が置いた
鐘を入れた木箱に足を取られて
ころんでしまい、大きな音がした。

その音に驚いた政春とエリーは
窓を開けた。
エマはころんで倒れたので
一馬が起こした。
エマは起こされてまっすぐに一馬の
顔を見て
「好き!!!」

といった。

「一馬さんは??」

と聞くと

窓があいて、「なにしとんじゃ?」
と政春とエリーがでてきた。

「ちょっところんだだけ。
じゃまた明日ね~」とエマは
何事もなかったかのように
手を振って家に入っていった。

ぽかんとする政春とエリーに一馬は
鐘を入れた木箱をわたして
帰って行った。

夕飯を食べながらエマは
まさか自分たちが注目されて
いるとは知らずに、無邪気に
「実験うまくいったよ」と報告を
した。
残った葡萄酒は砂糖を入れたら飲めるものに
なることも報告した。

政春は「それはよかった」といった。

エマは相談があるという。
「勤労奉仕をやめていいかな」といった。

あくまでもいじめられていることは
伏せていた。
「お父さんの軍需工場を手伝うと
言えば許してくれると思うの」と
いう。
「かまわないが、なぜ?」
「言いたいことも我慢するより
そのほうがいいし、人手不足
だろうから」という。
仕事は事務ではなく俊兄や一馬と
一緒のものをといった。

政春は驚いたが、エリーは「無理だよ」と
はっきりいった。

しかしエマは自分と同じ年頃の女性も
働いているのでできるという。
「やりたいことはやれって言ったでしょ」と
エマは主張した。
政春はあくまで
「なぜ、そのような状況展開になる
のか」と聞いた。

エマは、「正直に言うと一馬に恋を
している」といった。

「恋?」

あまりのことにエリーも政春も
話ができない。

エマは、「一馬さんはどう思っているのか
わからないから。温かく見守って
ください」といった。
そしてお茶を飲んで部屋に帰って行った。
二人はだまったまま顔を見合わせた。

エマはその日の日記にこう書いた。
「一馬さん野葡萄の発酵実験12日目。
ついに一馬さんにI love you,と告白
してしまった。
一馬さんは少し戸惑ったようだった。
だけど、決して迷惑という態度はしめさなかった
ように思う。」

翌朝、会社に出た政春はもう一馬が
働いているのを見て
陰に隠れた。
そっとガラス窓から覗くが
どうなんだろうと声をかけづらい。

その時、「できた!!!」と
一馬の声がした。
驚く政春を一馬が見つけて
「マッサン来てください、早く」と
いった。
酒石酸がとれたのだった。

「石灰をほんの少しずつ30回ぐらい
に分けて溶かしてみました。」

昨夜は徹夜だったという。
「始めたら夢中になってしまって
気がついたら朝でした。」

政春は、「あはははは…と笑って
ご苦労さん、さすがわしの後つぎ候補」と
いった
「後つぎ???」
と一馬は聞き返した。

政春は、「いや・・あの、その・・」
と、しどろもどろになった。

エマはいつもと違って楽しそうに
ミシンを踏んでいた。
笑顔だった。
よしえは「もう明日から来ないのか」と
聞く。
エマはやめるつもりだからだ。
「ずいぶんとたのしそうね」とよしえ。

「私ね、恋をしているの。
すごく楽しいから。
よしえちゃんも、するといいよ。
きっと生きていることが楽しくなる
から。」

さて、一馬は・・・。
政春は昨夜エマから一馬が好きだと
いったこと、これは恋だといっていたこと
を一馬に言った。
「エマの気持ちは知っていたのか?」
「はい・・・・。」
「一馬は・・えっと・・どう思っているのか?
どうなんだ?」

一馬は黙っていた。



「こんな時代に女性を好きになるなんて
不謹慎だし、相手は社長の娘さん
だし・・・」

「一馬もエマのことを好きなのか?」

「はい・・・・」

「ええ加減に中途半端な気持ちでは?」

「違います!!!」

エマは、笑顔でミシンを踏んだ。
******************
恋っていつでもどこでも
誰とでもできるものなんでしょうかね?
エマは楽しそうです。
あんな笑顔のエマって珍しいです。
しかしエリーはうれしそうでは
ありません。
どうなるのか??
この時代の恋は??

