田舎神職の人生-自然の中で生きる

神明社に奉仕しながら、気ままに生きる日々の暮らしを、生かされて生きることに感謝しながら綴っています。

鯛の大きさに驚く

2019年04月04日 14時43分30秒 | お祭り
 昨日は、海岸に近い神社の春祭りでした。
 氏子が三十数軒の小さな神社ですが、皆さんの敬神の念の篤いことに感謝してきました。
 その一つが神饌の良さです。
 海藻も野菜も果物もみな三方に盛り切れないくらい品数も多く量も多くありました。事前に麻で縛って、安定するように盛り付けました。特に、魚であるタイの大きさには驚きました。



 家のまな板には収まりません。頭の先からしっぽの先まで測ったら60㎝ありました。氏子に漁師をやっている家があり、2日前に地元の海で獲れたものだそうです。あまりにも立派だったので、お祭りの神饌にお供えするためにとっておいたとのことでした。70年間生きてきてこれほど大きい鯛を見たのは初めてでした。その漁師さんが今年は神社役員になったこともあると思いますが、感心しました。
 また、その漁師さんは「甘エビが大量にとれたから」と、生きのいい大きな甘エビを大量に持ってきてくださいました。昼食の味噌汁は、甘エビの入った美味しいものでした。夕方の直会はいくつもの大きな皿に盛られた甘エビが出され、皆さん刺身で頂きました。
 春祭りでは、神楽舞が行われましたが、最後の演目は「杵築の舞」で、大国主命がお菓子を撒いて氏子皆で拾うというものでした。そのお菓子の量は大きな段ボール箱4個にもなりました。それも氏子の何人かが奉納したものでした。集まった人は誰もが買い物袋一杯にお菓子を拾って帰っていきました。

 最近は春祭りを休日に変更するところが増えてきましたが、昔ながらの祭礼日に氏子の皆さんが総出で精一杯の準備をして行われるお祭りに、宮司として身の引き締まる思いで祭式をしてきました。 


大祓詞を書く

2018年12月07日 15時57分54秒 | お祭り
 今月12月末には神社で年越しの大祓が行われます。
 神道には古くからの日本人の考えや習慣がそのまま伝わっています。「大祓」もそうです。知らず知らずのうちに身についた穢れや災いを祓って、心身ともに清々しくなって新年を迎えるというものです。神話では、伊弉諾大神(いざなぎのおおかみ)が黄泉の国の穢れを海水で祓いをしています。「人は神から生まれて、もともと清らかな存在であり、穢れや災いを祓いことができる」という日本人の考え方は素晴らしいものです。
 今日は天候も悪く家の中で大祓詞を筆で清書してみました。



 決して上手にできたとは言えませんが、最後まで丁寧に書いて何とか配置だけはよくまとまりました。
 普段は暗唱していますが、間違えることが許されないお祭りのために清書してみました。




神棚にお供えした塩

2017年10月01日 17時56分01秒 | お祭り
 十月を迎え、今日一日は本務社と兼務社で月次祭でした。
 月次祭を終えた後で神饌などの片づけをしていた時に、当番の人から神棚の塩について聞かれました。
「毎日神棚にお米と塩、水をお供えしていますが、お供えした後の塩はどうしたらいいでしょう。」
 私は、お米はどうしているか聞き返しました。その人は、
「お米はご飯を炊くときに混ぜていただきます。塩は玄関に置いておくといいのか、近所の人に変に思われると困るし、どうしたらいいか困っています。」



 塩も人の生活にはなくてはならないものです。お米と同じように料理に使って食べることを勧めました。
 神様にお供えしたものをいただく、神様と同じものを食べることで、神様のご神威を受けることができると考えます。お祭りが終わった後で、直会(なおらい)があります。当地域では神饌としてお供えした赤飯を分けていただき、御神酒をいただきます。
 家の神棚にお供えした神饌も同じと考えます。お米はご飯を炊くときに混ぜていただき、塩は料理の味付けに使っていただくことは、神様と食を共にすることで毎日の生活で大事にしたい事です。
 ちなみに、我が家では毎日の「お下がり」の塩がたくさんあるので、普段の生活では使いきれないほどあります。新しい塩を食べることはほとんどありません。



スーツ姿の春祭り

2017年04月16日 20時02分20秒 | お祭り
 今日も兼務社の春祭りでした。
 午前9時から柏崎市内の神社で春祭りをやり、終わって出雲崎に駆けつけ準備をしてお昼をいただいて、午後1時半からのお祭りでした。

 出雲崎の神社は、氏子40軒弱の神社でが、祭礼には全戸揃って参列していまいした。毎年そうですが、若い30代、40代の人も多く、みな正装して神社に上がってきました。上下揃ったスーツ姿です。きちんとネクタイをしてのお参り、拝殿に横にきれいに並んでお参りする姿はさすがに立派でした。今日も玉串拝礼のやり方を、お祭りの前に実演をしながら話をしました。代表で玉串拝礼をする人は安心してできたことでしょう。

 祭式の終わった後は一転、神楽舞を見ながらにぎやかに直会でした。昔は個々に家から重箱を持参してきたそうですが、今は仕出し屋から取り寄せた折り箱です。

 

 神楽舞の中には、「杵築問答」や「肥の川(八岐大蛇)」のようにセリフの入る舞いがあります。酒が入って気分が良くなり、舞う人と見る人が一体となって賑やかでした。

 神話の「天の戸開き」で、アメノウヅメノミコトが舞を舞い、その神がかった姿に周りの神々がどっと笑ったとあります。餅の代わりにお菓子を撒く「杵築の舞」では、境内に若い女性や子供たちが大勢いました。
 いつも思うのですが、唱歌「村祭り」の光景に似た雰囲気の春祭りでした。

兼務社での病気平癒祈願祭

2016年08月11日 13時00分59秒 | お祭り
 昨日夕方電話があった。
「薬を飲んでも、血圧が高く不整脈が治らないのはどうしてだか見てもらえませんか。」
お医者さんにかけようとしていると思った私は、「電話番号を確かめてみてください」と答えてしまいました。すると「栗田さんですね。お祓いをして悪いところを見てもらえると聞いたのですが」と言われました。私は、占いや神様に伺うことはやっておらずただ神様に病気平癒の祈願をしていることを伝えました。
名前と住所を聞くと、私が兼務している柏崎市街地の羽森神社の氏子ということが分かったのです。祈願するなら産土神様に祈願するのが一番です。

 今日、羽森神社で一人の氏子の病気平癒の祈願祭をやってきました。神社の世話人に話をしたら、1時間前から神社の戸を開けて神饌の用意までして待っていてくださいました。



 自分の生活全てを見守ってくださるのはその地域の鎮守様であり産土神様です。まず羽森神社の神様にお願いすることは一番大事です。そして、お守りは授与し、御神札は別に初穂料500円で頒布しました。
 玉串料は神社会計に入れてもらい、今日準備いただいた世話人二人と私は無料奉仕でした。片道30分の車のガソリン代はかかりましたが、産土神信仰が広がっていくことを思うと満足でした。もちろん二人の世話人も今日の祈願祭は予定になかったお祭りで無料奉仕です。その二人から快く準備と後片付をしていただいたのは、ありがたいことです。