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Krannert@Purdue Univ.でのMBA留学。 学んだこと、考えたこと、書き綴っていきます。

Take a step from your comfortable world

2005-04-11 | MBA- 日記・雑感
 "Take a step from your comfortable world" ビジネススクールに入学した頃、新入生に送る心構えとして、盛んに言われた言葉である。「自分の居心地によいところに居座らず、一歩でも外に踏み出してみよう」とでも訳すべきか。仲のよい友人のグループ、母国語を同じくする友人たち、慣れた環境、得意な分野、などなどから、一歩だけでも踏み出してみないと、新しい世界は広がってこない、自分にも成長はない、、そんな意味の警句であった。

 アントレクラブとシンポジウムの運営を通じて、自分に言い聞かせていたのもこの言葉であった。むしろ、この"Take a step"をすることが、1年前にクラブの役員を引き受けた動機のひとつでもあった。当時、ビジネスクールの勉強だけであれば、クラスやチームでの議論で、なかなかの存在感を示すことができることもよく分かった頃であった。同級生には日本人も大勢いて、無理せずともなかなか快適な暮らしをおくることも可能だ。こりゃいかん、何か自分への負荷を増やさないと、自分を鍛えることは難しい、、、。そう考えていたところに、たまたま久しぶりに参加したアントレクラブのゲストスピーカーイベントで翌期の役員の選挙があり、ひょんなことからその場で役員を引き受けてしまったのである。

 クラブでの仕事を振り返ると、一歩を踏み出しておいてホントによかったと思う。自分の本質は、「面倒くさがりや」かつ「えぇカッコしぃ」である。こんな自分にとっては、例えばクラブのイベントのためにピザひとつ注文することも、初めは実に煩わしいものであった。どの店に行って、どうやって注文して、費用の清算の手続きはどうすればいいのか。そんな些細なことを、最初は英語の問題も含めて「えぇカッコして」やろうとして、ひどく手間取った。(ちなみに、学校のクラスで話す英語よりも、町のバーガーショップで話す英語のほうが、えてして難しいものである。) スピーカーにお迎えしたゲストをホストとして迎えるときも、初めの頃はゲストの経歴を調べ、何をどうやって話そうか、必死に準備したものである。当然、こんな仕事のやり方をしていたら、ますます睡眠時間がなくなってしまう。次第に「座って迷っている暇があれば、とりあえず動いて、人に会って、伝えて、尋ねてみる、のが、結局一番早い」というモードに、実体験を通じて少しは変わってきた。

 もちろん、自分はまだまだ「動く前に迷う」ことの方が多いタイプではある。そんなとき、「結局、動いてみて損することはない」というこの1年間の体験は、自分を「とりあえず動かす」のに、役に立つだろう。Take a step from your comfortable world 常に肝に銘じておきたい言葉である。

「質」へのこだわりとリーダーシップ

2005-04-05 | MBA- 日記・雑感
 シンポジウムの準備と運営と通じて考えさせられたことのひとつは、人にはそれぞれ、許容できる「質」のレベルに差があるということ。そして、様々な「質」の側面に関する重視の程度(こだわり)が人によって異なる、ということである。

 まずは「質」の様々な側面に関するこだわりの違い。たとえば、シンポジウムの受付デスクに、いつまで人を配置しておくべきか、という点で、「来場者へのもてなし、来場者の印象」と「スムーズな運営」いう質を重視する僕は、3時間半のシンポジウムのうち、開始後少なくとも2時間程度は少なくとも一人をデスクにおいておくべきと考えて、スタッフィングの計画を立てたが、運営メンバーのうちのひとりは、「遅れてくる人が悪いので必要ない」という。
 
 また、シンポジウム2日前に持ち上がった「シンポジウムの模様を録画しよう」というアイデアに関して、プレジデントのAnoopは「録画して残せば、クラブのWebsiteに載せて、後進の役に立つ」という質へのこだわりが強く、ぜひやろうというスタンス。一方、人繰りの厳しさに悩み、「スムーズな運営」という質を重視する僕は、「もちろん録画するに越したことはないが、そのために運営に必要な人を削ってカメラマンに回すのは避けたい」というのが第一印象(結局、日本人同級生Nrさん、Tkさん、Hsさんのご協力で録画・録音、ありがとうございました)。

 なんらかのプロジェクトを進める場合、リーダーが筋の通った「質」へのこだわりを持っていることが重要である。リーダーは頑なになりすぎてもいけない。まずは「あるべき姿」としての「質」を示し、それを実現するにはどれだけのリソースが必要なのかを考える。必要なリソースを獲得するためのコストを勘案し、妥協するべきところは妥協する。リーダーが望む「質」を実現するように人に働いてもらうためには、なぜこの「質」が重要なのか、説得的に示さねばならない。納得できない「質」のために、人に前向きに働いてもらうことは難しい。