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マッサン122感想

2015-02-24 18:01:09 | テレビ番組
物言えば唇寒し秋の風2
エリーと小さな喧嘩をした
エマだった。
エマがいないときに机の引き出しを
勝手に開けられたので
怒ったのだった。
子ども扱いするとエマはエリーに不服だ
った。
エリーはまた人一倍娘のことが心配
なのだった。

翌朝、朝ごはんの時間になってもエマが
こない。
「ごはんだよ」とエリーが呼びに行くが
返事がない。
そのうちエマがやってきた。

「おはよう」と小さい声で言う。
「おかあさん、
Sorry about yesterday,
I said to mach.」

エマが言うのでエリーは立ち上がって
「エマ、大丈夫よ」とエマを抱きしめた。

エマは「だけど勝手に引き出しをあけたり
しないでね」といった。
「お掃除もかたずけも自分でできるから。」
エリーは「わかった、約束する」と
英語で言った。
こうして二人は仲直りをした。
勤労奉仕に出かけるエマにお弁当を
渡した。
しあわせな家族の朝の風景だが
エリーは、特高が見ているのを見た。
政春はエリーをだいて家にはいり、カーテンを
しめた。
政春は「これからも親子三人仲良く
やっていこう」といってエリーに相談が
あるという。
「俊兄に工場の後継者のことを
聞かれた。」
つまり、跡継ぎをどうするかという
問題である。
「エマに婿を取らせて継がすことなど
考えていない」と政春が言うと
エリーも同じ意見だった。

跡継ぎはそろそろ育てたほうがいいから
・・
広島の長女の息子の悟が北海道に来る。
発酵の勉強をするというのだ。
政春は悟にブレンドの技術を
教えようかと思うと話をした。

エリーは、悟が北海道に来るのは
いいとしても、ほかに身近にいい人が
いるといった。

一馬だった。
エリーの一押しは一馬だった。
一馬を育てようとエリーは言う。
マッサンと一馬もよく似ている
まじめだしうそがつけないし
別居う熱心で働き者。
大丈夫一馬ならいいブレンダ―に
なれるとエリーはいったので
政春はなるほどと思った。
かれはいま山葡萄からワイン
を作っていた。
さて、問題は毎日、毎日
いじめを受けているエマだった。
お昼ご飯はよしえのお弁当は
かぼちゃとじゃがいも
であるがエマは白いご飯に梅干と
卵のおかずである。
「おいしそう」、とよしえがいうと
エマは「食べる?」と弁当箱を差し出した。

するとあの、先輩二人が来た。
名前がわからないので、
きれいな人と丸い人という
表現で行こうと思う。
きれいなほうのひとは
エマのお弁当を見てぜいたくだと
いった。ぜいたくは敵だという
言葉を知っているのかときく。
今度の日曜日、竹やり訓練の後
防火リレーのバケツリレーをするの
で、参加するかと聞いた。
エマはいつもこういった訓練は参加しない。
それは無駄なことだと思っている
からである。
きれいなほうが、なぜ参加しないのかと聞く。
今まで一度も参加していないときつく言った。
「外国人の母親がいくなといっているから?」
「そんなこと言っていません。」
「じゃ何故?」
エマは「無駄だわ」といったので「え?なに?
聞こえない」と先輩は言う。
よしえは「一緒に行くよね」と助け舟
を出すが、黙ってうつむくエマに
二人の先輩は業を煮やしていった。
「わかった、もうあなたは来なくていいわ。
非国民!!!」

そんなことがあって、その話を一馬に聞いて
もらった。
「自分の意見がはっきり言えないし
両親のように強くなりたい
のに・・・何のとりえもなく
誰からも必要ではなく
つまらない子だから。
いつまでも両親から子ども扱い
されるんだわ」と
いった。
「血がつながっていないからかな?
育ててくれた外国人の母親と
留学していた父親の影響をうけて
私の考え方はほかの日本人と少し
違う。
いったい私は何人なのかな?」

