aki ~ 歌舞伎☆だいあり

歌舞伎・・・カブキ・・・かぶき・・・

2010/8/18(水) 第八回亀治郎の会 @国立劇場大劇場 東京公演 初日

2010年08月18日 21時51分00秒 | 歌舞伎
今年で8回目になる「亀治郎の会」ですが、私は初参加。いつも稚魚の会の公演と重なったりチケット取りにくかったりで見られなかったのですが、今回はすんなり取れたので見てきました。お正月の浅草、5月の御園座以来の亀さんでした。1階前方上手の私のいつものエリアから見ました。

補綴・演出:奈河彰輔/市川猿之助
●猿之助四十八撰の内「義経千本桜」
道行初音旅 清元連中
川連法眼館の場-市川亀治郎宙乗り狐六方相勤め申し候-
佐藤忠信/佐藤忠信実は源九郎狐:亀治郎
源義経:染五郎
亀井六郎:亀鶴
川連法眼:寿猿
法眼妻飛鳥:吉弥
駿河次郎:門之助
静御前:芝雀

まずは道行から。
芝雀さんの静。亀ちゃんの忠信。バランスがどうかしら~と思ったけれど、違和感なかったです。猿之助さんのご指導ということで、演舞場の海老さんと同じ蛤バージョン。今まで道行って何度も何度も本当に何度も色々な方で見ているけれど、今月初めて蛤バージョンを意識した。今回はプログラムの歌詞を先に読んだので蛤はまぐりハマグリをちゃんと聞けた。今までぼーっと聞いていたのかしら。。。

15分の休憩をはさんで四ノ切。寿猿さん@法眼と吉弥さん@飛鳥は板付きでスタート。もうちょっとたっぷり見たかったなぁ。染さんの義経、すっきりと上品でキレイ。まだ趣向の華の時の染ちゃんの顔がちらちら浮かぶな~。亀鶴さん@亀井六郎と門之助さん@駿河次郎はそれぞれ持ち役といった感じ。亀鶴さんが花道を行って帰る時の足音が所作板の上で心地よく響いていました。

亀さんの狐さん。膝をついての高速回転、あれはすごい!溶けちゃうよーと思うほど。狐言葉があまり気にならなかったというか自然に感じられた。それにしても亀ちゃんの四ノ切って前にも見たような気がするのですが・・・夢・・・?道行は浅草(だったかな?)で見たのかな。きっとその時の忠信がぶっかえるバージョンだったのだと思う。で、狐ぴょんぴょんで花道を駆けて行ったんじゃなかったかな。

この演目で1番おぉぉっと思ったのが猿四郎さん。なぜならば~、バカサレの代役で出ていたのですが、動きがめちゃめちゃ良い!しかもトンボ返りましたよっ!!上手寄りの席だったので猿四郎さんの動きがよっく見えました。最初、出ているはずないと思いつつも、どう見ても猿四郎さんのお顔。今は立師としてご活躍ですが、名題下のころは立廻りすごかったんだろうなぁといつも思っていました。その猿四郎さんの立廻りが思いがけずも目の前で見られるなんて。もうこの先もめったなことでは起こらないでしょうから、とても嬉しくなりました。で、ちょっと検索したら猿四郎さんのブログがヒットしました。そこにも「四ノ切の荒法師を代役で勤めます、何年ぶりでしょうか。」と書かれていました。おでこに書く鳥居が亀さんマークになっています。あ~、そこまで気がつかなかった。これから見る方はバカサレさんのおでこをよっく見てください。

そして猿三郎さんのブログもチェックしてみると、やはり亀会のことが書いてあります。猿之助さんの吹き替えといえば猿三郎さん!ということで亀さんから吹き替えや居所や大道具のことを教えてくださいとお願いがあったそうです。なんと600回以上も忠信の吹き替えをやったということで、すごいですよね。筋書きなどには載らない役ですが、この吹き替えがなければ成立しないですからね。海老蔵さんの初忠信の時にも吹き替えしてましたし。すばらしい!

また15分の幕間。

原作:川村花菱
補綴・演出:石川耕士
●上州土産百両首
正太郎:亀治郎
みぐるみの三次:亀鶴
おせき:吉弥
隼の勘次:門之助
牙次郎:福士誠治
おそで:守田菜生
金的の与一:渡辺哲

何と言っても福士さん大活躍。福士さんを初めて意識したのはNHKの朝ドラ「純情きらり」でした。あれは2006年。とても和なお顔立ちで松井達彦という役が本当にピッタリでした。その後は「のだめカンタービレ」2006年、「オトコマエ!」2008年、「オトコマエ!」2009年も見てました。舞台は2007年の「ナツひとり -届かなかった手紙-」以来です、私が見たのは。この3年間ですごい成長なんだな~と強く感じました。今年はミュージカル「RENT」の主演にも決まり、ますますのご活躍を期待しています!余談ですが・・・思いがけず某所で少しだけお話できたのですが、素顔もかっこよく好青年でキラキラしていて素敵すぎました♪

舞台の話に戻りまして・・・主役が霞むほどの存在感だったと個人的には思います。超亀ちゃん大好き~な感じの方にして見れば、あんまり好ましい演目ではなかったのかもしれないですが・・・私は本当に良いお芝居だったと思ってウルウルきました。門之助さん、吉弥さんが良い感じ。亀鶴さんも目つきの悪さといったら、もう右に出るものはいない?!段之さんも出番は短いながら印象的。あ~ゆう役はお得意ですね。

渡辺哲さんは、ちょっと癖があるというか、セリフ回しが気になってしまいました。普段どうゆう役者さんなのか存じませんが、今回は歌舞伎っぽいセリフ回しにしようとしたのか・・・妙に伸ばしたり縮めたり・・・何だか、もうちょっとすっきりした感じが良かったんじゃないかと思いました。守田菜生さんには「大和屋っ」の声がさかんにかかっていました。NHKの古典芸能鑑賞会で三津五郎さんと共演の踊りで初めて拝見し、その後は風林火山の舞台、劇場・客席でもよく見かけます。声がきれいで良く通るので舞台むきなんだろうな~と思いますね。

でもでも何よりも福士さんの牙次郎。驚いた時の「ありゃ」が言えずに「あじゃ」になる、愛すべき、あじゃがじ。もう一度会いたいな。あじゃー。