明鏡   

鏡のごとく

『巣窟』

2016-05-23 18:18:35 | 詩小説

巣窟は退屈である。
自意識が巣食っている。
目的があるようで具体的な目的はない。
人生を諦めたという人が巣食っている。
諦めていない人は巣窟を出て行く。
未来はないからただ過去にいた人を思い起こす。
退屈な日々から逃避するため。
人の妨害に力を注ぐ。
哀れみを持ったものには少しばかりの援助をするふりをする。
阿片窟の煙のようにたちぎれ。
巣窟は焼き討ちされ。
退屈を孕んだものはただ煙と灰になる。