横並びが日本人だからね。
この時代は特に。
皆と一緒でなくては
非国民だとののしられてるか
かたわもの、といわれるか・・

個性は必要とされてない時代
だからね。

一馬は「エマはエマでいい」といった。
「エマはエマ、ほかの誰でもない。」
という。
エマは、「だから私が何者なのか
分からなくなっている。」といった。

一馬も、「自分は何者かと思っている」
という。
「このまま銃後でぐずぐずと働いている
事が恥ずかしい」というのだ。

横並びで早く戦地へ行きたいのだ。
「幼馴染はほとんど戦場へ行った。
工員の旦那さんや息子さんも
戦地で必死で戦っている。
いくら海軍さんの仕事とはいえ
このまま、ここでただ赤紙がくるのを
じっとまっているのでいいのかと
そんな消極的な自分に嫌気がさす」という。
「偉そうなことを言いながらも
戦争へ行ったら死んでしまう、
と赤紙を恐れている自分がいる。
そんな自分の中の矛盾を忘れ
られるのは仕事だけだったから・・
だから、この仕事を引き受けたのだ」と
一馬がこの間から悩んでいることを
話した。
エマは「戦争なんかに行かなくて
いいじゃない」
といった。
一馬は「俺は男だからそういうわけには
いかない」というと
エマは「関係ない」と言い切った。

エマの個性爆発である。

この時代で、こんな個性ある女性はいないはず
である。

関係ないというは男も女も
日本人も外国人も命の大切さ
には変わりないものということ
だった。
男だから、命は軽いというわけではない
というのだ。
一馬はこんな大切なことをさらっといった
自分に驚いた。
父や姉にも言ったわけではないのに。
エマにいってしまった。

「うれしい、一馬さんの気持ちを聞けて。」
といった。

一馬は「マッサンには言わないでといった。
葡萄酒づくりを任せてもらえなくなる
から」という。
「もちろん誰にも言わないわ。

約束する・・・」
といって小指を出した。

一馬はエマと約束の指切りをした。
****************
特高に聞かれないようにね・・・。
大丈夫かな?エマ。
非国民?
竹やり訓練なんて意味がないという
のもいったらとんでもないことになる
から、自分の命を守るためには
消極的になってなんにも言えないほうが
いいかもしれないよ。

で・・・約束は指切り?
かわいいです。




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マッサン121感想

2015-02-23 16:08:16 | テレビ番組
物言えば唇寒し秋の風1
1943年昭和18年秋。
日本がエリーの国スコットランドなど
連合国と戦争に突入して二年。
女学校を卒業したエマは
勤労奉仕で兵隊さんが着る軍服を
作っていた。

一斉にミシンを動かす女性たち。
一言も何も言わずにただひたすらミシンを
動かしている・・・。

中島の床屋ではラジオが軍歌を
流していた。「北海の御盾とたちて二千余士・・」
中島は客の
少年の頭をくるくるにかりあげ
「さぁ、できたよ」といった。

少年は「ありがとうございます」といった。
「しっかり頼むよ」と中島。
「体に気を付けてね」とチエが言った。
「お国のために力いっぱい頑張って
きます。」
いつものように将棋をしていた
熊虎と進は少年が店を出る
とき、 万歳を三唱した。

ラジオは勇ましい軍歌を流し続けている。
「五月十二日暁こむる霧・・・」
少年は敬礼をした。
熊虎たちは頭を下げた。
少年は出て行った。

「また、男が出て行ったな。」
中島は美容室に変えようかと
いった。
チエは「欲しがりません、勝つまでは」
と厳しい口調で言う。
もう一人客がいた。
一馬だった。
厳しい顔をして考え事を
していた。

工場では政春がブレンドをしていた。
お昼の鐘が鳴った。
俊夫が入って来た。
お昼食べに行こうといった。
政春は「もう少しやるから
先に行っててくれ」といった。
俊夫は「品質は問わない
と海軍に言われているのに
熱心に何をブレンドして
いるのか」と聞く。
政春は、「未来のためにブレンドをして
いる」といった。
「遠い10年、20年の後の未来に
世に出る原酒をブレンドして
置く」という。

「その時わしらは生きているかな」と
俊夫が言う。
政春は「俊兄は生きている」といった。
「憎まれっ子世にはばかると
いうから・・・」と軽口を言った。
俊夫は「うーんなるほど」と
納得して、「それじゃわしは
永遠に死ぬことはできんような気が・・・。
何でじゃ!!!たまげるわぁ。」
と自分でぼけて自分で突っ込んだ。
あははははと二人は
笑った。
俊夫は「それはいいけど
その時だれがブレンドをしているのか」
と聞いた。
政春は、はたと答えに困った。
「お坊ちゃまだって年を取る。
鼻も舌もききにくくなる。
その時はどうするのか」と聞く。
政春は「まだそんなことは考えて
いない」といった。
俊夫は「エマお嬢様に婿を取って
この工場を継がせるおつもりでしょうが。」
と当然のように言う。
政春ははっとした。