 一方、「許容できる質のレベル」に関して。いい仕事をできる人、できない人を分けるのは、自分のアウトプットの質に関して、いかに高いハードルを自分の中に設定できるかによるということを改めて実感した。これは、今回のシンポジウムのような大き目のプロジェクトに限らず、普段のクラスでのレポートなどでも感じていたことだ。たとえば、Anoopを組んだチーム(彼とは色々なクラスでも一緒にチームを組んでいる)では、彼も僕もどうせ書くなら質の高いレポートを目指すという点でのこだわりが近く、二人で深夜・早朝までレポートをブラッシュアップすることがよくある。一方、他のメンバーは、というと、驚くほど稚拙なもので済ませようとする人もいる。チームでいい仕事をするには、こうした「質のレベルへの拘り」の違いを、いかに高い領域で揃えていくか、が重要だ。だが、この違いが、何に起因するものなのか、まだ掴みきれないでいる。功利的な動機(たとえば、レポートの成績)を超えて、何か深く人生観に根ざすものが働いている気がするのだが。。。

 今回のシンポジウムの準備・運営で、Anoopと僕が失敗したのは、この、「どんな側面で、どのレベルの質を目指すべきか」を他のメンバーに伝える努力を怠り、彼らにシンポジウムの準備によりエネルギーを割いてもらうことができなかったために、結局多くの仕事を二人で抱え込んでしまったことだ。二人だけでできることはやはり限界がある。より高い「質」を実現するには、どうしても多くの人をやる気にさせなければならない。これがこれからの俺たちの共通の課題だなぁと、ふたりで反省したある日の夕暮れであった。

 もうひとつ反省。自分の「質へのこだわり」の傾向を省みると、「プロセスのスムーズさ」と「関わる人々の気持ち・印象」をつい重視して、「アウトプットの質そのもの」に関して妥協してしまうことが間々ある。これではいかん。

シンポジウム無事終了。ホッ

2005-04-03 | MBA- 日記・雑感
 シンポジウムも無事終了。来場者は123名。運営もおおむねスムーズにいき、パネルディスカッションやスピーカーの質も参加者には好評だったようだ。とりあえず、成功といっていいと思う。ご協力いただいた方、ありがとうございました。
 
 こうしたイベントを運営して嬉しいのは、参加者、ゲストスピーカーが帰り際に言ってくれる「Thank you for organizing such a good event」の一言。そして、一緒に運営に苦労した仲間からの「Great Job! Akira」の一言である。後者の場合、その嬉しさの重みは人によって異なる。積極的に運営に参加してくれた仲間、すなわち運営の難しさと大変さをよく分かっている人からの言葉は、格別に嬉しいものである。もちろん、一番一緒に苦労したAnoopとふたりでかみしめる喜びは言うまでもない。

 とりあえずホッと一息。

Entrepreneurial Symposium

2005-03-31 | MBA- 日記・雑感
 幹事を務めるアントレクラブ(Krannert Entrepreneurship Club)では、4/1日に4th Purdue Entreprenerrial Symposiumという一大イベントを予定している。起業家やベンチャーキャピタリスト、学者など15人程度のパネリスト、スピーカーを招き、昨年は200人以上の客を集めたイベントで、学生クラブが主催するものとしては、僕の通うビジネススクールで最大規模である。加えて、このモジュールでは、既に卒業までの単位は足りているというのに、やや重めの3クラスを履修しているため、この2週間あまり、その準備で文字通り寝る間もない忙しさである。学校で朝日を迎えた日も幾度かあった。。。

 お招きするスピーカーやパネリスト、スポンサーとの交渉などはアントレクラブのプレジデントである盟友Anoopが担当し、僕は専らロジスティック関連を担当。会場のセッティングに関する手配(これが場所の予約担当、学校が管理する椅子などの担当、音響設備の担当、レンタル設備会社など関係者が多くて調整が大変)、前日の準備や当日の運営に関するスタッフィング(何時に誰が何をやるか)、ランチレセプションの手配、などなど、To Do Listが膨らむばかり。

 以前にどこかで、こんなことを書いた。
「ビジネススクールはリーダーを育てるところ。でも、真のリーダーシップ、チームワークスキルを伸ばすには、授業のチームだけでは不十分。クラブ活動ほかの課外活動の運営にこそ、それを鍛える機会がある!」

 たしかに、今、それを実感している。いろいろと学んだこと、考えさせられたことは多い。とりわけ、プレジデントのAnoopの揺らぎと妥協の少ないリーダーシップから学んだこと、ふたりで一緒に「どうしたら他のメンバーにもっとコミットしてもらえるだろう」と悩んだことは、一生忘れないだろう。またおいおい、書いていこうと思う。

 ともあれ、本番のシンポジウムは明後日。最後まで走り抜く! 近隣の皆さん、ぜひこちらで登録のうえ、ぜひご来場ください。

株式公開と価値観

2005-02-06 | MBA- 日記・雑感
 Krannert Entrepreneurship Club(KEC、以下「アントレクラブ」)というMBA学生のクラブのバイスプレジデントをやっている。 Entrepreneurship とは起業・創業のこと。クラブには自分でビジネスを始めること、あるいはベンチャーキャピタリストとしてその支援にまわること、などに関心がある学生が集まっている。

