記録帳~

私的な事の記録帳。

読みました。「のぼうの城<上下>」 和田竜 著

2011年02月25日 21時45分23秒 | 読書録
歴史小説って面白いよね。


力量のある作家さんにかかると、

史実の検証の上での実在した無機質な人物を、
性格という肉付けをして、
感情という服を着せて、
思考という髪型を整えてあげると、

本の中でまるで活きているかのように、

過去の人物が動き出すもんね。


歴史小説といっても、9割方フィクションだ。



マンガで、「へうげもの」(モーニング)、
「センゴク」(ヤンマガ)が面白い。

読んでいて本当に"ほーっと"思ってしまう。

両者に共通するのが、
史実の検証をしっかりした上で物語が形成されている所だ。


登場人物が、当時のメジャーな武将でなく、
その登場人物は、目上の人物を意識しなくてはならない、
その心情の描写も心地いい。

(へうげものの場合それがからかいなのだが、)



「のぼうの城」の登場人物なんて、
教科書にも載っていない。

名を惜しんだおかげで、
ひっそりと史書の片隅に生き延びた。


すぐの目先の事を考えてしまう自分。
もっと「名」を惜しもう。大事にしよう。






のぼうの城
和田 竜
小学館