「エマに婿?そがなことはまだまだ」
と言ってあわてたのか
ブレンドしている原酒をぐいっと
やってしまった。
こほこほと咳き込むので
「ああ~~」と俊夫は顔をしかめた。
「ブレンダ―は一朝一夕になれるもんじゃ
ありません。
婿探しをそろそろ考えたほうが
ええんじゃないですか?」
政春は、大きな目をきょろきょろと
して、困った顔をした。

そんな時に海軍の将校が来た。
「ごくろうさんでがんす」と
俊夫は立ち上がった。
政春も立ち上がった。

将校の用事は葡萄酒を作って
もらいたいということだった。
ウヰスキーも男手がないなか
大変なのに、この上ワインとは?
と政春は怪訝そうに将校
にたずねた。
将校は「葡萄酒を飲みたいという
わけではない」という。
必要なのは酒石酸だといった。
ワインを作る過程でできる
物質である。
それを取り除いてワインが
出来上がるということだが。
それを冬を迎える前に納品して
欲しいといった。

森野の囲炉裏端で遅い昼を食べる
エリー、政春、俊夫、一馬だった。
その話を政春がした。

「艦船や潜水艦の音波探知機に使うらしい」
と政春が理由を言った。
一馬はそれを理解して俊夫に説明
した。
「粗酒石に加里ソーダを化合させると
ロッシェル塩という少し大きな結晶が
精製されます。
このロッシェル塩が音波をすばやく
とらえる特性があるんです。」
つまりワインよりその過程にできる
酒石酸がほしいということを
いうていると政春はいう。

「なるほどのう~~~」と俊夫はいった。
ハナは「俊夫さんは意味わかっているの?」と聞く。

「さっぱりわからん。」

政春は「気が乗らないな」という。
「ウヰスキー増産で人手がたりない
なか、冬を迎える前に納品は
できない」といった。

しかし、海軍指定工場だから
断るわけにはいかない。

「俺に任せてくれませんか?」
と一馬が言う。
「余市の近くでは山葡萄が取れるし
葡萄酒を作る方法は
前に本で読んだことがあるから」と
いった。

俊夫は「それだったらわしだってリンゴ
ワインを作っていた」と反論。
しかし冬になる前に酒石酸をとるとなると
リンゴでは間に合わない。

政春は「よっしゃ。一馬に任せてみよう」と
いった。「うまいこと行くかどうかは
二の次じゃ。
何より一馬が自分からやってみたいと
言うてくれたことが
わしはうれしいんじゃ。」
と笑いながら政春は言う。

