Small gardens(小さな庭から)

小さな庭で初心者ながらも 色々植えて育てています。
雪国の為、夏限定の栽培日記と日々の事、思った事など。

涙雨。

2018-05-13 14:09:43 | 些細な日常の独り言

今朝は曇り空。
どんよりと……と言うよりは
薄いベールで空を覆った様な……。

ぐっすり熟睡するのだけれど
起きる時間が早過ぎて 時間を持て余す。

おはよう!と声をかけて 棺を撫でる。
そして小窓を開けて透明な板越しに顔を見る。

コーヒーを淹れて煙草を供えて。
お水を入れかえて 新たにお線香を焚いて。

そうして また 棺を上から撫でる。

子供達を起こして朝食の後
制服に着替えさせ 私も着替える。

持っていくお供え用のご飯を準備。

姉家族が来て
賑やかな話題で盛り上がる中
姉は浄め用のお塩の準備もさる事ながら
手水用の手桶まで持参……流石でございます。
頭が上がりませんね、一生。

葬儀屋サンがいらして
いよいよ出棺の準備。

蘭のお花で旦那サマを皆で飾って
その後で 息子達を含め男性陣で棺を運び出し
旦那サマの身体を乗せての 最期のドライブです。

田畑の広がる場所まで来たら
一面の菜の花が車窓越しに私達をお見送り。

お寺さんにお経をあげて頂き
スムーズに
旦那サマを見送る準備が進んでゆきました。

最後のお別れを……と係員に言われ
棺の小窓から顔を無言で見てから
透明板を引き下げ
旦那サマの冷たい頬を何度も優しく撫で
「またね」って言葉をかけた。

でも
涙が止まらなくなったので
それ以上の言葉は出せませんでした。

「またね」って一言で
きっと旦那サマには全て通じた事でしょう。

時間ギリギリまで顔を見ながら棺を撫で続け
長男クンは無言で私の隣に立ち続け
次男クンは私の背中をずっとさすって。

パパが『 俺が死んでも泣くなよ。』って。
入院前に約束したから

と次男クンが後になって教えてくれました。


お骨になってから胸に抱き
外に出た途端 涙の様な雨が。

ぽつり ぽつり。
優しく降って。
家路に着くまでぽつり ぽつり。

家に着いたら雨も止む。
身体は もう 私には見えないけれど
一緒に帰ってきたよね。






コーヒーでお疲れ様。

その後 家族で一緒にご飯を食べて
旦那サマを肴に笑う。笑う。

狭い家なのに
ガラーンとしている気がするのは何でだろう?
時折 旦那サマの写真を
つい見てしまってる自分に気付く。

今夜から。
旦那サマに食べさせたかった料理を
毎日 少しずつ作ります。

一気に作るなよ

そんな苦笑いが聞こえる気がします。

思い出が沢山あるから
遺された者は 泣き笑いしながら
前を向いて 生きていくのです。