 昨日は、僕が企画・運営しているイベント「Meet an Entrepreneur」を開いた。Purdueにお招きした起業家を少人数(5~15名)で囲み、経験談や教訓などを語り合う催しである。 今回のゲストはMs. Elaine Hodgson。Incredible Technologies, Inc.というゲームソフト会社の創業者兼President/CEOである。 このIncredible Technologiesという会社、85年に創業し、96年に.Golden Teeという3-Dのゴルフゲームのヒットで成長してきた従業員100人強の会社だが、いわゆるIT系のベンチャー企業でありながら株式公開をしていないプライベートカンパニーである。

 ミーティングで早速、「どうして株式公開をしないのか?将来もするつもりはないのか?」と質問してみた。すると、「It's my preference of way of life (それが私の生き方の好みなの)」という答え。自分はいかにユーザーに楽しんでもらえるゲームを作るか、それをいかに多くの人に楽しんでもらうか、に集中したい。 株式を公開すると金銭的なリターンにしか関心がない外部投資家に説明して回らなければならない。そこに時間を割くのは自分の好みに反する、というわけだそうだ。だから将来も、仮に素晴らしいビジネスアイデアを見つけて、それが巨額の資金を要するという事態にならない限り、株式公開するつもりはないという。

 まさに「我が意を得たり」であった。僕が中小企業に転職した後、「目標は株式公開かい?」と尋ねられることがよくある。しかし、かつてのネットベンチャー企業の一部にみられたような株式公開を最大の目標とすることに、僕は大きな疑問を持っている。 これは、「何のためにビジネスをやるのか」「どんなことに満足を覚えるのか」という価値観の違いによるものだろう。 僕もお金は欲しい。そりゃたくさんあればあるほどいい。 けど、お金以上に、僕はビジネスそのものを楽しみたい。また、ビジネスを核として、そこに関わる人々が各々のHappinessを追及できる「場」もしくは「コミュニティ」を創りたい。(これを以前今考えている夢として書いたが、ここでは「Happyってお金だけじゃないよね価値観」と呼ぼう)。 しかし、「株式公開を目標」にすると、社会的認知度の向上といった副次的なメリットはあるにせよ、「創業者グループの富を増やすのが目標」という意味合いが強まってしまう。 そもそも株式公開は、あくまでビジネスの成長に必要な資金を調達するための手段のうちのひとつに過ぎず、創業者たちの富を増やすのは副次的な結果である。 僕の場合は、ビジネスを成長させて、ビジネスそのものの楽しみを大きくしたい、より多くの人々とHappiness追求の場を創っていきたい、そのために必要な資金を調達するひとつの手段として株式公開を位置づけている。

 この考え方は、僕が現勤務先の創業者と意気投合し、惚れ込んでしまった理由のひとつである。彼もこんなことを言っていた。「株式公開して、自分の夢も志にも関心を持たずに、端末の向こう側に座ってリターンだけ見ている外部株主のために必死に働けるかい? そんな生き方は空しいよ。 自分は自分と価値観を同じくする人々のためだからこそ、全てを賭けて働けるんだ」。

 米国のビジネススクールで、こんなことを考えている人間はもちろん少数派である。まさか米国で、しかもIT系の成長起業の創業者が同じようなことを考えているとは思いもせず、この出会いをとても嬉しく、心強く思った。

 しかし、悩みはある。 株式公開せずに内部留保と借入金だけに頼ると、どうしても成長のスピードは遅くならざるを得ない。 今回出会ったMs.Hodgsonの会社も、100人規模になるまで20年かかっている。 企業は成長しなければならない、と思う。ファイナンスで教えるところの株主価値を最大化するためではなく、有能な人材を集め、より面白いビジネスをやっていくために、成長が不可欠だからである。 有能な人材を集めるに足る成長スピードをファイナンスし、かつそれが株主資本ならば株主に「お金だけじゃないっしょ」価値観を共有してもらって資金を集めるスキーム、なんかないもんかなぁ。。。

こんな暮らしなら一生。。。(春学期第1モジュールの履修科目)

2005-01-24 | MBA- 日記・雑感
 僕の通うビジネススクールでは、春・秋の2学期が、それぞれさらに二つに分けられて、8週間の「モジュール」という単位で授業が開講されている。 現在は、春学期第1モジュール(1月~3月初)が3週目に入るところ。
 昨年までは、勉強したい科目が多すぎて、絞り込むのに苦労していたのに対し、このモジュールは食指を伸ばす気になる科目があまりなく、3科目のみ。 かつての5科目履修+1科目聴講(単位を申請せずに授業だけ出席)といった殺人的なスケジュール(ホントに死にそうだったんです。。またおいおい書きます)に比べると嘘のように楽な暮らしである。先日、同様にクラス数を減らした同級生の日本人Kjさんと共通の結論、「こんな暮らしだったら一生続けてもいいよなぁ。。」 いやいや、卒業を5ヵ月後に控え、ビジネスに戻るの日をウズウズして待っております。ホントは。

なお、春学期第1モジュールの履修科目は、
- Organizational Development(月水2:50-4:20)
- Spreadsheet Modeling(火木2:50-4:20)
- E Commerce & Supply Chain Management(火6:00-9:00)
内容についてはまたおいおい書いていきます。