「いうだけじゃったら誰でもいれる
けどのう。」と俊夫。

「ありがとうございます。
だったらすぐに山葡萄を仕入れに
行ってきます。」と立ち上がった。

エリーは、笑って「一馬がんばって」と
いった、

さて
こちらは
エマは・・・

みんなが
終わってもなおまだミシンを
踏んでいた。

それゆえ、エマの班は帰れない。
エマが終わるのを待っている。
すると班長らしき娘がやって
きて、エマに嫌ごとを言う。

「亀山さんまだできてないの?」

「すみません・・・」

エマが言ったのでよしえが
「今日はミシンの調子が悪くて」と
いって助け舟を出した。

「精神がたるんでいるからじゃない?」
と責めた。

もう一人の女性がいった。
「あなた学生の頃戦争は愚かな行為だと
いったことがあるそうね。
まさか、今でもそう思っているの?」

「そんなことは思って・・・」
とよしえが助け舟を出そうとした。

「よしえさんは黙っていて!」と
先の娘が言う。
「どうなの?」と二番目の娘が
意地悪そうに聞いた。

「思っていません。」

エマは小さな声で答えた。

先の娘が
「じゃ鬼畜米英を一日も早く撃滅
することを
・・
心から

願ってる???」

と、また意地悪そうに聞く。


「はい、願っています・・・」

これも小さな声でエマは答えた。

自転車で家に帰るエマ。

ふりむくと後ろに特高が
ついてきている。

そこへ「お帰り」と一馬が山葡萄を
もって現れた。

「どうしたんだ?」
と一馬はエマの様子がおかしいので
聞いた。特高がつけているのも
しっている。

工場に入ってエマは一馬に
思いを話した。
勤労奉仕に行きたくないこと。
戦争に使うふくなんて作りたく
ないこと。

今はエリーのスパイ事件もあって
はっきりと戦争は嫌だと思うと
エマは言った。

「言いたいことも言えない。
やりたいこともやれない。

じゃ、私はなんなの?
私もお父さんのように大きな
夢を持ちたい。
お母さんのように行動的で
強い勇気を持った人になりたい。」

一馬は山葡萄を洗いながら聞いていた。

「でも、何も見つけられない。
夢も希望ももてない自分が情けなくて。」

「驚いたな。
エマはまだまだ子供だと
思っていたのに。」

「ひどい、一馬さんまでそんなことを。」

「どういうこと?」

エマは座っていた椅子を椅子ごと
あるいて
一馬のそばまで移動した。

「勤労奉仕が嫌ならうちの工場を
手伝えばいいってお父さんが言った」
ということ。
「お母さんは戦争を言い訳にしては
だめ。英語を勉強したかったら
家の中で教えてあげるって・・

まるで子ども扱い。」

「あははは、そんなことはない。
エマはずいぶん成長した。
それにエマだけではないよ。
今の時代に悩みを抱えて生きているのは。」
「一馬さんも??」

一馬は
何も言わずに白衣を着た。

エマは、「何を作るの?」と聞いた。

「葡萄酒を作るんだ」と一馬は
答えた。
そのことがうれしいのか、その責任者
だといった。
エマは「一馬さん出世したのね」と
いった。

「生意気言って・・・」と一馬は
エマに笑って言った。

エマも笑顔になった。
一馬は「困ったことがあったら何でも
相談しろよ」といった。
「相談料は一回一円だ。安いか?」

エマはあきれて、笑った。
「エマには笑顔が似合うね」と一馬が言う。
「じゃ、笑顔の見物代、一回10円」と
いってエマは手を出した。

「おいおい。」と一馬がいうと
「安すぎるかしら」と笑った。


そのころ、エリーはエマの部屋に洗濯物を
持ってはいった。

エンピツがころがっていたり
机の上が汚かったりするので
つい、引出しをあけると
ごちゃごちゃになっている。

エリーは驚いて整理整頓を始めた。

「ただいまぁ~~~」とエマが
帰ってきた。
明るくリビングに入ると政春が
「おお、えろう元気じゃのう。なんか
ええことあったんか?」と聞く。
「ふふふ・・・」と笑って部屋に行った。
「ええ?エマ?」と政春は
エマの後姿にいった。

部屋に入るとエリーが机の前にいる。
「なにしているの?」と
エマが言う。
「今机のなか、片付けてあげてる」と
いった。
エマは先ほどの笑顔はどこへやら。
「大丈夫自分でやるから」といった。
エリーが持っていたものを
とりあげて
「勝手に引き出しあけないで」と
いった。
エリーは、「なにもみてない、片付けて
いただけ」というが。

「わたしもう子供じゃないんだよ」
というと「そんなことわかっている」と
エリーは答えた。
「もう出て行って、自分のことは自分で
やります!!」
といってエリーを部屋から追い出し
ドアを閉めた。

エリーはなにがなにやら?
ただ片づけていただけなのに。
政春に言うと、エマにはエマの
気持ちがあるという。

「勤労奉仕で嫌なことがあった
のかな」とエリーはいうが
「帰ってきたときはご機嫌だった」と
政春は言った。

エリーは「できることなら一緒に
行きたい」といった。
政春は「表には特高がいるし
一日家の中にいるからイライラするのは
わかるけど」というと
エリーはイライラしているので
「そういう意味ではない」と声を荒げた。

「私は平気、ただエマのことを心配して
いるだけ。」といった。

エマは部屋のドアを少し開けて
その話を聞いていた。

仲のいい母と娘の間に
何やら不穏な空気が漂って
きた。
********************
はい、ただの反抗期です。
ちょっと距離を置く必要が
あります。
子ども扱いはエマのプライドを
傷つけます。

子供が大人になる過程で
親子の葛藤はどこにでもある
ことです。

しかし・・・・
一馬とエマは年の差
いくつだろう????
10歳位かな???

これが初恋?
エマの婿取りの話が合ったけど
一馬は条件にあうかもしれない。

が、

彼は何やら、悩んでいます・・・・。



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